百八話気のせいと検証
「あいたっ」
『大丈夫ですか?』
魔王はゆうたの膝の上から落ちた
「大丈夫じゃ、あれ?ゆうたは?」
『死んだんじゃないですか?』
「え?なんでじゃ?」
『滝汗ちゃんがひきづって行ったので』
「バカなことしておるのじゃな、それでわらわの記憶が曖昧なんじゃが頭うったからかのう?」
『違いますよ、このお酒で酔っぱらっていたのです』
「すいません」
しのぶはまた土下座した
「よい、それより気のせいありがとのう」
『いえいえ』
気のせいは酔っぱらいを治すことも可能だ
「それより酔っぱらっている間わらわなにかしておらなかったか?」
『ゆうたさんとあんなことやこんなことをしてましたよ』
気のせいが身振り手振りで現した
「嘘じゃろーーー!!」
『嘘です』
「...」
そして世界は静寂に包まれた
わけがない
そのころゆうたは
「生き返れ!」
「はー」
「ごめん...」
俺は滝汗に猛スピードでひきづられ急旋回したときは壁にぶち当たり急に止まったときも壁にぶちあたり最終的に高いところから落下し地面にぶち当たりそれがとどめとなった
すっごく痛かった
まあ反省してるようやし許してやる、優秀な蘇生要因でもあるからな
「カチャ」
俺は鎖から解放された
「ただいま戻りました」
「おかえりなのじゃ」
魔王様と気のせいが出迎えにきた
『どうですか?やっぱり死にましたか?』
「そりゃそうよ」
「ごめんなさい...」
「ゆうた、滝汗も反省しているようだし許してやったらどうだ?」
「許しましたよ」
「え...」
「なに驚いてるんですか?」
「いや、滝汗がこんなに落ち込んでるのが珍しいからのう」
「わい、女神様に頼まれてへんのにゆうたを殺してしもたから...」
「...え?」
「ぴよっ」
「なんや?女神から着信か」
>アップデートしました
へーそうなんや、それでその内容書いとかんとわからんがな、意味ないやん
「あれ?魔王様どうかしましたか?」
「おぬし...」
「え?なんですか?」
なに?ほんまにわからんのだが
「ゆうた、今滝汗が女神におぬしを殺すことを頼まれたと」
「え?」
「ぴよっ」
「なんや?女神から着信や」
>アップデートしました
へーそうなんや、それでその内容書いとかんとわからんがな、意味ないやん
「あれ?魔王様どうかしましたか?」
「おぬし...」
「え?ほんまにどうしたんですか?」
「いや、なんでもない...」
俺には一切心当たりがないんだが
『それよりゆうたさん、私を鎖でつないでくれませんか?』
気のせいは急になにを言い出しとんねん
「それで目的は?」
『私のスキルいりませんか?』
「欲しいけどホンマにそれか?気のせいにメリットないやろ?」
『私にも善意はあるのですよ』
「そうなんか、まあ鎖つなぐしでっかくなって」
このいつもの大きさだとつなぎにくい
『わかりました』
「ぼんっ」
「でっっっっっっか、ってちゃうわーーー!!」
『いいノリツッコミですね、気のせいポイントあげちゃいます』
「やったー、ってそれなんやねん」
『そんなことよりつなぎましょうよ、ガチャン』
「セルフですんのかい」
「カチャ」
「はずすのはやっ」
『ステータス見ないんですか?』
「見るから」
ゆうた10歳
職業〈魔王〉
レベル10
HP10/10
力10
防御10
知力10
器用10
俊敏10
MP10/10
スキル〈弱体化〉〈爆散〉〈ヘイト管理〉〈みかんの力〉〈精霊召喚〉〈魔王〉〈エア操作〉〈爆裂〉〈忍者〉〈飛翔〉〈浮遊〉
属性全
「またとぶやつ」
『へー、私だとそうなるのですか』
「それより俺どんだけとんだらいいん」
『好きなだけとんだらいいのではないですか?』
気のせいのわりにいいこと言うなや
『それより検証しませんか?』
「なにを?」
『どのスキルでどのようにとべばいいかをです』
「適当にとんだらいいんちゃうん?」
『ゆうたさん、とりあえず私の言うとおりとんでみてください、さあ外に行きましょう』
「わかったから」
そして平らな空き地に来た、絶対誰かの土地だろ
瓦礫あるし
『ではゆうたさん、魔王スキルで垂直移動してください』
「はい」
言われたとおり移動する
『ゆうたさん...それ平行移動です』
「?」
『垂直は縦です』
「そっち?」
地面に垂直のほうやったんか、気のせいに垂直やと思ってたからな
そのあと色々なスキルで夜まで移動しまくった
途中でエア操作でも移動できるとわかり作業が増えてしまった、でもこれがなにか利用できるならいいな
まあ気のせいの結果報告によるが
「どうやった?」
『長距離移動は飛翔スキルが一番ですね、縦移動は浮遊スキルですかね、高速移動は忍者スキルがいいですね、全体的に安定していたのが魔王スキルですね、エア操作は完全にロマン枠ですね』
だそうだ
俺が魔王スキルで全力でとんでいるときに滝汗が俺のまわりをぐるんぐるん回れていた理由がわかった、今度は俺がぐるんぐるんする番だ
『あと忘れてました』
「なにを?」
『落ちる方も検証しましょうか、滝汗ちゃんも呼んで』
と言って滝汗を呼びにいった
死ぬ前提で検証させるなーーー!!
あともう夜だぞーーー!!
そのあと気のせいを説得し俺は何度か落下死した