第十三話
白銀色の魔力がエランから発せられるのと同時にエランの背中から生えた翅が神聖とは違うが,どこかしら神秘的な雰囲気を作り出していた。それにイクスから生えた白い翼が更にエラン達を触れてはならない程の神聖な者に思わせて言葉を失っていたのはハトリとイブレを除いた全員だ。そんな中でイブレの隣に立っているストブルだけがイブレの冷静さに当てられた訳ではないが,エラン達の姿を見ていながらも平然としているからこそストブルはいち早く自分を取り戻すのと同時に思った。
これ故に白銀妖精と呼ばれているんですか。口に出して問い掛けても良いと思う事だが,ストブルにとっては今のエラン達の姿を見ただけで納得するだけの要素をエラン達が雰囲気として発していたからこそ問い掛けるなどという野暮な事はしなかった。逆に言えば,今のエランが成している姿は白銀妖精と呼ぶに相応しいと思えるからこそストブルは無言のままに納得していた。そしてもう一人,やっと平常心を取り戻した人物が居た。それがカイナスだ。
カイナスはエラン達の変化に驚き雰囲気に呑まれていたものの,すぐにエランは倒すべき敵だという事を思い出してフレイムゴーストの炎を燃え上がらせながらも警戒するようにフレイムゴーストを構えていた。そこまでの雰囲気を出して一時的ではあるが敵すらも呆然とさせたエランはというと,右下に構えた一対の翼が生えたイクスに語りかけていた。
「イクス,ずっと上から行くよ」
「んっ,ずっとか?」
「そう,続ける」
「あいよ,分かったぜ」
イクスは分かったとは言ったもののエランが考えている心底までは分かっていなかったが,エランがそうすると言ったからにはイクスは共に戦うだけなのだから理由は戦いが終わった後で良いと今は目の前で炎の大蛇に囲まれているカイナスを斬る事に集中する。そんなエラン達が短い会話をしているうちにカイナスもすっかり自我を取り戻して先程と同じように戦闘態勢に入っている。そしてエランはイクスとの短い会話を終えると自ら動き出しがその動きすら常人には理解が出来ない程の動きだ。
突如としてエランの姿が消えた。周囲で戦いを見ていた者達には,そんな風に見えただろうがハトリとイブレだけはしっかりとエランの姿を目で追っており,カイナスは今までの戦闘でどこから来るのか何となく分かっているのでエランの攻撃に備えるが,それよりも早く上空からエランが落下してくる。
エランは消えたのではなく,只単に跳び上がっただけだ。まあ凡人の目では追えない程の速度で上昇していた事は間違いないだろう。そこからエランは右下に構えていたイクスを振り出すとイクスは何もない空間を円形に進んで行き三回転して,イクスの刃が丁度エランの斜め上に来た時だ。エランが落下速度を急上昇させて真下に居るカイナスの背中を目掛けて急降下を始めてイクスの刃がカイナスに迫った。
エランの気配と急降下してきた事を察したカイナスは前に転がるように避けるが,エランは今までと違って炎の大蛇を突き破って,確実にカイナスを斬り伏せる距離で落下してきたのだからカイナスは転がった身体をすぐに起こして更に後方へと跳んでエランとの距離を取った。そしてカイナスが体勢を立て直す頃にはエランもゆっくりと体勢を戻していた。
急降下して着地したエランは着地の衝撃を和らげる為にイクスを地面に叩き付けるように振るうのと同時に左足を大きく曲げながら下げる事で落下した衝撃を身体に伝わらないように左膝を地面に付ける程に曲げて,右足は逆に立てて体勢を保つ為に右膝を曲げながらも右足はしっかりと地面に接していた。そんな軽く座っているような状態からエランはゆっくりと立ち上がるとイクスを再び右下に構えた。だが,戦いに長けた者なら誰しもが感じる違和感をカイナスですら感じていない事に気付いたイブレがカイナスに目を向けた瞬間,またしてもエランの姿が消えた。そして今度は連続攻撃に出るエラン。
着地した瞬間には急上昇して再び急降下で前後左右どころか四方八方の上空から急降下して迫って来るイクスにカイナスは避け続ける事が精一杯になっていたどころか,時折イクスの刃がカイナスに届いて掠り傷を付ける。カイナスとしてはエランの速さに慣れていたと思っていたが,今のエランは先程とは比べものにならない程の速度で跳び上がり,急降下してくる。攻撃としては単純だがカイナスはフレイムゴーストに頼りっきりにならないとエランの攻撃を避ける事が出来ない状態にまで追い込まれていた。そんなカイナスとエランの姿を見ながらイブレはある事を思う。
