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白銀妖精のプリエール  作者: 葵 嵐雪
第二章 戦場の白銀妖精
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第二章 第七話

 ケーイリオンの口から出された驚くべき契約内容に対して,エランは静かな顔をしながら二つ返事で承諾したのだからイクスとハトリが言葉が出ない程に驚いているが当のエランは平然とした態度を取っていたら,突如としてケーイリオンが豪快に笑い出しすとケーイリオンの前に立っているエランは動じる事も無くいつも通りに平然としていた。

「がはははっ! こうもあっさりと承諾するとはな。さすがはエランと言うべきか」

「その前にケーイリオン将軍に尋ねたい事がございます」

「申せ」

「はい,敵の総大将を討てとの契約内容にハルバロス軍内では不満を出す者も出るのではないでしょうか?」

「がはははっ! なんだ,そんな事か」

 よっぽどエランの働きを見て満足したのか上機嫌なケーイリオンはエランの質問を一蹴すると再び詳しく話す為に口を開く。

「もう知っていると思うが我が軍内でもスフィルファに挑もうとする者さえ出ない始末だ。最も名乗り出ても己を知らない未熟者ばかりで話に成らん,そのスフィルファを見事に倒したのだ。エラン,其方が戦場での働きで実力を示した事で我が軍内では最強だと誰もが認めよう。だからこそ,その様な心配は杞憂だ」

「分かりました」

 素直に納得するエラン,もちろんケーイリオンの言葉を鵜呑みして納得した訳ではない,ケーイリオンの言葉を聞いたからこそ納得したと言った方が正確だ。つまりハルバロス軍内部でエランの契約内容に不満を訴えても,ケーイリオンはエランの戦功を持ち出して部下達を納得させる事が出来ると読んだからこそエランはすぐに納得した言葉を持ち出した。するとエランは続け様に口を開く。

「総大将を討てとの契約内容には承諾しましたが,その総大将に付いて詳しく聞いておきたいのですが,よろしいでしょうか?」

 相変わらず静かな顔しながら社交辞令をしっかりと守っている言葉で尋ねるエランにケーイリオンは一度だけ大きく頷くとエランの問い掛けに答える。

「敵の総大将はカンド=サトワサという者で,スネテのユニコーンを信仰しているディアコス軍の名将として知られている人物だ。国への忠誠心も強く宿将とも言われているが,その名に恥じない程の実力を持っているだけではなくスネテのユニコーンを信仰しているだけに部下からも常に勝つ事を期待されている」

「そのスネテのユニコーンとは何ですよ?」

 やっと平常心を取り戻したハトリがその様な質問をするとケーイリオンは再び大きく頷いてから口を開く。

「スネテのユニコーンはこの周辺諸国に伝わる伝承の中に登場する神獣でな,スネテのユニコーンが舞い降りた軍は必ず勝つと言われている勝利をもたらす神獣だ。カンドは兜にスネテのユニコーンを模した彫像を取り付ける事で自分の信仰心が本物である事を示し,部下達からもスネテのユニコーンがカンドに勝利をもたらすと信じさせている。その実力だけでも大したものだが,スネテのユニコーンを熱心に信仰する事で常に自分が勝つと部下に信じさせているのだから手強い強敵だ」

「随分と敵将を褒めやがるな,まるで自分では勝てないように聞こえても不思議じゃないぞ。っと,無礼を承知で言わせてもらったぜ。ケーイリオン将軍様は上機嫌でもエランを不機嫌にはさせたくないからな」

 イクスも平常心を取り戻すついでに今だけは無礼講な事もしっかりと思い出したイクスがそんな言葉を発するとエランは黙っているがハトリは嫌味とばかりに思いっきり溜息を付くとケーイリオンが再び豪快に笑い出した。

「がはははっ! そう言われると返す言葉が無いな。だがその通りよ,この老いた身では自ら最前線に出て戦う事が出来ないうえ立場もある。かと言ってスフィルファにも劣っている我が軍内ではカンドと対等に戦えるのは儂ぐらいだ。対等に戦っているからこそ双方とも決め手を欠いているという訳だ」

「つまり私達に決め手になれ,という事ですか」

「その通りだ,エラン。あっさりとスフィルファを倒した其方の力を我が軍に貸して欲しい。其方が敵本陣まで駆け上がればカンドを討ち取れるだろう」

「そのカンドが逃げる事は考えないですよ?」

「それは無い」

 ハッキリと言い切ったケーイリオンにイクスとハトリは,その理由を聞いてみたかったがエランが黙り込んでいるので今は何も聞かない事にした。なにしろこれはケーイリオンとエランの契約に関する話であり,余計な口出しは少しだけ控えただけだ。するとエランがやっと口を開く。

