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"ルビ"はどうする?

推敲・改稿作業も、やっと第二部が終了しました。


それでもまだ半分弱、、、よくこんなに長い話を書いたな、と自分で思ったりしています。



で、推敲していると、悩ましいのが"ルビ"。


振るべきか、振らざるべきか、、、それが問題だ。


振りすぎると(うるさ)い。


それは間違いないのでなるべく振りたくないのですが、だったらルビの必要な難読漢字は使わなきゃいいじゃん、って事にもしたくない。


難読漢字は平仮名で書くべきと考える人もいる様ですが、私は難しいから使わないっていうのが嫌なんです。


楽な方へ逃げると大概、結果的により面倒な目にあうからです。


例えば私が作中でよく使う、"中たる"。


これは"あたる"と読みますが、常用漢字にこの読みが無いので学校では習いません。


この読みを習わないせいで、「解毒」は「毒を解く」と読み下せても「中毒」が「毒に()たる」だと分からずに、「毒の(なか)?」みたいに意味が分からなくなってしまいます。


この常用漢字ってのが諸悪の根源だと思うんですよね。


敗戦後、GHQによって漢字は撤廃されてしまうところでした。


(詳しい経緯を書くと長くなるので、ご興味のある方は関連の本等でご確認ください)


"撤廃まで()()いる漢字"、ということで最初は"当用漢字"が決められました。


が、やはり漢字が無いと不便だって事で漢字廃止は取り止めになります。


それでも多すぎる漢字は習得に負担が大きいだろうと、常用漢字と名を変えて使用数が絞られました。


しかし使える漢字が少ないと結局、細かい表現が出来ずに困ることが多いので今でも常用漢字は増え続けています。


だったら、そんなもん作んなよ、って感じです。(漢字だけに)


今では漢字使用の状況も、パソコン・スマホで文章を作成する事がほとんどなので書けずとも読めればよい、というふうに変わってきました。


ですので尚更"常用漢字"と銘打ち、お上が漢字に使用制限をかける必要性はなくなってきているわけです。


大体、権力が文化に口を出せばろくな事にはなりません、、、って、いけない、いけない、愚痴が止まらん。


ともかく、そういった理由で常用漢字かどうかは気にせず使いたい漢字を使い、その代わり小中学生が読む妨げにならぬよう、煩くない程度にルビを振る事にしました。


まあ、難読かどうかなんて人それぞれ基準が違うじゃないっすか。


私の振ったルビを見て、何でこんな簡単な物にルビ? と思うかもしれませんが、上記のような訳なのでご容赦を。



ルビを振るかどうか迷うもう一つの場合が、読み方が複数あってそれぞれ意味が違うってやつです。


例えば、1-5 守部の里1のロエーの台詞の中にある"大事故"。


私は勿論、頭の中で彼の台詞を聞いているので書いている時は"だいじゆえ"以外の読み方なんて思いつきもしないのですが、後で読み返すと気づきます。


(おい、これ "だいじこ" って読めるじゃん)


あの文脈で"だいじこ"と読んだら全く意味が通らずそれこそ事故です。


他にもあります。


"人気"


これ、"じんき"とも"ひとけ"とも"にんき"とも読めるじゃないっすか?


しかもそれぞれ意味も違う。


勿論、普通はルビなんかなくたって文脈から正しい読み方で読めるんでしょうけれど、、、


更に厄介なのが、"後"。


"あと"・"のち"・"ご"・"ゆり"・"しり"・"うしろ"って読めて、最初の四つは意味もそれほど変わらない。


変わらないけれど、どれで読むかによって文の印象やリズムがだいぶ変わっちゃうじゃないっすか。


だから、どうしてもこの読み方でお願いってのがある時はちょっと邪魔でもルビを振る事にしちゃいました。


邪魔だと思うんなら平仮名で書けよって仰るでしょうけど、、、だから、嫌なんっすよ。


謎の拘りですが、これもご容赦を。



これらとは別のルビ問題もありまして、漢文に読み下しのルビを振るっていう小技。


例えば"役不立"と書いて"やくたたず"。


これは完全に柴田版『聊斎志異』の影響です。


かっこいいのでやってみたかったのですがやはりこの作品には合わず、あまり使えませんでした。


そのうち東洋風ファンタジーを書く事があればもっと多用したいと思ってましたが、、、


新作は古代中国っぽい舞台設定なのに、使ってみたらやはり読みにくい。


世界観に合っていても力量不足で使い(こな)せませんでした、、、今後の課題です。



更に更に、魔法を片仮名の英語で表記し、それに日本語で振ったルビ。


これは英語=古代語とした設定の都合上そうするよりなかったのですが、ちょっと悩みました。


片仮名ではなくアルファベット表記も考えましたが、呪文としての"音"なのだから片仮名を採用しました。


ただ、英語にはどうしても片仮名に出来ない音もあるのでやはりアルファベットがいいかな、とも思ったのですが、、、


まあ、フィクションの"呪文"なのだから音として記号化された片仮名の方がその性質にあっているだろうと考え、最終的に片仮名表記にしました。


いまだにどちらが正しかったのか分からずにいます。


それとは逆に外国語は日本語で表記し、外国語のルビを片仮名で振りました。


籠手(ガントレット)(パイル)精霊銀(ミスリル)の類です。


これはこれで、ライトノベルの軽薄さにすこし抑えが効いてよかったのではと思っているのですがどうでしょうか?



こんな具合で試行錯誤の毎日ですが、なんだかんだ楽しくやっています。

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