エランの速度にまったく追い付けていない,これは時間の問題だね。それにしてもエランは本気を出したのにも関わらず単純な攻撃を続けている事に疑問を持っているのは僕だけかな,と考え思っていた。そう思うのもイブレがエランの真なる実力を知っているからであり,イブレはエランの姿を目で追いながらエランがどの能力をどれくらい出しているかを確かめながら改めてエランとイクスの能力を確認するかのようにイブレは思考を働かせる。
エランの剣であるフェアリブリュームはいつものように能力を発揮して見劣りなんてしない,イクスの剣であるオブライトウィングもしっかりとエランの動きに合わせて能力を発揮してるね。そうなるとエランは何かを狙っているのかな……フレイムゴーストを手に入れた時の為に,とイブレがそんな事を思っていると自然とエランの剣やイクスの剣と呼んでいた能力を思い出す。
フェアリブリュームはエランの剣であり,エランの能力とも言える力だ。そんなフェアリブリュームの能力は体重変化と跳躍操作だ。体重変化は文字通りに体重を自由に変化させる事が出来る。軽くしたい時は体重が軽くなり,重くしたい時は体重が重くなるのが体重変化だ。これだけを聞くと大した能力には思えないだろうがエランの戦い方であるデスティブを用いるにはかなり適している能力とも言える,特に今のように空中から攻撃を仕掛ける時には。
何度も言ってきたかもしれないがデスティブの基本動作は円形運動,中心点であるエランが軸としてしっかりしていれば,簡単に言うと重ければ重い程に安定して速い速度でイクスを振るう事が出来る。そして上空のように軸がしっかりと取れない時には空中での姿勢制御がものを言う。つまり空中では姿勢制御がしっかりとしていれば身体が軽ければ軽い程に素早く動く事が出来る。簡単に言ってしまえばエラン程の身体制御を保っていれば空中だと体重が軽ければ軽い程に速く,的確に動く事が出来る。それこそ縦横無尽にだ。
この戦いでもエランは体重変化を続け様に使っている。それはエランが持っているもう一つの能力である跳躍操作にも同じ事が言える。跳躍操作は簡単に言ってしまえば自分の跳躍力を自由に変える事が出来る能力と言える。エランが前触れも無く消えるように空中に舞い上がれるのも跳躍操作で自らの跳躍力を上げているからだ。どの位上がるかと言えば,今のエランで例えるならば足首の動きだけで跳ぶだけでカイナスの炎の大蛇よりも遥か高くと舞い上がれる程だ。これだけでも充分に凄い能力だという事が分かると思うがエランはイクスを持っている事も関係してくる。
以前にイクスが別の剣に変化したように翼が生えた時点でイクスは全く別の剣として変わり,有していた能力も全く違うものに入れ替わっていたと言える。そして今のイクス,オブライトウィングの能力は軽量化と加速。軽量化は文字通りにイクスの切れ味や強度を変える事なく,重さだけが軽くなる能力であり,エランが片手でも今までよりも速い速度でイクスを振るう事が出来る程に軽くなっている。そしてもう一つの能力。
加速,と文字にしただけでは詳細な事は全く分からないだろう。この加速の能力を詳細に説明をするとこうなる。オブライトウィングの加速能力はイクスから生えた翼から魔力を放出して押し出す力を生み出し,エランがイクスを振るう速度を加速させる能力と言えば分かり易いだろうか。つまり加速の能力はオブライトウィングを振るう速度を何段階も一気に上げる事が出来る能力だ。
イクスの軽量化と加速という能力を聞いても大した能力には思えないかもしれないが決してそんな事は無い。持っている剣がかなり軽くなるだけでも攻撃の速度が上がるがそこに加速の能力で更に上げる事が出来る。つまりオブライトウィングの最大な特徴は目にも留まらない速度で剣を振るえる事が出来る点だ。そんなオブライトウィングとフェアリブリューム,この二つの剣の能力を同時に使っているのだから今のエランが凡人どころかそれなりの達人でも目で追う事が出来ない程の速さで攻撃を繰り出しているのだから今のエランは能力を使い熟しながらスレデラーズだからこそ出来る速度での攻撃を行っている。とは言っても少し分かり辛いと思うのでエランの最初に行った攻撃を例に上げて説明するとこうなる。
エランはまず体重変化で身体をかなり軽くすると跳躍操作で飛躍的に上がった跳躍力で先にも言った通りに足首の動きだけでカイナスの炎よりも高く舞い上がった。そして目的の高度に達するとエランは体重を数十倍に増加させて一気に浮力をゼロにした。次の瞬間には再び体重を通常の数十倍に軽くしてほとんど落下しないようにした。軽い物でも重力に従って一定の速度で落ちるがエランは身体を広げるように伸ばして空気抵抗で落ちる身体を空中に留めた。ここらかイクスの能力も関わってくる。