「それでは次の契約内容は敵総大将カンドの討伐でよろしいでしょうか?」

「うむ」

「では,報酬の方はどの程度に成るでしょう」

「もちろん働きに報いる報酬額を出すつもりだが,エラン,其方の心次第では引き続き我が軍で働いてもらいたい」

「どの程度の時間に成るでしょうか?」

「ふむ……エラン,其方の働きにもよるが一週間ぐらいで区切りを付けるつもりだ」

「承知しました。では報酬は全て終わった後ですね」

「うむ,其方が我が軍で働く限りでは最大限の報酬を出すつもりだ」

「分かりました。ハルバロス軍に勝利をもたらす為に戦わせてもらいます」

「うむ,エラン,其方がスネテのユニコーンを乗せた兜を持ってくるのを楽しみにしているぞ」

「ご期待に応えましょう。それでは私達はそろそろ失礼させてもらいます」

「うむ,明日の為に英気を養ってくれ」

「はい,それでは」

 エランとハトリが一礼すると踵を返して歩き出すと,そのままケーイリオンの天幕から出て行くのだった。



「やあ,お疲れ様」

 ケーイリオンの天幕から出るなり,エラン達にイブレがそんな声を掛けて来たのでイクスとハトリが早速とばかりに嫌味を言い出す。

「ここの軍師はサボるのが仕事ですよ」

「これだけサボっておいて契約解除に成らないのが不思議でしょうがねえな」

「ははっ,イクスとハトリは早速いじめてくれるね。仕事はしっかりとしてるよ,それに僕個人としてもやるべき事が有るからね」

「イブレのくせに随分ともったい付ける事を言い出すじゃねえか」

「まあ,その事は後々に。それでエラン,時間はあるかい?」

「うん,後で戦場を見ておきたいけど,今日はもう暇」

「なら僕の天幕で少し話をしないかい,聞きたい事があるからね」

「分かった」

「それと少しだけど甘味を用意したよ」

「イクス,ハトリ,すぐ行くよ」

「餌に釣られたですよ」

 ハトリの言葉は虚しくエランはイブレの側に行くと,イブレが歩き出したのでエランが付いて行くとハトリは慌ててエランに追い付く。イブレの天幕はハルバロス本陣内にあり,ケーイリオンの天幕からあまり離れていなかったのですぐに着くとイブレが天幕の中に入ったのでエラン達も続く。

 さすがは名が通っているイブレなだけに天幕内はそれなりに物が用意されていた。隅にある机の上には紙が幾つかに別れて積み上げられており,天幕の中央には最初からエランを呼ぶつもりだと言わんばかりに円卓の上には丸い器に様々な甘味が山盛りに成っていたのでエランは早速とばかりに円卓の前に座ると甘味に手を伸ばす。

 相手がイブレという事もあるからエランは全く遠慮せずに甘味を堪能しているとハトリもエランの隣に座って甘味に手を伸ばした。その間にイブレが紅茶を煎れてエラン達の前に出すと甘味を挟んでエラン達の前にイブレは座ると早速とばかりに口を開く。

「それでエラン,ケーイリオン将軍の事だから次の契約を出してエランは受けてきたんだろうね。どんな契約内容だったんだい」

「おいおい,軍師様とあろうお方が知らないのかよ」

「察しは付いているけど,ケーイリオン将軍からは直々に聞いていないからね。だからエランに聞こうと準備していた訳だよ」

「イブレはこういう根回しだけは得意ですよ」

「ははっ,褒めてもこれ以上の物は出せないよ」

「褒めてないですよっ!」

「褒めてねえよっ!」

 同時に同じような言葉を発するイクスとハトリに対してイブレはいつものように笑って流すと甘味を堪能して少しだけ満足したエランが口を開く。

「次は敵総大将カンドの討伐」

 それだけ言って既に手にしていた甘味に食らい付くエラン。そしてエランの言葉をしっかりと聞いていたイブレはやはりね,と呟くと考える仕草を見せたのでハトリは折角だからと紅茶を味わい,イクスは仕方なく黙り込む。そしてエランが甘味を五個程食らいつくしたところでイブレが再び口を開いた。

「エラン,カンドについては聞いてきたかい?」

「……うん,ケーイリオン将軍の意見なら聞いてきた」

 紅茶で舌に残っている甘味を洗い流して,次の甘味をしっかりと味わう為に少しだけ口が開いていたエランがそう答えるとエランは再び甘味を口に運ぶがイブレは構わずに会話を続ける。

「それでカンドをどう見るのかい?」

 そんな質問をするがエランの口は甘味を堪能するので精一杯なので代わりとばかりにイクスが声を発する。

「聞いた感じだとただの優れた指揮官,ってだけじゃねえだろうな」

「確かにね,なにしろこの辺では大きな像まで造って崇める程だからね。それだけスネテのユニコーンを信仰して加護を授かっていると示してるからね,僕達からすればかなり厄介な相手だよ」

