百十八話初戦黒焦げドラゴン
ドラゴンが来た、数は二十...ぐらい見える
魔王様はまだ戻ってこない
というかあと十分くらいだと思っていたが想像よりドラゴンが速く、たった五分で目視できるところまでとんできた
どうしよ
「?」
ちょっと待っておかしい、ドラゴンがふらついている
はねバタバタしてるけどうまくとべてない
なんかすっごいスピードでこっち飛んできてるけど
これワンチャン海に墜落しいひん?
その瞬間エッグい風が吹いた「ブオーーーン!!」
なんじゃこれ、エア操作できないくらいの風だ
空中に留まるのもやっとだ、すでにスベンの街には屋根がない、人的被害も多数ありそうだ
女神から着信だ、通知音は消した
>今のをドラゴン風と呼びます、ドラゴンのなんやかんやで風が起こります、はやくドラゴンを倒さないと世界中の屋根が吹き飛びます
なんじゃそれ、ドラゴンの風やべー
魔王様が戻ってきた
「なんじゃこれ、ゆうた何があったのじゃ?」
「風が吹いたんです」
「不審者?」
小学生だったころを思い出した、不審者が現れたときの避難訓練で風がふきましたって不審者を表す隠語?みたいなんあったなー、じゃなくて
「風が吹いたんですよ、こんなふうに」
「ブオーーーン!!」
ちょうどいいタイミングで風が吹いた
「すごい風じゃ」
そしてとんできていたドラゴンが海に墜落した
限界だったのだろう
「ラッキーですね魔王様!!」
すごくラッキーだ、だって魔王様が下着姿なのだから
「きゃっ」
顔隠して、隠すとこ間違ってますよ
「ゆうた、下」
「え?」
俺は下を向くとびっくり仰天
ズボンとパンツがギリギリ足に引っ掛かっていた
俺はすかさず履いた
「とりあえずドラゴン来たんで」
俺はこんなことがあってもとても冷静だ、なぜかというと女神にこういうときのため特訓させられていたからだ、内容はとても過激なのでたとえ魔王様にも言えない
それよりさっき海に沈んだはずのドラゴンがとんでいる
「オートヘイトで引き寄せるんでバンバンやっちゃってください」
「うむ、それよりおぬし本当にゆうたか?」
そう言われても仕方がない、女神とゲームしていたからだ、あんなに真剣にゲームに取り組む姿をみたことがなかった、俺は女神に感化され俺もまた真剣にゲームに取り組んだ、そこで様々なことを学んだ、たった一ヶ月かもしれないが俺は変わった
ゲームは人を強くするんや
「それより頼みますよ」
「わかった【魔炎】」
集まってきたドラゴンをまとめて魔炎で焼く
しかし相手はドラゴン、炎耐性を持つので鱗の表面が黒く焦げただけだ
そしてドラゴンたちは口をぱっかーと開けチャージを始めた、ブレスを放つ合図だ
「ゆうた!!」
こんなこともあろうかと女神にドラゴンの倒しかたを聞いていた
『ドラゴンはのう、ブレスのチャージのときに隙がある、そのときに逆鱗をなぐれば簡単に倒せるぞ、まあ相手が一匹のときはじゃが』
って言ってたのでこの隙に...っていっぱいおるやんけ
にっげろーーー!!
俺は飛翔スキルでドラゴンたちに背を向け逃げる
魔王様はすでに逃げてたしそもそも向きが違うので安全だ、そしてドラゴンはそれぞれのブレスを放った
そのブレスは重なりあいスピードが上がり俺に直撃した
「ゆうた!!」
魔王様の叫びが聞こえるが俺は全然大丈夫だ、なぜなら再生スキルを使っているからだ
女神に再生スキルの使い方を教えてもらったときのごほうびのあれが気持ちよかったのが忘れられない、あれを求めて痛みに耐えながら使うタイミングを習得した、タイミング系苦手やったけどあれ気持ちよかったからな
ブレスが収まった、すぐ魔王様がとんできた
「ゆうた直撃じゃったが大丈夫なのか!?」
「再生スキルゲットしたんで余裕です」
ブレス終わりは攻撃のチャンスだ、しばらくドラゴンは動けない
でもまとめて倒す方法が思い付かない
そうや、女神がなんかドラゴンのこと言ってたような
『あとドラゴンにはもう一つの倒しかたがあってのう、おぬしが戦った緑のドラゴンおるじゃろ、あれには雷属性が効くんじゃ、まあ赤いやつには水属性、青いやつには風属性、黄色いやつには土属性、茶色いやつには火属性、黒いやつには光属性、白いやつには黒属性じゃ、まあややこしいがこの属性の魔法をうてば鱗が弱って物理攻撃が効きやすくなる仕様になっておるのじゃ』
って言ってたなー
それでこいつら黒いから光属性やな
俺は思い付いた光属性の魔法を発動する
「魔王様あっち向いてください」
「わかった」
「【シャイニングライト...シャイニング】」
適当に放った広範囲の魔法が黒いドラゴンたちに命中する、しかし目潰しにしかならなかったようだ
ついでに自分自身にも目潰ししてしまったが再生スキルですぐ見えるようになった
それよりなんでドラゴンが無傷なんや!?
黒には光属性やろ!?
ゆうたのバカは女神でもなおせなかったようだ