空中に浮き上がっている状態に成ったエランは直ぐさまイクスを振り抜いて,そのまま空中で三回転すると狙いを定め為の移動と同時に回転する事で攻撃の勢いを得る事が出来る。そして最後にはカイナスの背後にまで移動したエランは一気にイクスを振り降ろし出すのと同時に体重を一気に増加させた。
体重増加により空気抵抗で舞い上がっていたエランの身体が一気に降下する。そこに振り降ろしたイクスが一気に加速の能力を噴出するとエランが降下する速度が更に増した。そしてカイナスの背後取っていたのでそこに急降下しているエランの周囲には空気の膜が出来た為に炎の大蛇に突っ込んで行ってもエランの身体には何の支障も無い。こうしてイクスの刃がカイナスの背中に迫った。
このような攻撃をエランはずっと続けており,変化していると言えば攻撃を加える方向だけだ。だからこそイブレは疑問に思ったのだろう,これだけの能力を有していれば単純に上空だけの攻撃だけではなくて他にも攻撃方法がある,だがエランはそれをしない事に。そして考えて答えが出たのだろう,エランと同じ答えが……。
エランが地面に足を付けているのは僅か一秒程度で残りの時間は空中に居る。そこからカイナスを目指してイクスを振り降ろしているのだが,掠り傷程度の傷を負わせる事が出来ても決定的な一撃を入れる事が出来ていないのは確かだ。それはエランも分かっているからこそ凡人なら攻撃方法をまたは戦術を考えるところだが,エランにそんな気配は無いままに再び空中に舞い上がっていた。そんなエランとは正反対にカイナスは心底から追い詰められているような気がしていた。
フレイムゴーストの力を使えばエランの攻撃を辛うじて避ける事が出来るが反撃の手段はカイナスには無かった。だからだろう,防戦一方の現状でも苛立っているのにエランが本気を出してからというものエランは時折フレイムゴーストの炎を斬り裂いてからカイナスに攻撃を仕掛けてきた。今までここまで深く攻撃を入れて来なかったエランの攻撃だけに速さも然る事ながら深さには全く対応が出来ずにいるので浅いながらもいくつも傷を負う事になった。このような状況が更にカイナスから平常心を奪っていっている。そんなカイナスの心境を分かっているのか,違うのか分からないがエランは攻撃を続ける。
空中で回転をしてカイナスの姿を真正面に捉えると右上に構えていたイクスを振り降ろすのと同時にエランの身体も急降下して行く。途中で炎の大蛇をエランの身体が分断すると今度はイクスの刃がフレイムゴーストの炎を斬り裂いていく。そのまま急降下を続けるエランが着地するとカイナスは大きく退き,イクスの刃はカイナスの右腕を浅く皮膚を斬り裂いた為にエランの瞳に少量の飛び散る血が映ると何か感じるものがあったみたいだが考えるのは後にして次の行動に移る。
エランは体重操作で一気に身体を軽くすると着地した時に地面に付けた右足と膝を曲げて爪先だけが地面に接している左足に力を入れると,跳躍操作で一気に跳躍力を上げて左足で地面を弾くのと同時に曲げていた右足を伸ばして一気に上空へと舞い上がり,炎の熱すら届かないところで一気に上昇を止めるとすぐに動かずにほぼ真下に居るカイナスに視線を向けて僅かな瞬間だけ思考を巡らす。
追い詰めてる,後は反撃を考えていれば行ける。反撃を待っているという事は普通ならば反撃からの逆襲を狙っているように思えるが,それはエランの考えとは全く違うものだ。何にしてもカイナスが反撃を考えているのならばエランの攻撃を避けてからでは遅い事はカイナスも分かりきっている事だ。そうなると考えられる方法は一つだけだがカイナスがそこまで考えているかは今のエランには分からずに攻撃を続けるしかないのでエランは再び攻撃の為に身体を回転させる。その一方で地上に居るカイナスはというと。
マズイ,避けるのも限界だ。かと言って,あの速さでの一撃離脱だとまったく打つ手がねえ。と考えており,反撃どころか現状を打破する糸口さえ掴めていなかった。唯一出来る事は上空に居るエランの姿を捉える事だが,上空でもエランの動きが速すぎてカイナスの目では辛うじてエランの動きは見えなくても姿を捉えるだけで精一杯だ。そんなカイナスにエランが反撃を期待しているとは誰も思いもしないだろう,ただイブレだけを除いては。そんなカイナスに向かって再びエランが急速に迫る。
フレイムゴーストが放つ炎も既にエランには効かないどころか無視が出来る程の代物にまで落ちていた。なによりフレイムゴーストの炎を斬り裂きながらイクスの刃がカイナスを目掛けて振り降ろされているのだから,燃え盛る炎などは既にエランにとっては脅威でも無ければ避けるまでもない代物にまでなっているからこそ,エランはフレイムゴーストの炎を全く気にする事なくイクスを振り降ろした。そして次の瞬間だ。