「それだけ信仰心を忠誠心に変えているのだから当然ですよ」

 先程まで手にしていた紅茶を円卓の上に置いたハトリが会話に参加してくるとイブレは何度か頷いてから会話を続けてきた。

「まさにそれなんだよね,カンドは指揮官としてはとても優秀だ。そのカンドが勝利は自分ではなくスネテのユニコーンを信仰していたから勝利出来たと言っているものだから,カンドが指揮する軍は自分達の勝利を信じて疑わないから必死になって戦って来るんだよ」

「信仰心が盲ろう者にするですよ」

「さすがはハトリだね,その通りだよ。カンドは熱心にスネテのユニコーンを信仰する事で,その配下達が自分達にはスネテのユニコーンが加護してくれるから必ず勝つと信じて戦う。カンド自身はともかく,その下は負ける事なんて少しも考えてない。必死になって戦えばスネテのユニコーンが勝たせてくれる,そんな考えだけが蔓延してるから常に勝者の気迫に満ちている」

「勝手に勝った気でいるの間違いだろ」

「イクスはいつもキツイね。けど,常に勝者の気迫があるという事は,それだけ勝ち続けた結果だよ。まあ,最終的に勝てば後は言い様だけどね」

「お前もお前で俺様の事を言えないだろ」

「ははっ,ちょっとした冗談だよ。だけど,それがディアコス軍だよ」

 それだけ言ってイブレは喉を潤す為に紅茶を味わうと甘味を堪能して口が開いたエランが言葉を放つ。

「だから右翼の失態も気にしない」

「んっ,どういう意味だ,エラン」

「今日の戦いでディアコス軍の右翼は次々と増援を送ってきた。数で劣っているのに下手に増援を送り続ければ兵数が決定的になる」

「だけどカンドはそうなる前に右翼を後退させてスフィルファに任せたんだよ。まあ,そのスフィルファをエランが倒したんだからカンドは今頃は大変だろうね」

「なら熱心にスネテのユニコーン様にお祈りでもしてやがるのか」

「その程度の相手なら僕やケーイリオン将軍も苦労はしないよ」

「まるで自分が苦労してる言い方ですよ」

「ははっ,こう見えてもエラン達が来るまでは大変だったんだよ。まあ,エランが来てくれたおかげで僕はこうしてエラン達と紅茶を堪能しているんだけどね」

「なら少しは感謝しやがれ」

「路銀は要らなかったのかい?」

「イブレのくせに調子に乗ってやがるですよ」

「ははっ,冗談だよ,冗談」

「ったく,どっからどこまでがだよ」

「それを言ったら面白くないだろうね」

「面白さなんて求めてないですよ。それよりもですよ,ずっと気になっていたですよ」

 ハトリが話題を変えてきたのでイブレはハトリの方を見るがエランは相変わらず,すぐに甘味に夢中になっている。そんなエランを置いてハトリは話を続ける。

「そもそもですよ,スネテのユニコーンって何ですよ?」

「う~ん,僕も勝利をもたらす神獣としか知らないんだよね。スネテのユニコーンを奉っている教会とか行けば詳しい事が分かると思うけど,それでも調べてみるかい」

「俺様は遠慮して籠もるぞ」

「それ以外の特徴はないですよ?」

「あぁ,それなら一つだけあるね」

「その前にどうしてこういうどうでもいい事は知っているですよ」

「それは俺様も同感だな」

「まあ,僕はエラン達が旅をする前から旅をしてるから,それだけ見聞があるという事だよ。それでハトリ,そのどうでもいい特徴を聞くかい?」

 イブレがそう尋ねるとハトリはワザと大袈裟に溜息を付いた後に口を開く。

「念の為に聞いておくですよ」

「ならユニコーンについては知っての通りに額に角を持つ馬で,神話にも出て来るから詳しい事は省いていいかな?」

「いいからさっさと話すですよ」

「分かったよ,各地の神話に出て来るユニコーンは丸い,円錐の角を持っているけどスネテのユニコーンは角張った角を持っているんだよ」

「角張っているって,どんなのですよ」

「四角錐,と言った方が早いかな。額から菱形の形をした角が生えているのが特徴だね」

「つまり菱形の角を持っている馬を兜に乗っけているのがカンドって事ですよ」

「っふ,ははっ,まあそういう事だね」

 ハトリの言葉に思わず笑い出しそうになったイブレだが,軽く笑って抑えるとハトリの言葉を肯定した。流石のイブレも辛辣過ぎるハトリの言葉に笑いがこぼれ出たようだがなんとか軽く笑うだけで済ます事が出来た。すると今まで黙っていたエランが口を開いてきた。

