百三十話裏世界へ
シェータルクローを諦めた俺と気のせいは宿屋で次の予定を考えていた
『ゆうたさん労働がんばりましょうよ、今からでも間に合います』
「うーん」
エメラルドの街で手に入れられる強い武器はもうない、なので次の場所に行かなければならない
候補は三つ
ハーレム王国の王宮があるハーレムオブダイヤモンド略してダイヤ、とにかく暑いルビー神殿、水の都サファイアこのうちどれにするか
「気のせいどれがいい?」
『働きましょう』
「そうかサファイアか」
水の都サファイアではシェータルシリーズの槍
シェータルランスが手に入る
まあ手順がとてもめんどくさいが
『ゆうたさん、サファイアに行くんですか?』
「そうやが」
『私はしばらくここにいていいでしょうか?』
「え?」
まさかの発言
『私、しばらくソロプレイしたいです』
「まあそうやな、気のせいずっと俺と一緒やったしな いいよ」
『ありがとうございます、死なないでくださいね』
「そんな簡単に死なんわ!」
『あれれ~?ちょっと前まで死にまくってた人がなにか言ってますね~』
「いやいや、もう死なんから」
『その言葉信じますよ、ゆうたさん』
次の日
俺はサファイアに楽して行くためにあれをしようとガチャのところにやってきた
ここのこの角で天空シリーズの靴をはいてジャンプしながら壁に激突すればたまに裏世界に行くことができる
ゲームではなぜかここの裏世界に入るのが得意だった
キャラコン難民やのに...
まあ得意不得意あるよね
そして天空シリーズの靴はちょっとだけ空を歩ける仕様でそれを利用して壁の中に入るのだ
仕組みは知らん
さてやりますか、いつもどおり天空の靴でって
ゲームのときはコントローラーやったしなんかちゃうな
「うわっ、ドンっ」
壁に激突した、痛い、でも感覚はわかった
「うわーきもーいおにーさんがきもーいことして壁に激突してるーだっさーい」
いらっ、こいつはいっつもこんなタイミングで
「クソガキ!よく見とけ、今から裏世界に行くからな」
「裏世界とかきもっ、そんなもんないしー」
「あるんだなーそれが」
俺は壁に向かっていつものやつをやる
「めりっ」
よしきたー!このかんじ入れそう
あとはうにゅうにゅして入るだけ
「うにゅうにゅにゅ”!?」
その時、体に強烈な痛みが走る
そして裏世界が消えた
「ぐぞー”!!」
そのまま壁にめり込んだままゆうたは力尽きた
「うわーたいへんだー!いそいできょーかいにはこばないとー」
久しぶりのここ...いつぶりだろうか
ゆうたはあの真っ暗な世界に来ていた
裏世界とは違う死後の世界だ
今回は終わったっぽいよな...一応あの世界の主人公の勇者はリスポーンできたり普通の人は教会で蘇生できるけど...終わったっくね?
俺、裏世界との狭間で死んだよな...教会まで運べんよな
いやー、こんなことで死ぬならえりちゃんに...
クソっ
俺はどこで間違えたんや
おっ、そろそろ成仏か...俺はそっと目を閉じた
クソみたいな人生やったな
『ゆうたさん...やっぱり死にましたね』
「せやな、ははっ」
なんか生き返る気がしたらやっぱりか
もしかしたら俺が本当に死ぬことはないのかもしれない
「だっさーい、しにかたのおにーちゃん、わらいごとじゃないよー」
どうやらクソガキちゃんが助けてくれたようだ
「ありがとうクソガキちゃん」
「えっ?どーしてほんみょーを?」
「それは俺が作ったからや」
「えっキモ」
『ゆうたさん...それはキモいです』
確かによくよく考えるとキモかった
クソガキちゃんは教会から走ってでていった
「あと神父さんありがとうございました」
「いえお金を払っていただければ結構です」
神父さんに請求書を渡された
あれ?桁間違ってない?
「これあってますか?」
「はい」
足りない
気のせいにもらった分はほとんど使ってしまっている
「気のせい貸して」
『もうお金ないです』
「え?」
ちょっと待ってこんくらい持ってたやろ
『あの背脂のお店買っちゃったので』
「え?店買ったん?」
てことはまずくね?
「払っていただけないのならそれ相応の労働力となっていただく決まりになっております」
「ろ、ろーどーってなんですかー?」
『ゆうたさん、とぼけても無駄ですよ』
「気のせいガチで頼む、わかったなんでもやったるわそやから頼む」
『じゃあこれ飲んで頑張ってください』
「え?なにこれ?」
青い液体だ、なんこれ?
『これは労働が楽しくなるお薬です』
「なんやその怪しい薬、いつの間に!?」
『ゆうたさんの行動はだいたい読めてたので今朝作っておきました』
なんとー
俺が昼まで寝てるその間に、なんちゅう卑怯な
「気のせい、お前はなんなんや」
『私は気のせいですよ、きっと労働しても気のせいだったと思い込むことができるはずです』
「もしかしてお前」
普通にいいやつではないか?
俺はそのありがたい液体を飲み干した
『明日あたりから効果が出るはずです』
そして俺は遠くのシルバー鉱山に連れられたのだった
次回
「【破砕】ーーー!!」
「ぎゃーーー!!鉱脈がぁーーーーーー!!」