表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/180

新十五話ゴブリンドラゴンなんて倒してないですよね?

巨大ゴブリンは俺がアスカ丸を構えるととげ棍棒を振り上げやってきた

こいつの行動パターンは気のせいとの戦いを見ていたので


わからなーい!!


「ヒュン─あっぶねー」


でも強化されてるのでこんな風に攻撃を見てからでもとげ棍棒を避けることができるんですよ

風の音で当たってはいけない攻撃というのはわかった

これにボコられてた気のせいは丈夫すぎやろ


でも避けるんギリギリやったしまだまだ速さほしいな


「〈弱体化〉〈弱体化〉〈弱体化〉」


こんくらいでいいだろう、俺は弱体化を四回自分にかけた


また巨大ゴブリンは棍棒を振り上げた、来るぞ


「ふっと、うぎゃーーーん...」


速すぎて逆にとげ棍棒に当たってしまった

だが強化の影響で防御力も上がっていたので耐えられた


HPは今ので半分も減ってるけど


『ゆうたさん大丈夫ですか?』


「気のせい下がっとけ、行ける気がする、というか行ける気しかせんからな!」


今のミスタックルで当たったところのとげ部分が壊れたんや、タックルでこの威力ならアスカ丸でやれば本体もワンパンではないか?


まあ予備で


「〈弱体化〉〈弱体化〉」


これ以上やると滝汗のように制御できなくなるのでやめておく、ではいざ参る


俺は刀を構え地面を蹴り


「はやいはやいー!ドンッ!!」


事故った






「生き返れ!」


目覚めると滝汗と気のせいが俺の顔を覗いていた


「ゆうた、かっこよかったで...最初は」


『はい、かっこよかったですよ...最初は』


どうやら倒せたらしいが中途半端だ、まあ俺ですからね

滝汗と気のせいの弱体化状態は俺が死んだことで解除されたみたいだ、逆によかったのかもしれない


「ほんじゃあこれ持って帰ろ!」


大きくて黒い魔核が落ちている、なんかレアなやつや

滝汗に持ってもらおう


巨大ゴブリンの腹には俺のシルエットの穴が空いている

事故ったときに空いたんでしょう、こんな威力出てたんや


『では私はこれを、ん!!ん!!』


「それは無理よ」


気のせいは巨大ゴブリンを持ち帰ろうとしている、確かにこいつの皮膚は硬そうやしなんかの素材になりそうやが


無理よ


『ゆうたさん、弱体化バフで持って帰れませんか?』


「気のせい、ゲートを見て」


『あっ...通りませんね』


こいつを倒した後に現れた転移ゲートはだいぶ小さいのでこの巨体を通すことはできない

というかあのゲートからダンジョンの外に帰れるやんな?と思ったら滝汗がゲートの中をチラリと覗いて両手を上げて丸を作った、どうやら帰れるようだ


『じゃあここで解体しましょう、ゆうたさんよろしくお願いします』


「え...」


解体?聞いたことないなー


『私も助けに来た冒険者の方たちが待ってるので先にいってきます、頑張ってくださいね』


気のせいはゲートの先にとんでいった...


「嘘でしょ...」


俺は薄暗い中一人で解体作業に努めるのであった


「ぶっしゃーーー!」


「あっ...」






なんとか終わった...ものすごく血まみれになったが作業を終えることができた、まあこの欠けちゃった大きな骨を運ばないといけないんですけどね

え?他の部分ってなんですか?あそこの生ゴミのことですか?






冒険者ギルドにやってきた、この骨を売るためだ

滝汗と気のせいの二人ともいた


『遅かったですね、それで骨だけですか?』


俺はうなずいた


『はははははー』


「それでこれ、カードないから売れへんわ」


「あっ...」


そういえばあのギルドカードないと素材売れへんし再発行してもらうのに時間かかるし...それまで売れへん...

っていう決まりやったな...


「でもな、この魔核見せたらなんか驚かれてな今ちょっと待たされてんねん」


「へー」


まあ見たことない魔核やしなー


「滝汗さーん、こっちに来てください」


「はーい!」


滝汗がギルドのお姉さんに呼ばれた俺たちもついていこう




ギルド二階の個室に案内された


「ギルドマスター不在のため私がお伝えします、それはドラゴンの魔核です」


「へ!?」


ごめんなさーい、意味わからーん


「ゆうたが倒したんはこーんな巨大なゴブリンやで」


滝汗が手をひろげてもいまいち伝わらないです...


『ゆうたさん、そのちっちゃい骨を見せてあげてください』


お前のほうがちっちゃいわ!とつっこまずに骨を見せた


「こ、これは!?ドラゴンの小指の骨じゃないですか!?」


なに言ってんのこのお姉さん...






なんか知らんけどドラゴンを倒したということで王都で表彰されることになってしまったんだが気のせいですか?


『気のせいじゃないですよ!なんでゆうたさんはドラゴンじゃないと否定しなかったんですか!?』


「あれはゴブリンドラゴンやぞ、間違ってないやんけ」


俺はお姉さんに乗っかることにした、だってあのお姉さんめんどくさそうだったからね、それで思っていたより遥かに大ごとになってしまったのは予想外で内心ではえっぐい焦ってる


「もう、ゆうたのせいで王都に行かなアカンようなってもうたやん!」


「はははははー」


「はははははーちゃうで!魔王にどう説明すんの!」


本当にそれです、どうしよう...あと鍵もなくしたしなー


「本当のことを全部言うわ」


「ちゃんと頼むで!」


『頼みますよ!』


「もちのろん」


もちろん俺が倒したのはゴブリンドラゴンということにするぞ、魔王様にカッコつけたいじゃないかー


『じーーーーーー』


気のせいが俺を睨んでる...バレてるのは気のせいですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