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白銀妖精のプリエール  作者: 葵 嵐雪
第五章 潰える王国
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第五章 第二話 反乱軍

 反乱軍から協力要請をキッパリと断ったエランは平然とハーブティーを堪能していると周囲がざわつきだしたが,それでも動じなエラン達は周囲からの視線を余所にエランは甘味を一つ掴んで口に入れる。そんなエラン達とは正反対に反乱軍の中枢を担っている者達はここまで予想外の言葉に少しだけ呆然としているとルコレオは自分を取り戻して鋭い眼差しに成るとエランとの会話を再開させる。

「私達からの協力を拒否するとは敵に回るつもりですか?」

「違う」

「なら傍観を決めるつもりですか,それともこの国がどうなろうと構わないと」

 少しだけ口調が荒くなってきているルコレオを見てからエランは会話を続ける。

「協力は断るけど助力はする」

「それは同じ意味ではないでしょうか」

「全く違う,反乱をしたいというならすればいい,私達はそれを勝手に手助けするだけ」

 反論をしようとしたルコレオをヘルハウンが止めると,少しの間だけ考えたらエランへと問い掛ける。

「つまり,我々に協力は出来ないけど,陰ながら力を貸すという訳ですか?」

「少し違うけど,そう捉えてもらって構わない」

「つまり表だっては動かないと」

「動けないと言った方が正確」

「こちらが充分な報酬を出せないと考えているのですか?」

「違う,報酬は関係無いしいらない。その代わりに潜伏できる宿を手配してほしい」

「何故,その様な提案をするのですか?」

「それが助力をするという事だから」

 エランの意図がまるで分からないと困惑しているが,それを表に出さないヘルハウンはルコレオの方に視線を送ると,ルコレオは頷いてヘルハウンは近くに居る者に何かを命じる。するとその者が歩き出すのを見たエランは一つだけ甘味を手に取る動きをしながら少しだけ刀身を出しているイクスの刀身に光を反射させた。それから何事もなく甘味を口へと入れた。

 沈黙の重い雰囲気の中でもエランは甘味を堪能し,その隣に居るハトリは平然とハーブティーを飲んでいる。すると先程の者が戻って来て丸めた羊皮紙をヘルハウンへと渡すとそれを開いて何かを書き込むと,それをエランの前に出してきた。

「ご要望通りの潜伏が出来る宿です。話は通しておいたので格安で泊まる事が出来るように手配して起きました」

 エランが羊皮紙に目を落とすと地図のような物が書かれており,そこに一つだけ印が付いた場所があるので,そこがヘルハウンが言っていた宿なのだろう。エランは地図を手に取るとハトリに渡して仕舞い込むとエランは甘味を一つだけ口に運ぶと口を開いた。

「私達は貴方達の敵には成らない,それだけは理解してほしい」

「えぇ,理解をしているつもりですよ」

 ルコレオが少しふて腐れたように答えるとエランは軽く口を開く。

「そう」

 席を立つエランにハトリも続けて席を立つとエラン達はそのまま振り返って元来た道を進んで行くのだった。反乱軍はエラン達が見えなく成るまで見ていると,次にはテルキネスが口を開いてくる。

