★TIPS★
ヒーロー番組『銀河戦隊コズミックフォース』は、現実に起きた出来事、【地球外生命体による地球連続襲撃事件】をモデルにつくられたドラマである。
ヒーロー【コズミックフォース】のモデルとなっているのは、侵略者ボーグと戦い、彼の手から地球を救った正体不明の英雄たち。その一人が、現在都内で生活中のマシロチユキその人である。
しかし、演出過多な番組と違い、現実のヒーローの日々は存外地味であったようだ。
そもそも、英雄たちは、自分たちの集まりをただ「戦隊」とだけ呼んだ。おあつらえ向きな状況ながら、「名づけよう」と言い出す者が誰もいなかったためである。
また、彼らは、用意された強化スーツを、任命された順に選んだ。
色は、赤・青・ピンク・白。
もろもろの運命から最後に入隊したマシロは、残り物の白いスーツを問答無用で着ることになった。
なお、このスーツの色について、マシロは入隊~ボーグとの最終決戦まで、毎日、隊の司令官に文句を言い続けていた。
「白ってすごく汚れやすいよ。
どうせ戦うだけなんだし、わざわざ派手な色にしないでみんな黒にすればいいのに」
……そして、司令官は最後まで、その意見に抗い続けた。
だって、そんなヒーローはかっこよくないから。