百話船上の戦場
波はとてもとても穏やかだ
ライダーはエアバイクで船内を走っている
むやみやたらに走っているので船からでる気配はない
「どんどんばりばりどんどんばりばり」
どんどん船内を破壊していく
「ああー!大黒柱がぁーーー!!」
「どどどどどどどどどガシャーーーン!!」
そして船にとどめをさしてしまった
俺は銭湯に様子を見に行った魔王様を待っている
なにやら船内が騒がしいがそのせいだろう
そしてアナウンスが流れた
「まもなくこの船は沈没します、急いで救命ボートに乗り移ってください」
「?」
ちょっとというかだいぶ意味わからん
なんで沈むん?
そうなる原因ある?
まず第一に揺れてさえもいないが
まあ間違いやろ
さっきも間違ってたし魔王様戻ってくるまで待つか
うーん、足元に水が流れてるのは気のせいだろうか、いや気のせいは呼んでないぞ
と気のせいに念を送り返した
それよりなんやこれ、ほんまに沈むんか?
この客室は船の最深部で海に最も近いはずだ...ということはこれ沈むよな
俺は上に登ることに決めた
さて銭湯のある階まできたがどういうことだろう?
壁に穴が空きまくっている
あいつ魔王様とケンカしたのか?
それで沈むんかとかなんかと思っていると来た
「ビューン、あっ魔王、ドーン、ばしゃーーーん」
エアバイクに乗った水着のあいつと目があったがよそ見をしたせいかあいつは壁にぶつかり海に沈没した
うん、ほっとこう
そのまま船上に来たら水着姿の魔王様が浮いていた
「遅いぞ、アナウンス聞いてなかったのか?」
「間違いだと思ってました、それで他の人は?」
「みな救命ボートで脱出したぞ」
なにも知らない土偶くんは普通に救命ボートに他の乗客と乗っているぞ、ついでに救命ボートは他の船に回収されました、全員無事ですよかったね
「それはよかったです」
「おい魔王、私を無視するとはいい度胸だな!!」
沈んでなかったようだめんどくさい
「あのまま沈んでくれたらよかったのにな」
「なにを言うか!!お前をたおす!!」
「ゆうた、やってやれ」
「言われなくてもやる予定でしたよ〈弱体化〉」
俺にはこいつを倒さなければならない理由がある
それは魔王様と二人きりの船旅をお前に奪われたからだ!!
「全範囲エアカッター」
ちょっと待って、それは避けられない
いや弱体化が効いているはず...たぶん
当たっても痛くないはず...たぶん
まあこれは予備やけど
「〈爆散〉どかーーーん」
防げた、さすが俺の弱体化
HPそんな減ってないしいけるぞ
「【ファイアーボール】」
「...」
やべ、杖忘れてた
なんて考えてる隙にやつが詰めてきた
「エアパンチ」
「うおっあっぶねー」
「これを避けるのか...」
あっちの世界でアクションやっててよかった
それより近距離戦はまずい
というかこいつ倒せる方法ある?
そうだ
あれがある
「なあ、取引をしないか?」
「なんだ魔王、逃げるのか」
「では今から大量のマヨネーズジュースを海に捨てます」
「なんだと!!捨てるなら私によこせ!!」
「ではマヨネーズジュースをあげる代わりに今後敵対しないことを約束してください」
「それはできない!!エアパンチ」
「うごっ」
やられた、なんでだ
マヨネーズジュースだからか?
まあ魅力ないしな
「マヨネーズジュースくれ!!エアパンチ」
「うごっばりっ」
沈みゆく船にぶち当たった
痛い
だいぶまずい、助けて魔王様...
「エアパンチ」
「うがっ」
もうだめっ
「おりゃー!!許さんぞー!!」
裸の魔王様のパンチがやつにもろに命中した
魔王が裸なのはやつのエアカッターのせいだ
「くそっ覚えてろよー!!」
と言ってやつは逃げていった
それより
「魔王様のおち...ひゅーーードボンっ」
「ゆうたーーー!!」
ゆうたは鼻血を流しながら沈没した
ゆうたの上着だけを着た魔王はゆうたを抱きしめながら夕焼けの中とんでいると
大きな屋敷のある島を見つけた
たぶん人が住んでいそうなのでとにかくその人から服をかりたい
「すまない、誰かいないか?」
「はーーーい、なのだ!ガチャンってえ?裸...」
赤毛の女の子が驚きながら出てきた
「わけがあってのう」さっきのことを説明した
「よくわからないのだ!でもわっちの服を貸してあげるのだ!」
「助かるのじゃ」
「それでその人は?」
「わらわの大事な人じゃ」
「そうなんだ、わっちの部屋はこっちだよ」
そして魔王は服を貸してもらった
「それでここはなんの屋敷なのじゃ?」
「ここは旅館なのだ!そしてわっちは客なのだ!」
「...客なのじゃな、ではチェックインしてくるのう」
「待って、ダブルの一部屋しか空いてないはずなのだ!」
「うむ、じゃあそこにするのう」
「わっちの部屋に泊まる?」
「いや、こやつと寝るから大丈夫じゃ」
「そうなんだ...」
気がつくと知らない部屋にいた
でも横に魔王様が寝ている
うん、寝よ...いや思い出した裸の魔王様だ...あのおちりがここに...いや駄目だ
寝よう
即寝た
目が覚めると知らない服を着た魔王様がいた
「おはようなのじゃ」
「あっ、おはようございます...」
「さてゆうた、行くぞ」
「はい」
「ガチャン、ドンッいてて」
扉に赤毛の少女がぶち当たっていた
「すまぬな」
「いいよ、それよりおはようございます」
「えっと誰?」
「...」
「わっちは爆裂なのだ!ドカンっ」
「うわぁーーーーーー!!」