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青春は再春

作者: 北風陣

青春時代は、その時代しか感じられない特別な時間である。

ゆったりであり、早くもあり、過ぎ去った後、あれが青春だったんだと気づくものだと本で読んだ。


毎年小学校時代願掛けをした。

好きな子に振り向いて貰えますように。

少しでも気を向けて貰えますように。

でも、神様のイタズラは厳しい。

全く振り向いて貰えない。


中学校も他の子を好きになって、願掛け。

受験の神様に、恋愛相談するのだから、変わってたと言えば変わっていた。


青春。その意味に気づいた時は、成人式が開かれる20歳になってからである。

成人式に恥ずかしくて行けなかったのである。

後悔する事は分かってた。

恋愛の時みたいに、将来成人式という一大イベントに、好きだった人が来るかもしれないからと、ぶつかるのが怖くて、逃げてしまった。


どんなにヤンチャな人間に絡まれても、おくすこと無く、対処する自分が、事、恋愛においては、臆病とも、多感ともとれる感情に支配されてしまう。


大学生の時、ひょんな事こらSNSで昔好きだった子と繋がった。

思い切って、昔好きだったとメッセージを送ったら、返信が返ってきた。


今さらだけど、ありがとう。


こっちを傷付けずに、返答する彼女は、どんな大人に成長したんだろう。

苦いものが胃から込み上げてくる。

苦いものは苦手である。

わざわざ甘い美味しいものではなく、苦いと苦行をするように味わうのは、楽しいんだろか??

そう思っていた。若かったのだ。


苦いも甘いも飲み込んで、青春から卒業出来るのである。そう気づいたのは、アラサーと呼ばれる、結婚を焦っている時代になってからだった。


自分なら大丈夫、何とかなるといつまでも自分だけ特別と考えていたら、いつのまにか周りに置いていかれていた。

周りは結婚、子供、家、旅行。

どんどん積み上げていく積み木みたいに、経験値を貯めていく。


こっちが貯めた経験値は、どうすればお酒や食の世界で、世の中から隔離された世界に入れるかである。

現実逃避である。


青春は尊い。

小学生の頃、モテる仲間と決別した。

人を見下したり、賭け事を強要したり、何故か不自然を感じたからだ。

地味だが、勉強をがんばって、掃除などの基礎を頑張っている人達の方が、正しいのではと思ったからだった。


中学生の頃は、モテていたのに、安易に恋愛するより、真面目に勉強やスポーツにのめり込む方が正しいと信じ、道を進んだ。


高校生の頃は、全く面識ない可愛い女の子から、突然声をかけられた。だが、友人に取られた。


大人になって思う。

チャンスは普通一度しか来ない。

例えば、大手企業に就職した人が、独立して、失敗して、もう一度大手企業に戻ろうとしたら大変な困難がある。


チャンスの星を捕まえた時、人は中々気づけない。

青春もそんなものじゃないだろうか。

その青春というなの星は手を滑り落ちていく。

逃がさないよう、両手で覆わなければ逃げていく。


学生達と話す機会があった。

自分は黒帯を持っていない。そういう人に憧れる。

なら取ればいいと思う。

自分はまともに働けれるか分からない。

なら主夫という道もあるのでは??

目の前には、将来を担う、可愛い女の子達も話を聞いていた。

そういう子達を目の前にしておきながら、あれがない、これがないと無いものねだりである。

君達が生きる今が、欲しくて欲しくて、大金を積んでも、欲しいと思っている人は、それこそ星の数ほどいる。

今という時間は貴重だ。

今を生きないと、青春に残ったのは、自分に手に入れられなかったもの、だらけになる。

そう、今を生きないと、無形のものを欲した男という、刻印を背負って人生を生きなければならなくなる。


人を殺すと、一生涯その刻印は消えない。

青春を無駄にするとその刻印もまた消えずに脳裏に残り、大人になって、ああでもない、こうでもないと夢想するようになる。

今の時間が、生きてる最高の若い時である。

刻印を刻むなら、墓石に今を生きた人ここに眠ると書かれたいものである。




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