百四十話ボッタクーリの長い顎
気のせいとシオンはボッタクーリを退治しにやってきた
『ここにボッタクーリのアジトがあるのですね?』
「そうみたい」
森だ...それ以上に言うことがない
『本当にあるのですよね?』
「たぶん」
『では〈気のせい〉』
森の中から屋敷が現れた
『本当にありましたね』
「よし、ボッタクーリをたいじする」
『はい、やってやりましょう』
捕まっているクソガキちゃんの情報を元にボッタクーリを発見した
「ボッタクーリおまえをたいじする!!」
シオンは杖、気のせいは雷の槍を構えた
「くっはははは、お前たちが来ることはわかっていた」
ボッタクーリはすぐ横のスイッチを押した
「ギュイーーーン」
耳に刺激的な音が鳴り気のせいとシオンの周りに電気柵がとびだしてきた
これでシオンと気のせいは逃げられない
「ひきょう」
「くっはははは、それには電気が流れているから絶対に逃げられない、くっはははは」
ボッタクーリは顎を震わせた
『確かに卑怯ですが私には関係ありません、
だってゴム手袋をしているので!【回転槍】』
気のせいは回転槍で電気柵を壊した
「な!?なんだと!?」
ゴム手袋をしていると電気が効果ないのだ
「【エターナルブリザード】」
「くっ、甘い」
予備で大楯を持っていたボッタクーリにシオンの奇襲は効果がなかった
「ひきょう」
「それはお互い様だ【シールドビーム】」
とっさに放たれたシールドビームは気のせいを貫通した
『あー、体に穴が空いちゃいました』
「え...」
シオンはショックで青ざめた
「くっはははは、油断するからああなるのだ、次はシオンお前の番だ、安心しろお前は殺さないからな」
『誰の番ですか?【突き飛ばし】』
「ぐはっ、ビリビリビリ─」
ボッタクーリは気のせいの雷の槍で痺れた
『今です』
「あ、【氷結】」
「カッチーーーン」
ボッタクーリは凍ってしまった
すると氷の中、いやボッタクーリの顎からなにかが
「うにょうにょ」
『憑依スライム?ですね【天空突き】』
「べちゃべちゃ」
気のせいは憑依スライム?の核を壊した
『私たちの勝利です』
「あれ?儂は?」
『あなたは憑依スライムに憑依されていました』
「なんと!?それはまことか?」
「ざんねんだけどそーみたい」
「もしや、憑依されている間に儂はなにかしてしまったのではないか?」
「そーだよー、ほら」
シオンはボッタクーリのぼったくりの証拠を突き出した
「なんと!?これは申し訳が立たない、本当にすまなかった、今すぐ関係各所に謝罪せねば」
『待ってください、その前にシオンちゃんに謝ってください、あなたはシオンちゃんを無理やり連れ去ったり屋敷に閉じ込めたり手を出そうとしたのですよ』
「儂はなんということを、こんな幼子に手を出そうと」
「こうみえてわたし、はたちだよ!!」
「...」
『...』
「...え?」
『合法ですね』
「そうじゃなくてむりやりはだめだよ」
「すまなかった、本当にすまなかった」
ボッタクーリは誠心誠意土下座した
「あなたがわるいわけじゃないのはわかってる、けどあやまってくれてありがとー」
『これで解決ですかね?』
気のせいは少しもやもやしていた
根本的に解決していない気がすると
『とりあえずゆうたさんと相談したいですね』
「わたしのぶんしんがおにーさんといっしょにいるからでんごんおくれるよー」
『そうなんですか?ゆうたさんは無事ですか?』
「...」
「ゆーしゃまおーぐんせんにゅーるーとにはいったからあんしんしてだって」
『勇者魔王軍潜入ルート?...あっあの特になにも起こらないやつですね、なら安心ですね』
「とくになにもおこらない?それできのせいさん、でんごんは」
『ボッタクーリの顎から憑依スライム出てきた、憑依スライムって何?う○ちで』
「わかったおくるー」
気のせいからシオン、クソガキちゃんを通して伝言が送られてきた
「ボッタクーリ顎憑依スライム出てきた、憑依スライム何?う○ちでた、だそうです」
気のせいから暗号が送られてきた
まあ解読できないこともない
ボッタクーリの顎から憑依スライムってのが出てきたようだ
そしてそいつが何者かわからないって話やろな
それで気のせいのお腹の報告はいらん
さて勝手に推理させてもらうか
ボッタクーリってやつは元々いい人なんやろう
女神が悪い人は禁止って言ってたし
それでそいつが憑依スライムってやつに乗っ取られてめちゃくちゃになったと
ここまでは合ってると思う
でも憑依スライムって何?
確定で女神が作ったやつやな
聞くか
>憑依スライムってなんですか?
>邪神です、邪神を倒すとき最後に壊す核は憑依スライムの核でーす
え!?衝撃の事実が判明した
憑依スライムが邪神ってことは...
気のせいが邪神を倒したってこと?
>邪神とは別個体です、気のせいが倒したのは弱いほうですね
さすがにそんなことなかったか
>あっ、そうそうさっきう○ち出た
いや、その報告いらねえ