「それでイブレ,他に私が知っておく事は?」

 突如として質問を投げかけてきたエランにイブレは少しの間だけ考える仕草を見せてから頭の中を整理すると口を開いてきた。

「特には無いね。逆に僕がエランの事について聞いておきたいかな」

「何?」

「明日はどこでどういう風に戦うかという事だよ」

「分かった,明日は中央の最前線で中央を一気に押し上げるつもり,それくらいはイブレなら分かっていると思うけど。私に敵総大将カンドの討伐命が下った事を聞いた時点で」

「ははっ,確かにエランの言う通りだよ。それにエランの考えを読んでいるのは僕だけでは無いだろうね」

「どういう事ですよ?」

「エラン達も本陣に入ってから気付いたと思うけど,エランがスフィルファを討ち取った直後にケーイリオン将軍が本陣に帰還して次々と命令を出していたからね。本陣が慌ただしいのはケーイリオン将軍が明日は中央のエランを中心に総攻撃を掛ける為の準備をしているからだろうね」

「おいおい,あの将軍様はエランが受けるかも分からないのに俺様達を中心に策を練り上げてたって事かよ」

「まあ,イクスの言う通りだけどね。ケーイリオン将軍にはエランが次の仕事を提示しても受けるという確信があったんだろうね。そもそもエラン達が路銀を稼ぎにここに来る事は前もって僕が言っておいたからね,それも含めて考慮した結果として今の慌ただしさに繋がっていると思うよ」

「それ以前にイブレはしっかりと私達が路銀稼ぎに来ている事をチャッカリ話しやがっているですよ」

「この軍師様は軽い話なら口が軽くなるみたいだからな」

 イブレの言葉を聞いてしっかりと嫌味を言葉にして出すハトリとイクス,その言葉を聞いてたイブレは笑って流す頃には,エランは紅茶の苦みで甘味の甘みを最後まで引き出すと空になった茶器を円卓の上に置くと口を開く。

「それじゃあイブレ,私達はそろそろ行く」

 その言葉を聞いてイブレは丸い器を見ると,山盛りになっていた甘味が全て消えていた事にやっと気付き,乾いた笑いを出すのが精一杯だ。そんなイブレがエランに向かって話し掛ける。

「分かったよ,それでエラン,何処に行くつもりだい?」

「昨日の丘で戦場を見ておきたいから」

「そうかい,まあエランは今日の仕事をしっかりと終えたのだから自由に休んでれば良いからね」

「うん,そうする。ハトリ,行くよ」

「……はいですよ」

 エランの言葉を聞いて慌てて紅茶を飲み干したハトリが立ち上がりながら返事をすると既に歩き出しているエランへと追い付く。そしてエラン達はイブレの天幕を後にすると一人残ったイブレが少しだけ思考に耽る。

 やはりエランが来ると展開が速いね,念の為に僕が早めにハルバロス軍に来ていて正解だったよ。借り受けた密偵がそろそろ帰ってくるだろうからね。後はエラン達の働き次第と言いたいけど,ケーイリオン将軍はよっぽどエラン達を気に入ったみたいだからね。こうなってくるとしっかりと楔を打ち込むつもりだろうね。そうなると無用と思っていたあれの出番も考えておかないとだね。

 そこまで頭の中を整理したイブレは散らかった円卓の上を片付けるのと同時にエラン達に出した茶器も自分で片付ける為に水場へと向かうのだった。



 エラン達がハルバロス軍本陣を出た頃,ディアコス軍の本陣内にあるカンドの天幕では他の将は既に出払っておりカンドだけが居ると見張りの兵がカンドに向かって声を掛けて来たので,カンドは入室の許可を出すとスフィルファの副隊長,つまり遊走騎馬隊の副官がカンドの前へと進み出た。

 副官はカンドの前で片膝を折ると敬意をカンドに示すが,それ以上にスフィルファの無念が勝っているかのように地面に付けた右腕と折り曲げた左膝の上に乗せている左腕が震えているのをカンドはしっかりと見ていた。そんな遊走騎馬隊の副官にカンドは椅子から立ち上がると歩み寄り,両膝を付いて左手を伸ばして副官の肩をしっかりと掴んでから口を開く。

「スフィルファの事は本当に無念であったな,だが幸いにもスフィルファの遺体を回収する事が出来た。これでスフィルファを弔う事が出来るだろう」

 カンドの言葉を聞いた遊走騎馬隊の副官は顔を上げてカンドを少しの間だけ見詰めると,再び頭を下げて口を開く。

「カンド将軍の気遣いと手配には幾ら感謝を述べても足りない程です」

「なに,スフィルファは我が軍でも慕われる人材なればこその対応だ。そこで遊走騎馬隊にはやってもらい事が有る」

「はっ! スフィルファ隊長の仇を討てるのなら何でも致します」

「急くな,遊走騎馬隊にはスフィルファの遺体を首都にまで運び,しっかりと弔ってほしい」

「我らに首都に撤退しろと仰るのですかっ!」

「そうだ」

「ですがっ!」

「スフィルファが討たれた事は遊走騎馬隊に属している者達にはさぞかし無念であろうが,そこまでスフィルファを慕っているからこそ遊走騎馬隊には首都に帰還してもらいたいのだ。スフィルファと一緒にな」