「おいおい,何か訳の分からねえ話だったけど,あのまま放っておいて大丈夫なのかよ。俺様が今から行って叩き斬ってやろうか」

 大口を叩いてみせるテルキネスに意外な方から反論してくる。それはエインであり,先程感じた事をそのまま口にする。

「隊長,それは止めた方が良い」

「んっ,エイン,お前からそんな事を言い出すなんて珍しいじゃねえか」

「さっき斬ろうとした,でも出来なかった。後に私が居る事に気付いてただけじゃなく,しっかりと備えてた。だから私にはあいつが斬れない」

「へえ,それ程だったのか。そういう事なら俺様にも無理って話だし,あいつを相手にしても手柄にはならねえみたいだしな」

「全く貴方達は斬る,斬れないが物差しなのは困ったものです」

「別に良いじゃねえかヘルハウン,味方に成らないなら戦っても」

「そういう話をしているんじゃありません。確かに味方には成らないでしょうけど,何かしらの意図が有る事は確かです。そしてそれは私達に有利に働くはずです」

「ヘルハウン,どうしてそこまで言い切れる」

 今まで黙っていたルコレオがまるで反論するかのように言い出すと,ヘルハウンは大きく溜息を付いてから会話を再開させる。

「ハッキリ言って白銀妖精の意図は分かりません。ですが私達を欺いているようにも見えなかった。それは彼女達なりに何かをしようと思っているのかもしれません」

「だが協力を拒んだ。それは確かだから警戒をするべきだ」

「ルコレオ,悪い癖が出ていますよ」

「……すまない」

「それでは話を戻しますと,数日中には白銀妖精が動くともいますので,私達が動くのはそれからでも遅くはないと思います」

「ヘルハウン,それは白銀妖精頼みって事じゃねえか。それで俺達の面子が保てるのかよ」

「テルキネス,白銀妖精がどう動くかによってこちらが動く事で最大限の効力を得ようというものです。決して一方的に頼るのではなくて,今は動きを見てから私達が動いても遅くはないという事です」

「どちらにしろ,白銀妖精を見張る者が必要に成ってくるのは確かだな」

「えぇ,ルコレオの言う通りです。それについてはこれから配備しましょう,居場所が分かっているからには見張りやすいはずです。それ以外の場所にも見張りを付けていつでも報告が入るようにしておきます」

「分かった,そうしたらテルキネス」

「んっ,何だ?」

「白銀妖精の動きを見てからお前達に動いてもらう,上手く白銀妖精を利用して敵の数を減らす事が出来るかもしれない」

「ふっ,そういう事なら任せておけや,あいつらを出し抜いて多くの敵を倒してやるぜ。それに上手く利用すれば貴族共の首も取りやすく成るからな」

「その通りだ,頼んだぞ」

「あいよ,任せて置け。エインもそのつもりでいろよ」

「問題は無い隊長」

「では,我らは白銀妖精が動いてからテルキネス達に動いてもらう。事によっては情勢を作用するかもしれないので他の皆もいつでも事に当たれるように備えだけはしてほしい」

 ルコレオがその様に締め括ると周囲に居る人々が一斉に頷き,それからそれぞれの仕事へと戻って行った。ルコレオも席を立つと再び奥に戻って行き,テルキネスは大きな欠伸をしながら自分の寝所へと戻っていく。そんな中でヘルハウンはエラン達の事を考えながらも自分の仕事へと戻るのだった。



 隠れ家から出て来たエランは以前に買っておいたフードを被って町に出るとハトリが地図を見ながら指定された宿屋へと向かった。エランがフードを被っているのは再び衛兵達に絡まれて騒ぎと成るのを防ぐ為だ。そうハトリが説得したのでエランはフードを深く被りながらハトリの後に続いて歩いている。

 貧民街から出ると貴族御用達の高級店が並ぶ通りに出るとハトリはその一つに入って行ったのでエランも続くと,愛想が良い受付の男が何かを察したようにエラン達を出迎える。

「いらっしゃいませ」

「とりあえず期限無しで泊まりたいですよ」

「ええ,構いませんとも,一泊当たり一金レルスに成りますけど構いませんよね」

「随分と吹っ掛けてくるですよ」

「お支払いが出来ないので他の宿を探しても構いませんが,お客様のご要望に添えるのは当店のみと成っております」

「つまりかくまってやるから金を払えって事ですよ」

「まあ,大声では言えませんが,こちらとしてもそれなりの危険を冒している訳ですから当然の金額と成ります」

「思いっきり足下を見ての金額ですよ。けど,それなりの対応がしてくれるなら充分に払える額ですよ」

「それは良かった。では,こちらに記載をお願い致します」

「はいはい,分かったですよ」

 受付に促されてハトリは宿泊帳に記載する。それから言われなくても前金で数日分だけを払って文句を言わせないようにすると,受付の男は目を光らせて金を受け取るとハトリに鍵を差し出して部屋は一番上だと説明した。

 鍵を受け取ったハトリはエランと共に階段を登って行くと最上階へと辿り着き,鍵に記してある自分達の部屋番号を見つけると鍵を開けて部屋へと入る。部屋はかなり広く豪華な装飾もしてある。その他に大きな風呂も付いており,円卓の上に置いてあった呼び鈴の魔道具と書き置きが有り,呼び鈴を鳴らせば食べ物や飲み物を持って来てくれると書いてあった。

