新十四話未知の七階層
「生き返れ!」
目が覚めると滝汗がいた
「ここどこ?」
ダンジョンなのは確かだがなんか明るい、でも気のせいはいないようだ
そしてここの地面は金網で水はなくなっている……
確か俺は溺れて……
「よう俺生き残れたな」
「死んだで」
「死んだん!?」
どうやら俺は一度死んで滝汗に蘇生してもらったようだ
また暗黒世界が見えたしもしやとは思ったが
「ありがとうな」
「それよりあれ見て」
滝汗が指指したのはなんだろうあれ?
近づくと刀があの刀置きに置かれているではないか
この刀の名前はアスカ丸だそう、柄の部分に彫ってある
「どうする?取る?すんごい怪しいけど」
「取ってみるわ」
なんだかこの刀は俺を呼んでいる気がする
気のせいかもしれんけど
『ゆうたさん!心配しましたよ!それでここはどこなんですか?』
「ちょっとどいて、ガチャ」
「ドンッ」
あっ!!罠や!!
『ぎゃー!痛いじゃないですか!』
飛んできた石が気のせいに命中した……ありがとう、罠から俺を守ってくれて、おかげでアスカ丸とその鞘をゲットしたぞ、台は地面にひっついてて取れへんけど
『どういたしまして、それでここはどこなんですか?』
「知らん」
俺と気のせいは滝汗のほうを向いた
「たぶんここは七階層、流れてくゆうたを追いかけてたらたどり着いてん」
追いかけた……それでこのダンジョンって五階層までしかないはずなんだが、というか
「よう生きてたな!?」
「数回死んだで」
「死んだん!?じゃあなんで今生きてんの?」
「僧侶って死んでからでも蘇生できんねん、知らん?」
「知らん知らん」
チートじゃねーか、なんだそれ……俺よりステータス高いくせに
『それでどうやって帰るのですか?』
「あれちゃう?」
虹色に光る門がある、あれは転移ゲート(転移門)、あそこからダンジョンの外に出られるとこの本……
「本がない!?」
その他のアイテムもみんな落としたようだ
もちろんギルドカードと魔王様のお家の鍵もだ……
滝汗もギルドカードを紛失したそう
「じゃあ帰ろ!」
「ちょっと待ってー、鍵だけ落ちてへん?帰れへんし」
「あっ!ホンマや!」
鍵を捜索するも見つからず……
「うん、帰ろ!なくしたんはしゃーないし説明したら許してもらえるんちゃう?」
「まあ素直に謝るんが一番いいよな」
『では帰りましょう』
俺たち三人はゲートをくぐっ……戻った
「なにあれ……」
「ちょっともう一回覗くわ……チラリ……アカンわ」
『あれはどう見てもボスですね』
ゲートの先はボス部屋なようだ、巨大なとげ棍棒を持ったクソデカビッグラージキングサイズゴブリンがいた、どうやら簡単には帰らせてもらえないようだ
「傘さえあればなー」
「壊れたやん」
「そうなんやけどなー」
『ないものねだりはダメですよ、というかゆうたさん刀を持ってるじゃないですか』
「いくら強い刀を持ってても俺が弱いし意味ないぞ、武器ってのは強い人が使うから武器になるんや、俺みたいに……」
悲しくなるので言うのを踏みとどまった
「とにかく帰るためにはあいつを倒さんとな」
「せやな!やるしか帰る方法ないからな!」
『鍵がないので帰れないのでは?』
「はい、気のせいあとよろしくー」
『え!?』
いらんこと言った気のせいにアスカ丸を渡し全部任せた
「頑張ってや!」
俺と滝汗で気のせいを地獄に送った
『うぎゃーーー!!』
『ごぼぉーーー!!』
『うっほぉーーー!!』
フルボッコにされてるんだが、でも気のせいは体の再生がはやいから全然倒れない、まあ倒れてはいるんやが
『う○こーーーーーー!!』
さすがに可哀想に思えてきた
「なあ、気のせいがヘイト買ってくれてる間に倒せへん?」
「わいもそれ思った、でもあんなんに効く技ある?」
気のせいがあまりに可哀想だ、なんとか助けてあげたい
送り出したのは俺らやけど、そして俺にはあいつを倒すための策がある
「滝汗に弱体化スキル使ったらなんか強くなったやんそれで倒せへんかな?できるんかわからんけど」
ただこれにはリスクがある、ガチで弱体化してしまう可能性があることだ、そもそも強化されてしまうのがおかしいし重ねがけできるのもまたおかしいけれどね
「でもわいあれを制御できると思えへん……」
「気のせいおるし大丈夫やろ……まあボコられてるけど」
「わいがやらへんとアカンのか……」
「大丈夫や、俺がいるし、まあステータス最弱やけど」
「なんか行ける気がしてきたわ、ゆうた手合わせて」
俺は合掌をし目を閉じた
「ちゃう、拝んでどうすんねん、この手を重ねるやつ」
「あーあれね」
俺と滝汗は手を重ね
「あいつを倒して帰るぞ!」
「「おー!!」」
手を上げた、頼む、強化されてくれ!
