百三十九話ゆうた連れ去られる
「あれ？ここは？」
知らない天井だ
「おにーさん、おはよー」
「ああおはよう」
こいつはクソガ違う、シオンや
「え？シオン！？大丈夫なん？」
「なめないでほしーなー」
『おはようございますゆうたさん』
「気のせいもいんのか、それでここどこ？」
「ここは救護室ぞ」
「うぎゃーっ魔王！！」
立派な角を生やしたあの女魔王が現れた
「そんなに驚くな、うるさい」
いやいや、魔王がこんなとこ来たらびっくりするわ
「お前らの戦いは実によかった、だから奴隷のこいつを魔王軍がもらっていく」
「え？」
魔王は俺の首輪に情報を上書きしていく
そして俺は魔王に引きずられていく
あれ？もしかしてこれまずい状況なのでは？
いや待て、逆にチャンスかもしれない
『待ってくだ「ぐいっ」』
魔王を止めようとした気のせいをシオンが止めた
「だめだよ、まおーにはむかっちゃ」
『ゆうたさんが取られるのですよ！！』
「しょーがないよ、だってあいてはまおーだよ」
『でも...』
なんかこのままでは気のせいが魔王に立ち向かいそうなので俺も止める
「気のせい！シオンをよろしくなー！」
「うるさいぞ」
「げほっ」
魔王のチョップでゆうたは失神した
『ゆうたさーーーん！！』
「あれ？ここは？」
目覚めると魔王城っぽいところにいた
「魔王城っす」
やっぱり魔王城か
ってお前は
「ガイやん」
「ガイのこと知っとるっすか？」
そりゃあ知ってる、こいつは魔王軍四天王のガイ
四天王の中で最弱だ
「まあそうですね」
「あーそれで魔王様にお前をガイの部下にしろと命令されたっす」
へー、魔王の直部下じゃないんか
ならちょっと動きやすいかも
「よろしくお願いします」
「お願いっす、それでお前はなにができるんすか？」
「なにができるか聞かれても...」
「そうっすね、とりあえず腕がいいって魔王様が言ってたっすからガイと戦うっす」
ガイと戦うんか、手加減せんと
「【雷鳴斬】」
「うぎゃーーー」
弱っ、さすが四天王最弱
「さすがっすゆうたさん、魔王様に腕がいいって言わせたんすから」
ガイに勝つとこうなるんよな
ゲームのときは勝ったらすぐハーレム入りするからな
「まあそやな、それで俺はなにしたらいいん？」
「強すぎて使いどころがないっすねー、あっ
ちょうど余ってる部隊があるんでそこに行くっす」
ん？ちょっとよくわからんな
まあついてってみよう
この部屋はまさか...
「四天王のガイっす、新しい新人連れてきたっす」
新しい二回言うな
「ようこそでござんす」
こいつはサチヨ、俺が作ったやつや
「てめーが新人か！？」
こいつはグロス、俺が作ったやつや
「ごくごくげろろろろ～」
「...」
こいつはミーン、俺が作ったやつや
「よーこそー」
こいつは...クソガキちゃん、俺が作ったやつや
「ゆうたさんはこれからこの魔王軍第十三部隊を率いてもらうっす」
「はいわかりました」
ってこの展開
俺が作った勇者魔王軍潜入ルートほぼ
そのまんまじゃねーかー！！
勇者魔王軍潜入ルート、それは俺が作った物語
いいや違う、なんか採用された物語だ
これはとある女神の相談から始まった
『ゆうた、勇者が魔王軍に潜入するルートが作りたいんじゃがなにか案はないか？キャラとか』
「ネタキャラならありますけど」
『それでいい』
「おすすめはどれじゃ？」
それからサチヨ、グロス、ミーンが選ばれた
そこからも女神との議論は続いた
「魔王軍への入り方は四天王に勇者と明かさず勝つことが条件で」
『それで腕が認められてこの部隊の隊長になるんじゃな？』
「そうです、それで自由に魔王城でうろうろできるようにしてください」
『それでそのあとはどんなストーリーにするんじゃ？』
「いやいや、なにも起こらないんですよ」
『え？』
「魔王軍消滅するときにおかしくなるじゃないですか」
『確かにそうじゃな、仕方ないがこれでいこう』
でこれがそのまま採用された
「ってクソガキちゃんがなぜこんなとこに！？」
「それよりおふろはいろっか」
「それもそうやな」
ミーンにゲロをぶっかけられたからだ
俺が作った設定だけにうーん...てなるけど風呂でリフレッシュしよう
「クーちゃん、お知り合いでござんすか？」
「そうだよー」
「ミーン、いい加減毒飲むなよ」
「またまちがえちゃった、てへっ」
「クーちゃん、あの方はどんな方でござんすか？」
「おにーさんはあたまがわるいけどいーひとだよ」
「そうでござんすか」
俺は風呂から上がると支給された魔王軍装備に着替えた
この装備はさっきまでの変な装備より防御力が高いからだ、まあ天使のわっかと天空ブーツは必要なときに装備する
「おにーさん、おつかれー」
「クソガキちゃんもな、というかなんでここにいるん？」
ゲームやとクソガキちゃん
ちゃんとモブやしいいひんはずやが
「まおーじょうていさつしてたらすかうとされた」
まあそんなこともあるか
「まおーに」
ないかー
「というかシオンと気のせいは今なにしてる？」
「ボッタクーリたおしてる」
なんか情報がつながらない
「そもそもシオンはボッタクーリに連れ去られたんじゃないん？」
なぜか目が覚めたときにシオンいたし
「まずボッタクーリにつれさられたのはうそ
ほんとうはいじめにいった」
「ん？なんで連れ去られたって言ったん？」
「なんとなくー？」
「まあそれはいいとしていじめに行ったん？」
「そう、あとは気のせいさんにまかせるー」
「まああいつ最強やしな」
俺はあいつに負けるし負けたし
ゆうたはシオンが勝ったことを知らないのだった