 確かにこれだけ揃っていれば外に出ずに暮らせるだけの事は有る。まあ,だからと言って何時までもここに居られないエラン達はハトリが荷物を降ろして必要な物だけを出すとエランが紅茶を煎れて甘味も見つけたので,それを円卓に並べるとエランとハトリがそれぞれの席に着くとイクスが喋り出した。

「それでエラン,これからどうするつもりなんだ」

「まずは情報収集」

「けどエランが外に出ると確実に面倒に巻き込まれるですよ」

「うん,だからハトリにやってもらう」

「やっぱり思った通りですよ。けど,その前に協力を断った理由を知りたいですよ」

「んっ,分からない?」

「大凡の見当は付いているですよ,けど肝心な所を聞いていないですよ」

「うん,それは」

 エランが思っている事をそのまま口にするとハトリは仕方ないとばかりに大きく息を吐いてから紅茶を少しだけ飲んでから会話を再開させる。

「正直面倒ですよ,けどそれを聞くとやるしかないですよ」

「うん,そう言った意味でも情報は必要」

「分かってるですよ」

「それでエランよ,俺様達はどうするつもりだ?」

 イクスがそんな問い掛けをするとエランは席を立って窓辺に行くと向かいの建物で景色を遮っている窓を開けるとそのまま上を見た。何かを確認したように手を伸ばすと一回だけ頷いてから円卓へと戻った。そしてエランが口を開く。

「あそこからなら気付かれずに外に出られる」

「出てどうするつもりですよ?」

「城を守っている衛兵の数を減らす」

 予想外すぎる答えにハトリは持っていた甘味を膝の上に落とす程だ。そんなハトリとは正反対にイクスは面白そうに笑う。

「随分と思い切った事をするじゃねえか,好きだぜそういうのはよう」

「城の方で警備が薄く成れば目星も付けやすくなる」

「なるほどですよ,それを先に言ってほしかったですよ」

「それでエラン,いつから始めるよ」

「明日,今日のところは休む」

「確かに王都に着いてから休む暇すらなかったですよ。それにそろそろ日が落ちるですよ」

「まあ,そういう事なら明日の夜から派手に行こうや」

「イクス」

「んっ,何だ」

「話を聞いていたなら明日から静かにやる予定」

「良いじゃねえか,ちっとばかり賑やかに成ってもよ」

「……お仕置き」

「すいやせんでしたあっ!!」

 エランの声を聞いて言葉に思いっきり誠意を乗せるイクス,そしてイクスが黙り込むとハトリが喋り出してエラン達はのんびりとした時間を過ごす。

 夜が更けるとエラン達は夕食を頼んで,そのまま部屋の中で夕食を口にすると高級宿だけあってかなり美味しい食事の後にはしっかりと食後の甘味まで付いている程だ。夕食を食べ終わると再び呼び鈴を鳴らしたら宿の者が食器を取りに来てくれて正に至れり尽くせりという感じだ。その後にエランは鎧を取るとイクスを抜いてハトリと一緒にお風呂へと向かった。

 広くて豪華なお風呂でくつろぐエランとハトリ,そしていつも通りにイクスを手にしてエランは肩までしっかりと浸かってお風呂を堪能する。するとハトリから反乱軍に付いて話し出してきた。

「そういえばですよ,あの反乱軍を率いているルコレオは何だか焦っているように見えたですよ」

「後はここの城を落とすだけだから早くやりてえんじゃねえか」

「イクスと一緒とは思えないですよ,別の理由で早く反乱を終わらせたい感じがしたですよ」

「そりゃあ悪かったな,ってか別の理由って何だ?」

「それが分かれば苦労はないですよ」

「それが反乱に加わった理由」

「なるほどですよ,反乱そのものではなく反乱を終えた後に何かしらの理由が有るという事ですよ」

「いや,反乱そのものってのが理由ってのもあるだろ」

「イクスのくせに真っ当な意見を言ってきたですよ」

「喧嘩売ってんのか,おい」

「それはそうと,他の人物をどう見ているですよ」

「他といや,あのエイルってやつは相当な手練れだぜ。エランが協力を断ったら,こちらの機会を窺って隙でも見せたら斬り掛かろうとしてやがった」

「イクスはてっきりあのテルキネスってやつを気に掛けていると思ったですよ」

「あぁ,あのテルキネスってやつもかなりの手練れだが,剣の力に頼っているように見えたな。あの美味そうな剣が有っての強さだからな,総合的な強さで言えば二人とも同じぐらいって感じだったな」