一瞬よりも短い刹那の瞬間にカイナスの動きが遅れてイクスの刃がカイナスの左足を斬り裂いた,とは言っても軽く皮膚を斬り裂いたに過ぎない。エランが本気を出してから幾つもの掠り傷を付けているのだから不思議ではない,と思えるがエランはそうとは思わなかった。そんなエランが動きを止める事なく再び空中に舞い上がると素早く思考を巡らす。
疲労している,なら次で行ける。と素早く結論を出したエランは空中に舞い上がりながらもそうなった経緯が自分の誤算である事に気付いた。
エランが本気を出す前からカイナスはエランの動きに対応が出来ずに大きく動いた時が幾度かあった。そしてエランが本気を出すと全力で避け続けた事がカイナスの体力を大きく削り,動きを少しずつ鈍くしていった。その証拠としてエランが本気を出してから少し経つとイクスの刃が届いて掠り傷程度だが確かな傷をカイナスに与えていた。エランはイクスの刃が届いたのは自分がそれだけ速く動いていると思っていたからだ。もちろん,それもあるだろうがカイナスの疲労までは思いも寄らない誤算と言える。だからこそエランはイクスに語りかける。
「イクス,次で終わらせる」
「おうよっ! 一気に斬り伏せてやろうぜっ!」
「うん」
空中に留まりながら短い会話を交わすエランとイクス。相変わらず景気の良い声を聞いたエランの瞳にはイクスに鼓舞されたように覇気が色付くとイクスを振り出して回転を始めると,三回の回転で次の攻撃態勢を整えた。再びイクスを右上に構えるとイクスを振り出してイクスの刃がエランの右上にまで達すると体重操作で一気に体重を重くするのと同時にイクスの加速で急降下を始める。
エランの身体が再び炎の大蛇を分断すると目の前にフレイムゴーストの炎が迫ったのでエランは更にイクスを振り抜いてフレイムゴーストの炎を今までにない程に大きく斬り裂くのと同時に炎を斬り裂いた勢いを殺さない為にそのまま縦に一回転する。
カイナスから見ればフレイムゴーストの炎が斬り裂かれた事で炎の切れ間から自分に迫って来ているエランの姿を目の当たりにする。そんなカイナスの瞳に映ったエランの姿はイクスを右上に大きく構えながら空気の抵抗で白銀の髪を大きく広げており,空中に止まっているかのように見えた。そんなエランの姿を目の当たりにしたカイナスの身体が反射的に動き出す。
エランはそんなカイナスに向かって思いっきりイクスを振り降ろした。
次の瞬間にはエランは音も無く地面に着地しており,イクスを左下にしながら止まっている。急に動きを止めたエランに今まで成り行きを見守っていた盗賊達とストブルが息を呑むように静まり返る。するとフレイムゴーストの炎が一気に消えて完全なる静寂が訪れる。
静寂が支配する広場でエランが立ち上がるのと同時にカイナスは音を立てて地面へと倒れ,右手からフレイムゴーストが転がり落ちる音が鳴り響いた。そして盗賊達の視線はカイナスに一斉に向けられると倒れたカイナスは右肩から左横腹まで斬り裂かれており,一気に広まる血溜まりに動く事無く,目を見開いたままにカイナスの服がカイナスの血によって染まっていく。
勝敗は決して戦いは終わった。だが未だにカイナスが敗れて自らの血溜まりに身を沈めている事に信じられないと言葉に出来ない盗賊達。そんな盗賊達と同じくストブルも戦いが終わった事がまだ信じられないでいたが,そんなストブルに対してイブレが声を掛ける。
「ストブル君,仕事だよ」
「へっ,えっ,仕事とは?」
未だに現状を信じられないとばかりに放心状態のストブルが気の抜けた返事をするだけはなく,自分がやるべき事すら忘れている状態にさすがのイブレも大きく息を吐いた後に広場の入口,というよりも自分達が入って来た通路を指さしながら気を取り直して声を掛ける。
「戦いはエランの勝ちだからね。君は今すぐにでも洞窟の外で待っている仲間にカイナスが死んだ事を伝えるべきだろうね。速くしないと盗賊達が騒ぎ出して貯め込んでいる盗品を持っていく輩が出て来るよ」
「あっ,はい,そうでした。それでは一度失礼します」
ストブルはイブレに素早く一度だけ敬礼すると入って来た通路に向かって走って行った。そんなストブルを見送ったイブレもさすがに溜息が出るのもしょうがないと言わんばかりだ。そしてイブレ達と共に居たハトリは既にエランの元に駆け寄っていた。
「エラン,左腕は大丈夫ですよ?」
エランの元に駆け寄るなり,すぐさまエランが唯一傷を負っている箇所を心配するような声で尋ねるとエランは平気とばかりにハトリの頭の左手で優しく撫でる。数回程ハトリの頭を撫でるとエランは手を離して先程まで戦っていたとは思えない程の優しい声でハトリの問い掛けに返答する。
「大丈夫,掠り傷だからすぐに血は止まったし傷跡も残らない程度の傷」
