百二十七話労働は嫌だぁーーー!!
労働は嫌だぁーーー!!
と心の中で叫ぶ
だが労働からは逃れられない
『ゆうたさん笑顔ですよ』
「こうか?」
『...ぶふっ』
笑うなよ、まあ俺は全く笑えない
今はあの背脂カフェで無理やり働かされている
無理やりな!!
「金が払えないなら体で払ってもらう」
って言われてびびったわ
まあ働くのも嫌やけどさ
『ゆうたさん、あと一時間で定時です頑張りましょう』
「まだ一時間もあるんかい」
『ゆうたさん...』
ここで無理やり働かされてもう三日
今すぐクーリングオフしたい
というかあと九十七日も働かなければならない
最初は三十日だったが俺と気のせいのミスが積み重なり弁償費用も積み重なり日数も積み重なってしまった
そして今は店の前の旗を支える仕事を二人でしている、この旗支えんでもいいんやけどな
『やったー!!定時ですー!!』
全然やったーじゃない
だって明日も働かないといけないんだから
『ゆうたさん笑わないと幸せはやってきませんよ』
「そうか、へへへへへへ」
「おにーさんきもっ」
「...」
さっきのクソガキは俺が世界中に散りばめたモブだ
正式名称はクソガキちゃん
掲示板でクローン説が出ていたがそんなん全く考えずに適当に大量に設置した
こんなやつ作るんじゃなかった...
『ゆうたさん...』
なんか言えよ
『それは可哀想じゃないですか?』
どうやら俺に味方はいないみたいだ
「はあー」
宿屋に帰ってきた、宿屋ももちろんただではない
「今日も頼むよ」
「はい」
俺はモップを受け取った、そして掃除を始めた
労働やだぁーーー!!俺がいったいどんな悪いことをしたと言うのか
俺は言われたとおりやっだけやぞ
「はあー」
なんとか掃除も終わり部屋に戻った
「もーだめー」
俺はベッドに横たわった
「はあー」
朝に目覚めてしまった
どうせなら昼に目覚めてほしいもんだ
そして今日もものすごくサボりたい気分だ
しかし働かなければならない
いや気のせいがいないのでサボれそうだ
気のせいどこいったんや?いつもやったら起こしにくるんやが、それよりもサボれるよな
俺はどうしても労働から逃れたかった
もう労働はこりごりだ、このまま逃げたいくらいに
『ゆうたさーーーん!!』
終わった...労働からは逃げられないようだ
『これを見てください』
「それは!!」
大量のお金だ
ちょっと待てどうやって手に入れた?
『スロットでがっぽりです』
「ナイス気のせい!!これで労働地獄から抜け出せるぜ!!」
『これ私の分ですよ』
「え...」
俺の分は...
『ゆうたさんは労働がんばってくださいね』
「お前は悪魔か...」
『私は気のせいですよ』
気のせいは悪魔だ
労働四日目
俺は今日も支えないでも倒れない旗を支えている
「うっわーきもいおにーさんだー」
そうですよー俺はきもいおにーさんだよー
「はあー」
気のせいのやつホンマに自分の分だけ払いやがった
ちょっとだけ信じてたのに...
あんな少ない昼飯代だけであんだけ稼いだんやったらあいつすごいよな
こんな過酷な労働で昼飯抜きはガチで死ぬしガチで昼飯の分にしてたけどこんだけ頑張ったし運にかけてみるか
俺はスロットへ
負けた...目押しがあまりに下手すぎた
昼飯抜きや...スロットはもう二度としないと決めた
昼飯抜きで体はなんとか晩飯まで耐え抜いた
『ゆうたさん!!これ見てください』
すごい量のお金だ、昨日の比じゃない
もうやめてくれ、俺を傷つけないでくれ
『これがゆうたさんの分です』
「あーありがとう、おやすみー」
俺はベッドに倒れた
「はあー」
朝に目覚めてしまった
気のせいがいるから労働からは逃げられない
重い足を無理やり進め地獄へと向かう
そして俺は定位置についた
なぜか俺を裏切った気のせいがついてきた
『ゆうたさん、なにしてるんですか?』
「ははっ、なにしてるんでしょーねー」
『ゆうたさん正気を取り戻してください!』
「俺はずっと正気ですよー」
『ばちんっ』
「いってーなにすんねん」
『ゆうたさん、目を覚ましてください、もう労働しなくていいんですよ!!』
「え...」
なんだって!?
『お金払いましたよね?』
「払ったっけ?」
『払いましたよ、もう働く必要ないですよ』
「え?どういうこと?」
『私が昨日スロットで爆稼ぎしましたよね』
「昨日?昨日っていつやっけ?」
『...とりあえずゆうたさんは働かなくていいんです』
「働かんと死ぬやろが」
『重症ですね【気のせい】』
「あれ?俺は?」
『ゆうたさんはこれからも働きますか?』
「はあ!?働くわけないやろ」
『元のゆうたさんに戻りました!』
「?」
『ゆうたさんごめんなさい』
気のせいが抱きついてきた、まあいいでしょう
『やっぱりゆうたさんには私がついてないと駄目ですね』
「なんか言った?」
『気のせいじゃないですか?』
「これからどーする?いろいろルートあるけど」
『そうですね、私はお金を稼いできます』
「そういえばスロットでどうやって稼いだん?」
『あのスロットには裏技があるのですよ』
「へー、それはそれは?」
『目押しです』
それ俺が無理やったやつやんけーーー!!
普通に労働は嫌だ