「〈弱体化〉〈弱体化〉」
「もう無理……あふれる!!」
どうやら強化することができたようだ、滝汗は内股のままゲートをくぐる、ゲートの先の地面も底がみえない金網なので水で沈めることはできない
「〈滝汗〉全解放!!」
「ジュゴーーーーーー!!!!!!」
滝汗はおまたから大量の水を吹き出した、水量自体はものすごいがうまく制御できておらず部屋中に撒き散らしているだけだ
「頑張れ滝汗!頑張れ滝汗!がんばれ~~~」
俺は応援しかできないが全力で応援する、滝汗のすぐ後ろで
「うおーーー!制御制御制御ー!」
俺の応援のおかげで滝汗は水を細くし滝汗レーザーを産み出した
「〈滝汗〉レーザー!!」
その強力な水のレーザーはボスゴブリンに直撃した!
「よしっ!?」
だがあいつにはあまり効いていないようだ、なぜ……こんなに強い攻撃で足止めしかできないんだ!?
『今です、巨大ゴブリン討ち取ったりー!!』
だがその間に気のせいがやつの背後を取った
「ぶーん」
『うんぎゃーーー!!』
気のせいは壁に数回バウンドして吹っ飛んできた
『くっ……なんなんですかあいつは、それと私初戦闘なんですよ』
そうなんか、なんかすまない
「それで気のせい、バフいるよな」
『はい、私に弱体化バフを』
気のせいは耳がいいのでさっきの会話とかは聞こえていたので弱体化バフのことは知っている
「〈弱体化〉〈弱体化〉こんなもん?」
『あれ?なんか体の動きが悪くなっちゃいましたけど……』
「うそ?」
『嘘じゃないです、これは弱体化してます』
「じゃあもう一回〈弱体化〉」
『うわぁー、これはさらに弱くなってますよ、もう戦えませんよ』
もしかして人だけ強化されるのか……ということは魔物に向けてやったら……やめておこう、強くなったらさらに手に負えない
「気のせいー!これ止めて!もう制御できへん」
『ごめんなさい!弱体化していてできません!』
「えー!?」
「とりあえず退避やな、ん!!ん!!」
滝汗を引きずりゲートまで連れていこうとするが水部分が重くて動かせない……その間にも巨大ゴブリンはゆっくりとこちらに向かってくる
このままでは二人とも永久にボコられてしまう、滝汗はもう集中力が切れていてほぼ放心状態、気のせいは俺が弱体化させてしまって行動不能、となれば残ったのは俺しかいない
ここで一人だけ逃げるという選択肢もあるが
俺にはそんなことできない
俺が二人の大切な仲間を助けるんや!
ステータスは雑魚やけどなー!!
俺は気のせいが落としたアスカ丸を拾った
「ゆうた……」『ゆうたさん……』
二人は俺を心配そうに見つめてくるが
「大丈夫や、俺が倒してくる!〈弱体化〉」
自分自身に弱体化をかけアスカ丸を強大な敵に向け構えた
「こいつらに手は出させねー!!」
倒せなければただのダサいやつよ