エランがそのような返答をするとハトリは嬉しげな笑顔をエランに見せるが,すっかり状況を忘れていると言わんばかりにイクスが声を発して来た。
「おいおいお前らさ,俺様達が盗賊共に取り囲まれているのも同然な事をすっかり忘れているぜ」
「そういえば忘れてた」
「即答で肯定かよ」
「イクスは只単に大声を出して盗賊達を脅したいだけですよ」
「こっちはこっちで早速嫌味かよ」
「嫌味ですよ,それがどうかしたですよ」
「頭にくる言葉で返すな」
「イクスのどこに頭があるですよ」
「ハトリっ! いい加減に俺様をおちょくるのを止めやがれっ!」
遂には叫びだしたイクスに思いっきり笑うハトリ。一方のイクスも大声を出した事で冷静になって舌打ちのような声を発していた。そんな中でエランの瞳には穏やかで優しい風が吹いているかのようにハトリとイクスのやり取りを見ていたが,それが終わるとエランはやっと本来ならすぐにやるべき事をやっと始める為にイクスに話し掛ける。
「ならイクス,残っている盗賊達をお願い」
「あいよ,任せときな」
「やるからには思いっきりビビらせるですよ」
「へっ,言われるまでもねえ。お前はそこで黙って聞いてやがれ」
「それとハトリはフレイムゴーストをお願い」
「はいですよ」
イクスとハトリに指示にも似たような言葉を発したエランは広場の中央を目指して歩き出して,大体中央辺りに立つと先程の漫才で少しだけ冷静さを取り戻しつつあった盗賊達がエランに注目する。周囲からの視線を受けながらエランはイクスを真上に向かって掲げるように持つとイクスは思いっきり大声を発する。
「聞こえてやがるな盗賊共っ! お前らの頭は俺様達が倒して今では永遠におねんねだっ! 敵討ちならいくらでも相手になってやるから掛かってこいっ! ビビってチビってる奴はさっさと居なくなりやがれっ! どちらにしてもお前らの頭が俺様達にやられた時点で焼却の盗賊団は壊滅だっ! 後は俺様達次第で全滅させるか逃がしてやるかだぞっ! さあ,どちらが良いか選びやがれっ!」
イクスが威勢の良い声を響かせると盗賊達は一斉に逃げ出した。盗賊達も分かっているからだ,今までの成功があったのは首領であるカイナスが居たからで,そのカイナスを倒した者と戦おうと思う者などは誰一人として居なかった。それだけ盗賊達はカイナスの力が分かっていた証拠でもあり,そんなカイナスを倒したエランはバケモノに見えても不思議ではないだろう。特に剣が喋って脅してるところなどは普通ではない事は良く分かる。その為に盗賊達は我先にと広場から遠ざかる出口へと殺到した為に狭い出入り口は盗賊達で大渋滞になっていた。
エランは周囲の光景を見るとイクスを下ろして右肩に担ぐとイクスから生えている翼が丁度顔の横に来ているので少しくすぐったく感じていたが,そんな事を感じさせない無表情のままに立っているとハトリがフレイムゴーストを持ってエランの所にやって来るのと同時にイブレもまたエランの所に歩いてきて到着するなり口を開いてきた。
「さすがイクスだね。あれだけ脅し叫べばカイナスを倒したエランに飛び掛かって来る者なんてまったく居もしないね」
「はんっ,当たり前よ。エランはそういうのが苦手だからな俺様がそういう事をやってやらないとな」
「とか言っても自分が叫びたいだけですよ」
「それも違いねえな」
「調子に乗りまくってるですよ」
イクスの言葉を聞いて顔をしかめるハトリにイブレは微笑みを浮かべるとエランの瞳にも微笑みが宿った。それからイブレはやるべき事をエランに伝える為に口を開く。
「さて,盗賊達が大混乱しているうちにエラン,フレイムゴーストをイクスにね」
「うん,分かってる。イクス,戻って」
「おうよ,ようやくご馳走だからな」
そんな言葉をイクスが放った後にエランはイクスを右手だけで持って前に出すと,次の瞬間にはイクスから生えていた翼が弾けるように消えると周囲に翼の羽が広がり,雪のように地面に舞い降りながら消えて行った。それからエランは左手をハトリの方に出したのでハトリは持っているフレイムゴーストをエランに渡した。そしてイクスとフレイムゴーストを並べるとイクスが輝きだした。
イクスが白銀色の輝きを放ちながら元の姿から溶けるように動き出すとフレイムゴーストを包み込み,エランがフレイムゴーストを手から離しても落ちない程にイクスが包み込むと,そのままフレイムゴーストの全てを包み込んでから元の姿に戻って行った。そして完全に元の姿になると放っていた白銀色の輝きが消えるのと同時にイクスが感動したかのような声を発した。
「美味い,美味すぎる,本当に美味いものには余計な言葉は要らねえな」
「そもそもイクスの感想自体が要らないですよ」
「このガキが,今の俺様は気分は良いから許してやらあ」
