百三十四話氷結のシオン
「【氷結】カチィーン」
シオンは森に潜んでいたモンスターをやっつけた
「シオンナイス」
「どーいたしましてー」
今はシオンの案内で森の中を彷徨っている
「あっちやんな?」
「そーだよー」
俺たちが向かっているのは魔族領のアサシンという街だ
ここからだと一番近いそう
アサシンの街は俺も知っている
だってあそこにはPVPの会場があるんだから
俺はあそこで女神と戦い全戦全敗したのもいい思い出だ
「ついたー」
アサシンの街についた
角がある人が多い、さすが魔族領だ
え?俺?輪っかやで
さてなにしよう?
ここにはいい武器がないから別に用はない
「おにーさん、おろしてー」
「ほいよ」
シオンを背中からおろした
「おにーさんついてきてー」
俺の手を引っ張っていく、さてどこに行くんでしょう
「あっ、クソガキちゃん」
途中でクソガキちゃんを見かけた
「ぶんしんでやど、てはいしといたよー」
「でもなーお金がないんよなー」
そう、俺はお金を持っていない
「そんなおにーさんにろうほーでーす」
「もしかして武闘大会やってるとか?」
武闘大会とはPVPのイベントでもらえる賞金(アイテム)が倍になるキャンペーンみたいなものだ
これは俺が企画した
「あしたからはじまるみたいだよー」
「ちょうどいい、一稼ぎしよっか」
「こんかいはまおーふさんかだからちゃんすだよー」
そうか、この世界ではあの魔王も参加すんのか
あれにはあんま会いたくないけどいつか倒さなあかんのよな...嫌やな
「てかなんで魔王不参加なん?」
「おーこくにせめこむからだとおもう」
ゲームやとそんなんなかったぞ、というか勇者がおらんからか
「まあ武闘大会エントリーしてくるわ」
「おにーさんどれいだからでられないよー」
「え...」
知らんよそんなん、ゲームやと奴隷落ちとかでけへんし知らんに決まってる
「でもだいじょーぶ、わたしにまかせてー」
「うーーーん」
任せて大丈夫か?
大会の受付にて
「えんとりーしたいんだけどー」
「お嬢ちゃんが?」
「そーだよー、わたしのどれいとでるの」
「こいつ!?なんだその変な格好」
「変な格好で悪かったな」
「まあいい、エントリー表に記入してくれ」
「はーい」
「どーぞー」
「確認した、予選は二時間後だ、死にそうになったら逃げるんだぞ」
「はーい」
「えっと、シオンも出るん?」
「そーじゃないとでられないし、ちゃんとわたしをまもってね、おにーさん」
シオンと一緒に武闘大会に出ることになってしまった
そのあとは街をぶらぶらしたりした、本当にぶらぶらしただけだぞ
予選
予選はバトロワだ、ルールは勝ち残ったもん勝ちだ
奴隷も一人使用可能という謎ルールもある
そして使用できる武器は貸し出される武器のみ
とにかく勝ち残ればいいだけだ
本戦に上がれるのは予選で勝ち残った十人
それぞれABCDEFGHIJグループから一人ずつだ
俺らはDブロックなのでAブロックの試合を見ておこう
「予選Aブロック、スタートーーー!!」
実況の掛け声で試合が始まった
一つのグループは百人ぐらいでこの中から一人が勝ち上がる
「Aブロック勝者ーーー!!閃光のマハトー!!」
二位が無茶苦茶粘って長時間の戦いになった
どこが閃光やねん、結構時間使ったぞ
というかこのレベルなら余裕だ
「Bブロック勝者ーーー!!閃光のマナトー!!」
今度はそこまで長くなかったな、閃光は閃光でもこっちのほうが強そうや
てかさっきのと双子くね?似てるし
「おにーさん、そろそろいかないとー」
「そうやな」
俺たちは待合室にやってきた
そろそろ出番が近づいてくる
ゲームのときはこんな緊張感全くなかったぞ
あと観客もたくさんいるのがなー
やべー緊張感がえぐい
「おにーさん、きんちょーしてるー?」
「まあちょっとな」
シオンは普通の杖、俺は普通の刀を選択した
これでシオンを守ります
本戦ではちょっと上位の武器もあるらしい
俺のシェータルシリーズはないけど....
「Cブロック勝者ーーー!!天使のう○こー!!」
「ぶふっー」
ちょっと待って名前で笑わせんな
水吹き出してもうたがな
「おにーさん、なにがおもしろいのー?」
「いや、なんでもない」
どうやら空耳だったようだ
「天使のう○このなにがおもしろいのー?」
「ちょいおもろすぎ」
天使のう○このおかげで緊張感がほぐされた
ありがとうう○こ
「予選Dブロックの選手入場でーーす」
周りをみた感じ強そうなのがいない余裕だろう
「予選Dブロック、スタートーーー!!」
「【エターナルブリザード】カチィーーーン」
「Dブロック勝者ーーー!!氷結のシオン!!あまりにも強すぎる!!」
「...え?」
「よゆー」
なんとシオンが一瞬で百人以上を凍らせた、
氷はだけを避けた、すごく高度な技術だ
「ちょっと待って俺の出番は?」
「ないよー」
「ええー」
シオンが強いのは森で強いモンスターを簡単にワンパンしていたからわかってたけどここまでとは
こいつ、バランスブレイカーだ...なんでこんな強いん作ったんや...未来の俺
「ざこがりはまかせてよー、おにーさん」
俺とシオンは簡単に本戦に勝ち進んだ
だがまさか本戦であんなことが起こるとは思ってもいなかった
「シオン、ここにいたのか、絶対に捕まえてやる」
あの男は観客席で長い顎を震わせた