「余計な感想までありがとうですよ。そこまでイクスが言うのならそうなのですよ,残っているのはヘルハウンというやつだけですよ」

「常に冷静だった」

「あぁ,エランの言う通りだな。あいつだけはエランが断っても驚いたが,その後は冷静に話を進めてきたな」

「それにエランの言った事を唯一理解しようとしていたですよ」

「だからかあいつは頭が相当切れるようだぜ。言うなれば反乱軍を勝利に導いている軍略家って感じだな」

「うん,だから反乱を成功させない」

「分かっているですよ,上手く落とし所が見付かれば良いですよ」

「まっ,それは明日からハトリが頑張って見つけてくるんだな。なにしろエランの考えだと,そういうやつが見付かるか見るからないかに掛かってるからな」

「イクスに言われなくても分かっているですよ。まっ,見つけるのには時間は掛からない筈ですよ,こんな時だからこそ噂に成っている確率は高いですよ。それはそうと今回はタダ働きに成りそうなのはどうにか成らないですよ」

「……忘れてた」

「そこは忘れないでもらいたいですよ」

「うん,何か考えておく」

「そうして下さいですよ,ここの出費を上回る程なら大歓迎ですよ」

「分かった」

 話に一区切りが付いたのでイクスがハトリをおちょくりだして風呂場が賑やかに成る中でエランは静かに湯に浸かっているだけだ。そしていつも通りにハトリからお風呂を出るとエランは長湯して満足するまでお湯に浸かると,やっとお風呂を出て着替えて部屋に戻るとハトリが冷えた紅茶を煎れてくれたので,エランはイクスを戻すと円卓について紅茶を堪能する。

 夜が更ける中でイクスとハトリがいがみ合い賑やかな時間を過ごすと,すぐに夜が更けてエラン達はそのまま就寝する。

 翌日,鳥の鳴き声が聞こえて目を覚ましたエラン,朝日はしっかりと昇っており窓の外からも朝の空気が伝わってくる中でエランが上半身を起こすと,ハトリも目を覚ましてゆっくりと動き出した。

「おはよう,イクス,ハトリ」

「おはようですよ」

「おはようさん」

 それぞれに挨拶を交わした後にエランは寝台から下りると鏡台の前で髪を整える,その間にハトリは大きな欠伸をしながらも手櫛で簡単に自らの髪をいじっているとエランが鏡台の前から立ったのでハトリが鏡台の前に座って髪を整えていく。

 ハトリの支度が終わる頃にはエランがハトリの為に珈琲を煎れており朝食を要求する呼び鈴まで鳴らして対応していたので,ハトリは珈琲を飲みながら朝食が届くのを待っていた。程なくして朝食が届くとエランとハトリは朝食を頂く,そして朝食が済むとハトリは荷物を置いて宿を出て行く。昨日エランの考えを聞いて情報を収集する為にハトリが単独で動いた方が面倒が掛からないからだ。

 ハトリが出かけた後にエランはすぐにお風呂へと向かった。イクスを手に朝風呂を楽しむエランは上機嫌らしく,珍しく表情が少しだけ楽しそうだ。そんなエランにイクスが喋り出す。

「そういや聞いておきたかったんだけどよ,俺様達が動いた後に反乱軍がどう動くと思っているんだ?」

「分からない」

「けど推測は有るんだろ?」

「おそらくだけど,あのテルキネスが動く」

「あぁ,あの兄ちゃんは根っからの武闘派に見えたからな」

「それに私達に対して負けたくないと思ってる」

「なるほどな,対抗心が満々という訳か。となると俺様達と同じ事をしそうだな」

「うん,早ければ明日から動き出すと思う」

「あいつら血の気が多そうだったからな,そう考えるのが自然だよな」

「それだけハトリが見つけるのに役立つからお互いに邪魔はしない」

「わーったよ。あいつらが出て来ても距離を置くってことで良いんだな」

「うん,そのつもり」

「分かった,なら夜に備えて俺様は黙るとするか」

「分かった,イクス」

 イクスが黙り込んでから数時間後にエランはやっとお風呂から上がった。それからイクスを置いて髪をしっかりと乾かすと,エランは寝台に向かってそのまま布団の中に潜り込むと意識を眠りの雲に預けるのだった。