「調子どころか図に乗ってきたですよ」
「ぎゃはははっ,いくらでも言いやがれ,今の俺様は全く気にしないぞ」
フレイムゴーストを食らってすっかり上機嫌になったイクスには何を言っても無駄だと感じ取ったハトリは大きく溜息を付いた後に周囲を見回したが,目に映る光景は我先にこの場から逃げようと無様すぎる逃走劇を繰り広げている盗賊達だけだった。そんな光景を目にしてハトリが口を開く。
「もう私達の出番は無いみたいですよ」
「確かにね,少しはエランに飛び掛かってくる者が居ると思っていたけど,この状況を見る限りはすっかり首領のカイナス頼みで焼却の盗賊団が保てていたようだね」
イブレが続け様にそのような事を言ってきたのでハトリは今まで疑問に思っていた事をエランに尋ねる。
「そういえばですよ,エラン。相手の実力を見ても早く本気を出しても倒せたと思うですよ。なのになんで時間を掛けたですよ」
ハトリがそんな問い掛けをするとエランは身体から力を抜こうとするが,何かに気付いたエランがハトリに向かって口を開く。
「ちょっと待って,このままだと身体が休まらないから」
「あっ,そうでしたですよ」
エランの言葉が何を意味しているのかすぐに分かったハトリが肯定するような言葉を発するとエランは集中すると流れ出ている白銀色の魔力を留めると口を開いた。
「納刀,フェアリブリューム」
エランがその言葉を口にした瞬間にエランを包み込んでいた白銀色の魔力が弾け飛ぶように消えると,背中から生えている翅が崩れるように翅の欠片が地面に向かって落ちながら消えて行った。そしてエランの背中に生えていた翅が全て崩れ落ちるとエランの身体から力が抜けて楽な体勢で立つとエランは先程の問い掛けに答え始めた。
「理由は二つ,一つは時間稼ぎ。ハツミの騎士団が焼却の盗賊団から盗品を取り返したいのなら先行した私達より到着するのが遅くなると思ったから」
「確かに折角カイナスを倒しても貯め込んでいる物が盗まれたままだと領主様の顔が立たないですよ」
「うん,もう一つは決定的な弱点を見付けたから。見付けたと言ってもイブレの話を聞いてからずっと考えていたんだけどね。フレイムゴーストが私の左腕を斬り裂いた時に確信を得たから確実に斬り伏せる為に弱点を突いた」
「スレデラーズであるフレイムゴーストに弱点があるとは思わないですよ?」
「もちろんフレイムゴーストに弱点があるのか私も未だに分からない。分かっているのはカイナスのような使い方をすれば弱点が生まれるという事だけ」
「つまりカイナスの使い方に問題が有ったですよ?」
「うん,あの使い方はまったくフレイムゴーストの特性を理解していない使い方。つまりカイナスはまったくフレイムゴーストを使い熟せていなかった」
「そうなのですよ」
「やっぱり,そうだったんだね」
今まで話を聞いていたイブレがハトリの言葉に続いて会話に入って来た。そしてイブレの言葉を聞いただけでもエランが言いたい事が分かってるようにも聞こえるのは間違いではないだろう。そんなイブレがエランに確かめるように会話に加わる。
「フレイムゴーストは防御不可の剣と言われていたからね。これは逆の立場になっても同じ事が言えるみたいだね」
「うん,そう」
イブレが会話に入って来たのですっかり短い言葉に戻ったエラン。まるで代わりにイブレに説明して,と言わんばかりに黙り込んでイブレに話を続けるように促してきたのでイブレは仕方ないとばかりに微笑んでから話を続ける。
「フレイムゴーストの特性は防御不可の攻撃,これを可能としているのはフレイムゴーストが炎を纏っている時だけだろうね。炎の熱で刀身の強度を保ちながらも刀身を溶かして,鎧や盾のような堅い物には水のように溶けながらも刀身は繋がってる。そして肉体のように柔らかい部分だけを斬り裂きながら炎で燃やす。つまりフレイムゴーストは溶けながらも繋がっている剣と言える」
「だからイクスとフレイムゴーストが交差した時にフレイムゴーストの切っ先が私の手甲を溶けるようにすり抜けて,溶けていない先端部分が私の左腕を掠って行ったから私は腕に傷を負ったけど,イクスがフレイムゴーストを斬り裂いた場面をしっかりと目にする事が出来た」
「それこそがカイナスが使っていたフレイムゴーストの致命的な弱点だと言えるだろうね。イクスが炎に包まれているフレイムゴーストを斬ったのだとしたら,それを利用した攻撃が出来るからね。その為にエランは本気を出してカイナスを疲労させて動きと判断能力を鈍くしたんだ」
「カイナスがあそこまで疲労して動きが鈍くなるのは予想外だった。最初は隙を見せて反撃をしてきたところを斬り裂くつもりだったけど」
「と,エランは言っているですよ」
