百十一話火に油を注いだドボドボと
逃げてる最中ふと後ろを振り返った
「なあ無茶苦茶燃えてない?...」
『気...気のせいじゃないですか?』
気のせいが動揺するほど燃えている
山だけではなく森も街のはしっこのほうも燃えている
おかしい
ちょっと草燃えてただけやのに...
「MPちょい回復したし消すの手伝いに行こか」
『ゆうたさん、放火犯は現場に戻るそうなので怪しまれますよ』
「俺のは放火じゃなくて事故やから、あと消火せんと」
『それもそうですねパーっとやっちゃってください』
燃えているところと燃えてないところの狭間に来た、バケツリレーの集団とか魔法使いが水魔法で消火に励んでいる
俺はウォーターシャワーを二、三回使ったところでMPが尽きた、早い
『ゆうたさん数も数えられないんですか?』
気のせいつっこむところはそこじゃない
「全く効いてなかったよな」
『効いてはいましたよ、だけどそれ以上に火の勢いが強いんです』
「あれ?もしかして弱体化スキル使えへん?」
『それ動物にしか効きませんよ、ダンジョンの中でやりましたよね?あと私には効きませんよ』
最後の情報は別にいらないが確かに使えなかったな
ちょっと待って気のせいって動物じゃない?
『ゆうたさん私は精霊ですよ、どっちかと言うと幽霊の仲間ですよ、全然違いますけど』
そうなんか、透けてへんけどそっち系なんか
「じゃあ聖水がゴースト系に効くのは」
『ゴーストにはゴーストが効果抜群ですよね、小さいころ習いませんでしたか?』
「習ったなー、ってことは気のせいゴースト系駄目なん?」
『私には効きませんよ、だって私超硬いので』
まさかの物理、そんなことより
「火全然消えてないよな、しかもさっきより燃えてる範囲広がってない?」
『きっと気のせいです、そう祈りましょう』
気のせいが祈りだした、なんか消す方法ないか?
滝汗いいひんし戻ってきたとしてもこれ消せるほどMPないやろしな...忘れてたけどあれあるやん
一トンで消せるかな?
「気のせい、一トンで消せるかな?」
『街部分なら消せるんじゃないですか?』
「よしやるか」
気のせいにかける予定だったマヨネーズジュース
さすがに気のせいに一トンは多いから気のせいにかける用だけ残して使おう
せいぜい役に立ってくれよ
「マヨネーズジュース放出」
「ドボドボ─」
『え?』
「どかんっ!!」
「ぎゃーーー!!」
大爆発した
やらかしたでござる...
火遁の術を使ってしまい大炎上を引き起こしてしまった、罪は大きい
「どかんっ!」
あれ?街のほうで爆発が起こったでござるな
今すぐ行かないと、ミスは仕事量で巻き返さねば
俺は空からマヨネーズジュースをまいたので爆発には巻き込まれなかった、下にいた人は残念だが残念なことに
まあ滝汗に丸投げしよう、でも街の火は消えた
「結果オーライ?」
『全然よくないです、まあ火は消えましたが』
「じゃあいいやん」
『ゆうたさん...火に油を注いだら爆発するの知ってましたか?』
「そんぐらい知っとるわ、それとこれになんの関係が」
『え?マヨネーズの原材料知りませんか?』
「卵と酢やろ?」
『それと油も大量に入ってます』
「うそん」
『本当です、証拠もほら』
辺りががれきでめちゃくちゃだ
『ゆうたさん、今なら間に合います、一緒に逃げましょう』
「いや、今回の場合はまずい、死者がいるからな」
『そうですか?滝汗さんここ通るので問題ないのではないですか?』
確かにここはダンジョンからとんだときに見える
こんなんになってたら滝汗なら絶対来る
「大丈夫でござるか?」
しのぶちゃんがやって来た
「まあ大丈夫ちゃう?」
「すまぬせっしゃのせいで」
「なにが?」
「せっしゃ火を消そうとして間違えて火遁の術を使ってしまったでござる」
なんというバカさだ、こいつは俺と同じ人間なのか?
『ゆうたさんとぼんぼんですね』
うそやろ、俺これと同じくらいなん?
まあやってること近い気がするけど...それか!
「とにかく帰るでござるよ」
『そうしましょう』
まだ森と山は少々燃えているが俺らにできることはない
「ただいまでござる」
「おかえり」
親方が出迎えにきた
「山のほうが燃えてるみたいだけどなんでか知らないか?」
「しっ知らないでご、ござるよ」
犯人なんバレバレやで、まあ俺もやけど
「もしかしてまた火遁の術で」
「ギクッ」
今ギクッって言った
『それと街の端のほうで爆発があったそうだがなぜか知らないか?』
「ギクッ」『ギクッ』
ついノリでギクッって言っちゃった
しかも気のせいとシンクロしちゃった
「えっと君たちなにしたの?」
犯人だとバレたとしても認めなければ犯人じゃない
『なんにもしてないですよー|(棒)』
「そうですよー|(棒)」
「そうでござるよー|(棒)」
「残念だ、証拠がある、目撃者がいるんだ、しのぶお前はここを出ていきなさい、ついでに君たちも」
「え?なんででござるか?」
「しのぶ、お母さんに立派に成長したら独り立ちさせろと言われてたんだ、これからは好きにいきるといい、そしてあんまり帰ってこないでくれ」
「母上がそんなことを...」
親方さん...こいつのどこが立派なんですか?
「あと君たちも逃げたほうがいい」
「はい、そうします」
「しのぶ、最後の小遣いだ」
しのぶは銅貨一枚を受け取った、少な!百円ぞ
「せっしゃ、もっと立派になって帰ってきます」
「帰ってこなくていいよ」
そして俺たちはダンジョンへと向かうのであった
だって行かないといけないからね