百十三話ワイバーンの総力戦
アワジダンジョンでは十階層と十五階層にボスがいる
そして今俺たちは十階層にいる
さっきとんでた首なしワイバーンをワンパンしたがボスらしきワイバーンはいない
『ゆうたさん、さっきのがボスなのでは?』
確かにそうかもしれない、首なしやったしな
死神なら苦戦しそうだ、というか死神対策かな?
「というか弱ない?」
『ゆうたさん、ここのダンジョン比較的難易度が低いんです、ヘイアンダンジョンが一番上で次点でアカシダンジョンその次がタンバダンジョン、そしてアワジダンジョンです、後はサカイオオツアスカの順です』
「そう考えると俺らよくヘイアンダンジョンいけたな、ほぼ仲間のおかげやけど」
「ヘイアンダンジョンクリアできたのでござるか、すごいでござるね」
『私そのときちょうどいなかったんですよね、ゆうたさんはいったいどんな活躍をしたんでしょうか』
「アスカ丸貸したことぐらいやな」
「...」
『...』
「なんか言えよ」
『なんにもしてないのですね』
「あとレベル上げはしたぞ」
「...それで十レベルでござるが...」
「あのころは三十レベぐらいやったで」
「下がったでござるか!?」
「まあいろいろあってな」
レベルが低い今のほうがステータス高いんやけど...
休憩を終わらせ次の階層へ向かう
十一階層は変な地形だ洞窟っぽいのに上に穴が空いている
下を歩いているとあそこからワイバーンが襲ってくるってやつなのだろうが俺は上をとんでるんよな...
「どかーーーん」
しのぶちゃんが下からワイバーンをうちおとしたようだ
しのぶちゃんは上までとべないので大変そうだ
こうなれば俺は弱体化スキルをそこら中のワイバーンに使ってサボるだけ、がんばってねしのぶちゃん
「疲れたでござる」
忍者スキルの飛行は足を使うのですごく疲れる
飛翔スキルも足を使うので結構疲れるので戦闘のときしか使ってない
俺は魔王スキルでとんでいたのさ
だって飛翔スキルだと速すぎてしのぶちゃん置いてっちゃうからね
『私は?』
気のせいはなんか知らんけどついてこれるやん
なんかズルしてるんやろうが
ここ三階層ぐらいは変な地形ばっかしやった
ワイバーンの奇襲に気を付けろってステージなんやろな、飛べる俺には全く効かんけど
「次ボスの十五階層やな」
『次十四ですよ』
「うそん」
単なる数え間違いだ、数がかぞえられないわけではない
階段を降りると
「クレーターやん」
「ワイバーンがうようよとんでるでござる」
地面にはたくさんのクレーターと空をとぶワイバーンたちが見える
そしてここには視界を遮るための遮蔽物が一切ない、必ず見つかってしまう
まあ俺は上にとぶんやけど
「待ってほしいでござるー!!」
そう言われても俺はとぶ
「どかんっ!」
下のほうでワイバーンが弾ける音じゃなくてクレーターが生まれる音がした、どうやらここのワイバーン爆弾を落とすらしい
それをござるちゃんは忍者スキルで簡単に避けている
こんなん普通の人避けられるか?
ちょっと前の俺なら全部直撃するね
って変なこと思い付いちゃった
「気のせいちょっと離れてて」
『なにするんですか?』
「ヘイト買ったらおもろいことなるんちゃうかって」
『確かにおもしろそうですね、やってみてください』
気のせいが離れたのでオートヘイトを起動する
俺の予想では俺の真下にワイバーンが集まってなんやかんやで自爆ってなるかな?
ワイバーンの群れがこっちに来た、縦方向にも
これは予想外だ、俺も上へと浮上す
「あいたっ」
天井に頭をぶつけたようだ、一面空に見えるが実際は透明な天井があるみたいだ
ワイバーンの群れが近づいてきたので天井ギリギリな高さをキープしたまま少し離れる、するとワイバーンも天井に頭をぶつけた
そしてワイバーンの群れは次々と墜落していき
最後の一体も少し遅れて頭をぶつけ墜落していった
そしてワイバーンは全滅した
あらかじめ弱体化を起動していたので経験値もがっぽりだ、もちろん素材もがっぽりだ
「すごいでござる、なにをしたのでござるか?」
「ヘイト買っただけやで、こいつら天井に頭ぶつけて落下して死ぬとかおもろすぎやろ、ただの自爆よりおもろいで」
『ゆうたさんのほうがおもしろい死にかたしてますけどね』
「どんなんでござるか?」
きかないで...
『スライムに溶かされて死んでましたよ』
「捏造すなよ!スライムには一回もやられとらんわい」
『あれ?そうでしたっけ?』
「さすがの俺でもスライムにはやられんよ」
『でもなんでもかんでもやられてたイメージが』
俺でも全ての死因覚えてない、まず毒キノコやろゴブリンやろあとゴーちゃんやろあとは自爆と雲狐や直近では滝汗に...
もっと死んでたはずやけどさすがに死にすぎて覚えてない、まあなんでもかんでもやられてたイメージはつくやろな
でもスライムにはやられてないぞ
「まあしゃーないか、死にすぎたし」
「いろいろあったのでござるな」
そうそうなんて言いながら最後の階段を下る
十五階層はボスフロアのみでもうボスが見えている
「あいつがボスか」
二つ首があるドラゴンいやワイバーンだ
『あいつがこのダンジョンのボスツインヘッドワイバーンです』