「ははっ,さすがにエランが予想外だった事までは僕でも見抜けないよ。けどカイナスが疲労で動きが鈍くなっている事に気付いたから仕掛けた事は間違いないだろう,エラン」
イブレが笑って誤魔化した後に確認するかのような言葉をエランに向かって放ったのでエランは頷いてイブレの言葉を肯定した。そして何事も無かったようにイブレは再び話を続ける。
「エランはワザと大袈裟にフレイムゴーストの炎を斬り裂いて自分の姿をカイナスに見せたんだ。すぐに次の攻撃が来る事を知らせる為にね。そこでカイナスは自然とそうした行動に出たのか,判断能力が鈍っていたのか分からないけど炎を纏っているフレイムゴーストでエランの攻撃を防御しようと前に出してしまった。だからエランはカイナスを斬る事が出来たんだ」
「分かってきたですよ。つまりフレイムゴーストの攻撃は防御不可ですよ,そしてフレイムゴーストで防御をする事も不可能ですよ,つまり防御不可という訳ですよ」
「まあ,そういう事だね。フレイムゴーストが鎧や盾を溶けて避けるのと同じく,振るわれた剣も溶けて避けてしまう。カイナスは思わずエランがイクスを振るう姿を見てフレイムゴーストで防ごうとして前に出したんだろうけど,そのフレイムゴーストをイクスが通過してカイナスを斬り裂く事になった。と,こんな所で良いかい,エラン?」
イブレは確認するかのようにエランに話を振るとエランは一度だけ頷いてから口を開いてきた。
「うん,イブレが言った通り。追加で言うとしたら,カイナスは最初からフレイムゴーストに炎を纏わせていたから,もっと早く確かめる事は出来たけどハツミの騎士団が間に合っていないと肝心な所が欠けるからじっくりと確かめた。その結果としてカイナスが疲労する事になったけど,逆に言えばそれだけフレイムゴーストの能力に頼り切っていて自分の持久力を計算に入れてなかった事も確かだと思う」
「良い道具に溺れる典型的な例ですよ」
「ぎゃはははっ,まったくだな」
エランの言葉を聞いてハトリがそんな事を口にすると上機嫌なイクスが思いっきり笑いながら肯定してきた。それからイブレは気になっている事が有るので説明が終わった所でその事について話を切り出した。
「それでイクス,フレイムゴーストの能力はどうだい?」
イブレがそんな問い掛けをするとすぐにイクスが答えてきた。
「あぁ,こいつは能力系の剣だな。もっと詳しく知りたいんだった丁度良く誰も居ないのと同然だから試してみたらどうだ?」
「……それが一番良いね,エラン,行けるかい?」
少し考えたイブレが尋ねるとエランは頷いてイブレ達から少し離れるとイクスを真正面に構えてイクスに魔力を注ぐ。そしてエランはイクスに短い言葉を放る。
「イクス,フレイムゴースト」
「はいよ」
イクスが返事をした途端にイクスが白銀色の輝きを放つと今度はエランが握っているイクスの柄に白銀色の光が集まり白銀色の炎と化して燃え上がった。とは言っても炎の勢いは強くなくイクスを握っているエランの手を包み込むように炎が立って揺れている程度だ。だが見た目としてはエランの手も炎に包まれているのだからハトリが思わず聞いてくる。
「エラン,手は熱くないですよ?」
「うん,熱くないけど心地良い程に暖かい」
フレイムゴーストもスレデラーズの一本で有る為に自らの炎で所持者を燃やしてしまう様な欠陥品ではない事が確かだが,初めて目にすると反射的に思わず聞いてしまうのが自然だろう。それはハトリも分かっていたからこそ聞きはしたものの心配は全くしていなかったが言葉に出てしまったと言ったところだ。そしてエランはというと。
イクスを握っている右手に燃え上がっている白銀色の炎をずっと見ていたが,何か思い付いたように顔を上げるとハトリとイブレに向けて口を開く。
「ちょっと炎を大きくするから気を付けて」
フレイムゴーストを持っているエランは大丈夫だとしても少し離れた所に居るハトリとイブレにはフレイムゴーストの炎が有効だからこそ,エランがそんな事を言うとハトリとイブレは更にエランから距離を取り,エランはそれを確認すると柄が燃え上がっているイクスを両手で持つと集中するかのように目を閉じる。そして次の瞬間には炎が一気にエランを包み込む程に広がった。
イクスは相変わらず柄だけが炎を発しているがエランの身体はまるで燃えているかのように白銀色の炎が燃え立つが,そんな炎に包まれた中でエランはゆっくりと目を開けたのでイブレが口を開いてきた。
「エラン,フレイムゴーストはどんな具合だい?」
イブレがそんな問い掛けをするとエランは視線を下に向けて自分の身体を包むように燃えている炎をじっくりと観察するように見ると,今度はゆっくりと視線をイブレに向けてから返答してきた。
「完全に理解した」