「隊長と一緒にですか?」

「そうだ,それにそれ程までにスフィルファを慕っている遊走騎馬隊だからこそ頼めるのだ。分かってくれるか」

「……はい,承知しました」

 涙を飲んで遊走騎馬隊の副官が放った言葉をしっかりと耳にしたカンドは力強く頷くと左手を離して立ち上がると,先程まで座っていた折り畳み式の椅子に再び腰を下ろしてカンドが本当に聞きたい事を口に出してきた。

「スフィルファも自ら望んだ一騎打ちで敗れたのだから本望だったろう。だが我らはこれからも戦い続けなければいけない,そこでスフィルファを一騎打ちで討ち取った者について聞いておきたい。その容姿や実力など,分かる範囲で良いから話してくれ」

「はい,私が見た限りの事をお伝え致します。最も目立ったのは白銀色の鎧と同じ色で腰まで伸びた髪でしょう,それと小柄ですが身の丈に合わない程に巨大な武器を使い熟していました。それに宙に舞いながら我が隊の騎兵を十数騎もすれ違いざまに倒しました,空中で回転しながら舞い踊るように騎兵よりも上を取って一気にそれだけの数を倒したのです。私から言えるのは,この程度の事だけです」

「……」

 話を聞いていたカンドは考える仕草を見せたので遊走騎馬隊の副官は黙っている事にしたが,話をした事でスフィルファを討ち取ったエランの事を思い出したのでみすみすとエランを逃した悔しさが再び込み上げてきた。その為に遊走騎馬隊の副官が歯ぎしりをしているとカンドがやっと口を開いてきた。

「その者の名前は聞いていないのだな?」

「はい,隊長には名乗ったようですが声が小さく私達がいる所では聞き取れませんでした」

「そうか……白銀妖精」

「はっ?」

 突如としてカンドが口に出した言葉に反射で疑問の言葉を出してしまった遊走騎馬隊の副官だが,カンドはそんな事は全く気にせずに話を続ける。

「噂を聞いた事は無いか,白銀妖精の」

「耳にした事はあります」

「そうか,確か噂では白銀色の髪と鎧を身に着けておりスレデラーズを持っているという,あの白銀妖精だ。お前の話と白銀妖精の噂と一致する点が多い。それにもし,スフィルファを討ったのが白銀妖精ならばスフィルファとしても満足が行く一騎打ちだったろう」

「……確かに」

「ならばスフィルファの墓前にて伝えてくれ。白銀妖精との一騎打ちは実に見事だったと,そして白銀妖精が噂通りの実力を持っているのならスフィルファが負けても仕方ない事で何も恥じる事は無いとな」

「はっ,承知しました」

「うむ,ではお前は遊走騎馬隊を率いてスフィルファの遺体と共に首都へと帰還せよ」

「はい,それでは失礼致します」

 遊走騎馬隊の副官は最後に深く一礼すると立ち上がってカンドが居る天幕から出て行った。するとカンドは再び立ち上がると自らの兜が置いてある豪勢な台座へと向かって兜の上に乗っているスネテのユニコーンを模した彫像に向かって言葉を放つ。

「スネテのユニコーンよ,スフィルファに永遠の安らぎと名誉を。そして強敵を前にした我らに加護を……」

 言葉を言い終わった後に胸の前で両手を組んで祈る仕草をするカンド。というよりも実際に祈っているのだろう,スネテのユニコーンを模した彫像は教会か熱心に信仰しているカンドの自宅にしかないので戦場でもスネテのユニコーンに祈れるように兜の上に彫像を取り付ける事にした。そんなカンドが祈りを終えると再び椅子に座ると今度は思考を巡らす。

 これで遊走騎馬隊が暴走する心配は無くなったが,やはり気になるのが白銀妖精……噂ではたった一人で千人を相手にしても無傷で全滅させる程の実力の持ち主と聞いているが,噂を鵜呑みにするのは愚か者のやる事だが,スフィルファを手際良く討ち取ったからには過小評価も危険だ。さて,どうしたものか……こちらはケーイリオンだけでも手こずる状態だ,そこに白銀妖精が加わったとなれば膠着状態が崩れるのは時間の問題か。さて,どうするか……ならこちらから膠着状態を崩すのも手か。

 何らかの結論を出したカンドが大声を上げる。

「居るかっ!?」

 すると見張りの兵ではなく自らの副官がカンドの天幕へと入って来た。カンドの副官はカンドの前にまで進み出ると膝を折って口を開く。

「ここに」

「うむ,これから話す事を良く聞いて各将へと手配せよ」

「はっ」

 カンドの副官が承諾した返事をするとカンドは先程練り出した戦略を副官へと告げると,カンドの副官は聞いた戦略を実行する為にカンドに一礼してから天幕から出て行く。するとカンドは疲れたように椅子に座り直して心に思う。