 日がかなり傾いた頃にエランは目を覚ますと少しだけ呆然としながら動かない思考を動かそうとする。そしてやっと状況を思い出したエランは上半身を起こすとイクスに向かって口を開く。

「おはよう,イクス」

「おう,もうすぐ夜だけどな」

 言葉を交わしてエランは鏡台の前に座ると置いて有った櫛を取り髪を整えていく,それが終わると紅茶を煎れてから呼び鈴を鳴らしてた。給仕のおばさんが来るとエランは甘味を頼んで,すぐに要望通りの物が来るとエランは円卓を前にして座り紅茶を飲みながら甘味を味わっているとハトリが帰って来たので出迎える。

「ただいまですよ」

「おかえり,ハトリ」

「流石は城下町なだけあって広かったですよ」

「ご苦労様」

「とりあえず分かった事に付いてはお茶を飲みながら話すですよ」

 そう言って来る前にエランはハトリの分まで紅茶を煎れていたのでハトリに出すと,ハトリは両手で茶器を持ちながら紅茶を味わった。それからハトリが集めてきた情報を聞くが初日という事も有り,有力な情報を得る事が出来なかったようだ。まあ,エランもそう簡単には行かない事が分かっていたからこそハトリに情報収集を頼んだ。それが分かっているからこそハトリに継続するように伝えて後はいつものように穏やかな時間を過ごす。

 夕食を食べ終わるとエランはすぐに動き出した。鎧を一つ一つ身に着けていくと最後にイクスを背負って革紐でしっかりと固定するとハトリに向かって言葉を放つ。

「それじゃあ,行ってくる」

「あまり無理はしないでほしいですよ」

「うん,分かってる。朝までには戻る」

「分かったですよ,いってらっしゃいですよ」

 そんなハトリの言葉を聞いてからエランは窓を開くとそこから外に出てすぐに屋根の上へと登った。そして右手を斜め上に挙げるとイクスが飛び出してきてエランにしっかりと握られるとエランは口を開く。

「イクス,バーストブレイド」

「あいよ」

 エランとイクスが白銀色の光りに包まれるとエランの背中から合計で六枚の翅が生えるとお,白銀色の翅は砕けて翅の中に紋様を作り出す。それと同時にイクスの峰から魔力が視覚化する程に放出されて白銀色の粒子が見える。そして白銀色の光が消えた。

 バーストブレイド,以前ユウリエと再会した時に貰った剣でエランとイクスの剣だからこそ二人に作用する。その能力は加速,簡単に言うなら推進力を生み出す剣だ。これだけ聞くと大した剣には思えないかもしれないがエラン達にとってはフェアリブリュームとオブライトウィングの組み合わせよりも使いやすい剣なので今ではすっかりバーストブレイドを使っている。

 加速と言ってもエラン達の動きが速くなるだけではない,推進力を生み出す事でエランは魔力が続いている限り,空を飛ぶ程の推進力を得る事が出来る。そしてイクスもエランが振り出しに合わせて加速させる事で,イクスを振り抜く速度が段違いに速くなるのだ。それ程の推進力を生み出すのがバーストブレイドの特徴である。

 エランが屋根の上を走り出すとハーストブレイドの能力で一歩踏み出しただけで後はバーストブレイドの能力だけで一気に進む事が出来る。なのでエラン達は白銀色の光を残しながら闇夜の中へと踊り出して行くのだった。




 さてさて,年末という事もあって少しばかり充電期間を貰ったので更新が遅くなりましたが,何とか無事に更新する事が出来ました。いや~,何か年末はずっと死んでいたわ。もう気持ちから死んでいる程に無気力でした。まあ,新年となりましたので今年は去年よりかは活発的に動いて行けたら良いなと思っている次第でございます。

 さてはて,第五章もまだまだ始まったばかり,でも短編なりに短く成るかと今の時点で思っている次第でございます。まあ,今までが長過ぎたと言えるから丁度良いかもしれませんね。だからではありませんが一話当たりの文字数も減っておりますからね。う~ん,何か最近は少し話が出て来ないんですよね。まあ,今年はまだ始まったばかりという事で,ここから頑張って行きましょう。という事で締めますね。

 ではでは,ここまで読んでくださり,ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。更に評価と感想もお待ちしております。

 以上,充電期間という便利な言い訳を覚えた葵嵐雪でした。



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