「どんな風に?」
「フレイムゴーストには思った通りに感覚にも似た感知機能を持っている。五感とは違って炎が発する熱が及ぶ範囲の空間を認識できる,まるで見て触るような感じ」
「なるほどね,てっきり炎で感知していると思っていたけど熱となれば厄介だったね」
「うん,多分だけど,そこまで気付いていなかったと思う」
「あの焼却の盗賊団首領カイナスがだね?」
イブレがわざわざ丁寧に名前を並べて質問するとエランはただ頷くだけで言葉を発しようとはしなかった。それどころか自らの身体を覆っている炎を消し去って再びイクスの柄とエランの右手だけが炎に包まれている状態に戻ってしまった。そんなエランに今度はイクスが声を発して来た。
「理解した事だしフレイムゴーストで試し斬りでもやってみるか,なあエラン?」
「必要無い,攻撃能力についてはさっきの戦いで理解してるから」
「そいつは残念,ついでだから炎をド派手に燃やして何かを斬りたかったんだがな」
「イクス,戻って」
「はいはい分かったよ」
エランの言葉に素直に従うイクスから白銀色の炎が揺れて少し大きく燃え上がるとそのまま消えて行った。炎が完全に消えると未だに調子に乗っているイクスが続け様に声を発して来た。
「久しぶりにスレデラーズを手に入れたからな,今夜は盛大に宴会と行こうぜ。あの領主様の奢りでよ」
「イクス,調子に乗り過ぎ」
「たまには良いじゃねえか,俺様が久しぶりにスレデラーズを食らう事が出来たんだからよ」
このように調子に乗っているイクスにハトリが溜息を付いているとエランが突如として顔をある方向に向けたのでイブレもそちらに目を向けると,そこにはエラン達が入って来た広い通路が口を開けていた。その通路の奥から様々な音が鳴り響いていた。
甲冑の靴音に馬が駆ける音に車輪が大地を転がる音,こうした音が広場に繋がる通路の向こうから徐々に大きく成ってくる。その事に気付いたエランは通路に背を向けて歩き出したのでハトリとイブレもエランに続くがエラン達には何が起こっているのか既に分かっているからこそ,あえて広場の端にまで歩いて行った。そしてエラン達は広場の端に立った。するとエランがイクスに短く話し掛ける。
「イクス,戻って」
「はいよ」
イクスが短く返事をするとエランはイクスを右手だけで持って右上に上げると,エランが右手を開いた瞬間にイクスは空中で半回転すると刀身を少しだけ出してエランが背負っている鞘に収まった。そんなイクスが声を発してくる。
「それにしても音だけでこれだけ響くとはな,かなりの人数だけじゃなく馬までもかなりの数になるぞ」
そんなイクスの言葉を聞いてイブレが軽く笑いながら口を開く。
「それは当然だろうね。なにしろハツミを覆っていた暗雲が今し方切り開かれたのだからね。ハツミの者としては気合いが入っているのは当然だからね」
「そいつはどうも,まっ,俺様達はまだまだやれるけどな」
「私は終わったのなら甘い物を食べてお風呂に入りたい」
「……」
イクスの気力を砕くような言葉を発したエランにさしものイクスは返す言葉が無かったので黙り込んだ。そんな時を見計らった訳ではないが大勢の軍勢と荷馬車が広場の中に勢い良く入って来た。
さてさて,なんとか一ヶ月以内に更新する事が出来ました~。まあ翌月から数えてからの一ヶ月以内ではなく翌月以内という意味だけどね。まあ更新が遅れただけに言い訳をしておこうと最初っから言い訳をかましました。
さてはて,何にしても無事に更新が出来て安堵しております。まあ,更新速度がもう月刊誌並の早さだけど,それだけの文字数と内容だから大丈夫だよね。と,勝手な解釈をしたところでそろそろお知らせする事を書きましょう。
それでは,第一章は次回で終わる……予定です。まあ,文字数がかなり多くなったけど内容とか面白さとかは読者の皆様がそれぞれに感じてくれれば良いと思っておりますけど,予定通りに進むと次回の後は遂に第二章に突入だっ!! プロットは終わってないけどねっ!!(血の涙)
そんな訳でプロットとの同時進行になると思うのでしばらくは月刊誌並の更新速度で行かせてもらいます。いや,なんかもう,さすがにプロットも中盤に差し掛かった所だけに最後までプロットを一度でも書かないと私の小説はちと同じような事を繰り返してしまうのでプロットだけはしっかりと書いてから本編を書きたいので,その辺はご理解の上で気長なお付き合いをよろしくお願いします。と切りが良いのでそろそろ締めましょうか。
ではでは,ここまで読んでくださり,ありがとうございます。そしてこれからも気長なお付き合いをよろしくお願いします。
以上,定期購入している加州清光が届いたので少し気分が舞い上がっている葵嵐雪でした。