 打てる手は打った,後はスネテのユニコーンが舞い降りる事を祈るのみか。あるいはスネテのユニコーンは白銀妖精に舞い降りるかもしれないが,その時はその時で今のうちに手を打つべきか。そうなるとケーイリオンは必ず白銀妖精を……。

 地の利と機動力が多いディアコス軍だけの数で劣っていてもカンドは全く気にしなかったが,ここに来て白銀妖精の参戦という想定外の事態にカンドは自らの読みが劣っていた事に苦い物を食べたような顔になるが,すぐに笑みを浮かべた。それは当然だ,なにしろまだ何も終わってはいないのだから。



 ディアコス軍内でカンドの頭を悩ませている白銀妖精ことエランはいうと,昨日も立って戦場を見ていた丘の上に立って今も戦場を見ている。そんなエランの隣ですっかり暇を持て余しているハトリは草をいじくり,イクスは特に言う事がないので黙っていたのでエランは静かに戦場へと目を向けていた。

 戦場をずっと見ているエランを時間と風が通過して行くと,風がエランの髪を吹き上げて白銀色の輝きを散りばめる。すると黙り続けていたイクスが何かに気付いたみたいで声を発してくる。

「そういやよ,俺様達の活躍でかなりの数を減らしたのに未だに膠着状態だぞ」

 イクスの言う通りでエラン達がスフィルファを釣り上げる為にハルバロス軍の左翼最前線でディアコス軍の右翼に大打撃を与えて,エランに続くようにヒャルムリル傭兵団とハルバロス正規軍がディアコス軍右翼に突撃をしたのに,エランが見ている戦場では両軍ともどこも突破せずに最前線の部隊だけが戦っている状態だった。

 ハルバロス側としてはエラン達が減らしたディアコス軍の右翼を突破して,一気に敵本陣にまで行きそうな勢いが有っただけにイクスには不思議に思えた。もちろん,その事はエランも気付いていたからこそ口を開く。

「たぶんだけど,ケーイリオン将軍はこのまま右翼を突破しても本陣にまで辿り着けないと考えてる」

「何でだ?」

「予備兵力」

「なるほどですよ,ディアコス軍はエランが打ち破った右翼の兵を補う為に予備兵力の全てを右翼に向かわせたですよ」

「そう」

 介入してきたハトリの言葉を肯定するエランにイクスが再び声を発して会話を続ける。

「そういう事かよ。ってか,あの総大将様はそこまで読んでやがったな,それで次は俺様達に敵総大将を討ち取れなんて契約を持ち出したんだな」

「たぶんイクスが言った通り,スフィルファを打ち破った勢いのまま突き進んでも騎兵が多いディアコス軍なら早く立て直せる」

「それにしても少し変ですよ」

「何がだよ?」

「エラン達がせっかく勢いを付けたのにハルバロス軍は全く活かしてないですよ。ハルバロス側としてはせっかく勢い付いたのに攻め上げないのは不自然ですよ」

「そういや,そうだな。俺様達の活躍でせっかく優位になったのに,その優位を捨ててるようにも思えるぜ。まったく,あの総大将様は何を考えてんだが」

「それを確認する為にここに来た」

「あぁ,そうかよ」

 そう言って再び黙り込むイクスとハトリ。今はイクスとハトリもエランが何を考えているのか分からずに探っているような状態だ。だからこそ黙り込むのだが,時間と風だけが流れていく。すると突如としてエランが口を開く。

「主力が居ない」

「どういう事ですよ?」

「ハルバロス軍は次々と主力を戦場から撤退させている」

「なんでそんな事をしてやがるんだ?」

「……決着を付ける為」

「おいおい,まさかよ。明日には総攻撃を掛けるから今のうちに戦力を温存して回復させようって事かよ」

「可能性はある」

「確かにエランの言う通りですよ。エランが明日には敵総大将のカンドを討ち取りやすい為に今のうちに戦力を温存して回復させる事は充分に考えられるですよ」

「なるほどな,そう考えれば筋は通るな。けど総大将様は何で決着を急ぐような事をしやがるんだ?」

「……エランはどう思うですよ」

「エランに流しやがったな」

「ならイクスが答えてみるですよ」

「あぁ,無理だな」

「威張るなですよ」

「次に備えて」

「次だぁ」

「まだあるですよ」

「うん,まだ可能性だけ」

「そういや,あの総大将様は俺様達の働きによっては次の仕事を頼みたいって言ってやがったな」

「どれだけ成果を上げれば気が済むのかですよ,エランは充分な程に戦功を上げているですよ」

「たぶん爪痕を残すまで」

「爪痕ですよ?」

「まだ可能性だから断言は出来ない」

「まあ良いだろうよ,それだけ俺様達が働けば,しばらくは路銀に困る事は無いんだからな」

「確かにイクスの言う通りですよ。けどですよ,ずっとハルバロス軍に居る訳にも行かないですよ」

「その心配は無い」

「どうしてですよ?」

「私達が傭兵として参戦してるから」

「なるほどですよ」

 納得するハトリ。それも当然だ,傭兵というのは契約によって戦いに参戦する兵士という事は言わずとも分かる事だ。そして契約を必ず成し遂げないといけないという規約は無い。つまりエラン達から契約を破棄したいと言い出せば,契約を破棄する事が出来るからだ。もちろん,その場合は報酬金が雇い主によっては支払われない場合もあるし報酬金を更に出すから引き続き戦ってもらいたいと説得される場合もある。

 どちらにしても長引くようならエランからいつでも契約を破棄する事が出来るが,先程の話でエランは契約する時間がどの程度に成るのかをしっかりと聞いている。そしてケーイリオンは一週間と答えたからにはケーイリオンの頭には一週間以内に決着を付ける筋書きが出来ているという事だ。それを思い出したからこそハトリはすんなりと納得したという訳だ。

 何にしてもエランには敵総大将討伐という契約が有る限り,エランとしても出来る限り速やかに敵総大将のカンドを討ち取って次へと進めたいからこそ,今はこうして戦場を見ているという訳だ。少しでもケーイリオンの戦略を見抜く為にエランは再び戦場を見詰めると再び暇になったハトリはすっかり時間を持て余し,イクスも同じで黙り込む事にした。

 かなり早い時間でスフィルファを倒した為にエランはじっくりと戦場を見る事が出来たが,少しばかり空腹感が出て来ると隣に居るハトリは腹を軽く擦っていた。すると聞き覚えがある声が聞こえて来たので,エランが声の聞こえた方へと顔を向けるとレルーンの姿が見えた。

「エラン,や~っと見付けたよ」

 そんな事を言いながら丘を登ってくるレルーンに視線を移すエラン。その一方でレルーンは少し疲れた様子で丘を登るとエラン達に合流するして呼吸を整えた後に口を開き出す。

「エラン,ハトリ,イクスをずっと探してたんだよ」

「何で?」

 相変わらず素っ気ない疑問をぶつけるエランを全く気にする事なく,レルーンは陽気な声で言葉を放つ。

「もちろんお昼を一緒に食べようって誘う為だよ」

「そう,それで甘味は?」

 レルーンの誘いとなるとやはりエランは食後の甘味がよっぽど気になるのだろう。レルーンの誘いに答える前に真っ先に甘味があるのかを尋ねるのかは甘味好きのエランらしいと言えばらしい言葉だ。そんなエランにレルーンは笑顔を浮かべて答える。

「もちろん有るよ,食後の甘味はうちの売りだからね」

「いつからそんな商売を始めたですよ」

「あははっ,いつからだろうね。それはそうとエランはどうするの?」

「甘味があるのなら言葉に甘えさせてもらう」

「エランの甘味好きは底が無いですよ」

「うん,甘味は神の果実」

「どこの神話ですよっ!」

 エランの言葉にハトリは反射で言葉を出したのだが,それがよっぽど面白かったのかレルーンは思いっきり笑うと少しの間だけ笑い続けた後に笑いが収まるとやっと会話を続けてくる。

「それじゃあ今日も私達と一緒って事で良いよね」

「今日だけではなく一区切りつくまで厄介になりたい,甘味が有る限り」

「あははっ,エランらしい言葉だね。けど,いつになったら一区切りつくのか分からないと思うけど」

「約一週間」

「なんで断言が出来るの!?」

 エランの言葉にレルーンが驚いているとエランの隣に居るハトリが大袈裟に溜息をついてから会話を続けてきた。

「詳しく話してると長くなるから省くですよ,エランはスフィルファ討伐の証拠をケーイリオン将軍に持って行ったら次の契約がすぐに成立したですよ。その時にケーイリオン将軍が一週間ぐらいで区切りを付けると明言したですよ」

「へぇ~,そうだったんだ。まあ詳しい事は食後の後にでも聞かせてもらうとして,私達の天幕に行こうよ」

「いやいや,ちょっと待てや,レルーンの姉ちゃんよ。そもそもヒャルムリル傭兵団は最前線で戦ってるんじゃなかったのか?」

「あ~,その事か。なんか分からないけどね,私達も含めてハルバロス軍のほとんどが後退するように命じられたの。しかも私達には今日は出陣する必要は無いから明日に備えて英気を養えって,そう言われたんだよね。だから私達も少し困惑してるけど,休めと言われたなら休んでおく方が得だから今日はゆっくりする事にしたの」

「随分と呑気な理由ですよ」

「あははっ,確かにね」

「しかも認めやがったぞ,この姉ちゃんはよ」

「否定しても意味が無いからね。それに休めるのならエランと一緒なら良いなと思ったからこそ,エラン達を探してたんだよ。それにさっきハトリが言ってた事にも凄く興味があるし,それも詳しく聞きたいな~」

「そう言われても困るですよ」

「話なら後でも出来る,だからレルーン,行こう」

 今まで黙っていたエランが昼食と食後の甘味を得る為に促して来たので,レルーンは軽くそうだねと言ってエランの隣に並ぶとエランは食事と食後の甘味を食す為に歩き出すのだった。



 昨日と同じくヒャルムリル傭兵団の最も大きな天幕にまで歩いてきたエラン達はそのまま天幕に入ると既に中央でくつろいでいたカセンネが手招きしてきたのでエラン達は招かれるままにカセンネの元へ行くと円形に座った途端にレルーンがカセンネに向かって話し掛けた。

「団長,団長,エラン達はこの戦いに一区切りつくまでうちを頼ってくれるみたいですよ。これで私達もエラン達と一緒に一儲けが出来るよ」

 よっぽどエラン達が頼ってくれた事が嬉しかったのか早口でそんな事をカセンネに告げるレルーン。そして聞いていたカセンネは軽く息を吐いてから口を開く。

「分かったからレルーン,少しは落ち着きな。それとエラン,ハトリ,イクス,改めて歓迎するよ」

「うん,歓迎される事にした。甘味が有る限り」

「エランはよっぽどここの甘味を気に入ったみたいですよ」

「はははっ,理由はなんであれエラン達があたし達を頼ってくれるのは嬉しいものさ」

「ここの団長様もよっぽどエランを気に入ったみたいだな」

「まあ,今日は特等席でエランの戦いを見られたんだ。それだけでも気に入るのには充分な理由になるだろうね」

「そりゃあそうだ,俺様達にかかればあの程度は楽に倒せるってもんよ」

「この駄剣がまたしても調子に乗り始めたですよ」

「このクソガキが,俺様の活躍を否定するってか」

「否定はしないですよ,けど補足はするですよ。今日の戦いで活躍したのはエランとイクスとですよ」

「けっ,褒めるなら素直に褒めやがれ」

「エランはともかくイクスは素直に褒める気になれないですよ」

「このクソガキがっ!」

 イクスの怒鳴り声と共にレルーンを含めた周囲に居るヒャルムリル傭兵団員から笑い声が上がる。やはりイクスとハトリの会話には笑えるモノがあるのだから自然とそうなる。そんな賑やかな場所でエランも瞳の奥に笑顔を浮き彫りにして楽しんでいる。するとカセンネがエランに向かって話し掛けて来た。

「そうそう,エラン達の食事もうちの団員達が取りに行っているからね。今日の功労者はのんびりと座ってな」

「うん,ありがとう」

 相変わらず短い返答を返すが,カセンネはそんなエランの返答を聞いても軽く微笑むだけだ。だからエランは厚手の布が敷かれた地面に座りながら両手を真上に伸ばして背筋も伸ばしてスッキリするとすぐに両手を膝の上に置いてくつろいだ。

 エランがくつろぎだしてから少しだけ時間が経つと食事を持って来た団員達が次々と天幕の中へと入ってくる。そして真っ先に団長と副団長であるカセンネとレルーンが居る所,エラン達が居る所にエラン達の食事を含めた分まで持って来たのでエランとハトリは団員から食事を受け取ると膝前に置いた。

 それからエランとハトリはいつも通りに両手を合わせた時だ。突如として天幕の入口に仕切りとして使われている布が勢い良く舞い上がると一人の人物が入って来るなり大声を出した。

「エランは居るかっ!?」

 と,大声を出していきなりエランを尋ねてきた者に団員達は驚き,エランはゆっくりと振り返って,その人物を見るのだった。




 さてさて,なんか九月になった途端に調子を崩したみたいで九月の半ばに更新をしようと思っていたんですけど,結局はこの様ですよ,これが。まあ,何にしても無事に更新が出来て一安心しているのと同時に月末までにはもう一話を書き上げて更新しようと頑張っている次第でございます。

 それにしても,今回は随分と会話シーンが多い話に成りましたね~。まあ,この方が分かり易いと思ったのでこうなりましたけど,如何でしたでしょうか? 気が向いたらで良いのでその辺の感想もお待ちしております。

 さてさて,第二章も中盤に入った所と言えるところまで来ましたね~。ってか前半だけでもかなりの文字数になったと思うのですが,これからの事を考えると本当に総文字数がもの凄い事になる事は分かりきっている事ですよね~。まあ,私としては長くするつもりは無いんですけど書いてるとね,ついね。まあ,いつも通りの私の作品と思えるから私的には良しと思っております。

 さてはて,今回はあまり書く事も無いと思うので,ってか更新が遅れた部分を取り戻す為に,これから第八話を書き進めま~す。そんな訳で,そろそろ締めますね。

 ではでは,ここまで読んでくださり,ありがとうございました。そして,これからも気長なお付き合いをよろしくお願いします。更に感想もお待ちしておりますので気軽に書いてください。

 以上,月に二回の更新をするという予定を守る為に必死になっている葵嵐雪でした。



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