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落し物のその先は?

ジャングルって蒸し暑いなぁ。


「ラル殿。あと少しで謎の集落に到着します。ご注意下さい。」

ライナスの声に、額の汗を拭う。


何でみんな楽勝っぽいのかな。

かなりの距離を俺だけが、ヤーンの背中に乗ってきたはずなのに、疲れてんの俺だけって…


「ラル。村らしきものが見えたぞ。」


確かに村らしきだな。

だいぶ原始的な感じがするし。

全てを木で作られた家々とは。それにたった数日で作ったのは誰だろう。


ちょっと用心しながら進んでたはずなのに??

何で誰もいないのかなぁ。


「おーい、みん」


俺の声掛けはそこでストップ!


囲まれました。。


でも、これはどういう事なのか。

囲こんだ全員で土下座って。


更に周りには気配を感じた仲間達が集まってきたが、誰も動けない。

敵か?味方か?

いったいどういう事かと尋ねようとしたその時。


「創造主さま。ようこそお越し下さいました。」


??


誰?


俺がキョロキョロすると、全員の視線が俺を見た。

いや、違うから。

創造主って。

女の子と手を繋いだデートの夢しか見た事のない前世持ちの俺にそんな甲斐性はないから!!



「相変わらず、斜め上の思考だな。

この者達は、お主が持ち込んだ魔木の進化系よ。

進化の素も蒔いただろう。」

ヤーンのやれやれという雰囲気に、一気に全員の緊張感が解ける。


魔木って。

あー、能力の種の所為なのか??


おー、ヤーンだけじゃなく、カエル(雲の神さま)まで頷いてるし。

あれ、幻獣達のを真似て作った奴だよな。

確か…



「創造主さま。我らもおります!」


上空から、沢山の羽音と声が聞こえてきて見上げると翼人間達がバサバサと降りてくるところだった。



えーまたですか!

全員が降りるや否や跪いたよ。


一人進み出ると俺にお辞儀をして爆弾発言をしたし。


「初めまして。

我らこの世界に住む鳥でございます。

あの干ばつに卵の姿にて耐えておりましたところ天から素晴らしい助けが参りました。

創造主さまの薬や種だと、この魔木たちに聞き感謝の意を示したいと待ちしておりました。」


凄いナイスバデーの美人に微笑まれてあんまり聞いてなかったけど、俺の『万能栄養剤』とか、『能力の種』のお陰って事かな?

しかし、鳥が鳥人間に進化したって事だよね。


跪いた全員で頷くと、怖いよ。

美男美女って迫力あるからな。


「泉へ向かいませんと、夜になります。

こちらへはまた参りましょう。」

コーティの言葉に、鼻の下を伸ばしていた俺は、ちょっと残念に思いながらも先へと向かう。



実はジオラマで確認出来ない泉には、異変が起きているようなのだ。


進みながらも、今の出来事をハロルドとコーティが話し合う。


「さすがはラル殿の『能力の種』威力の凄さに改めて驚きを感じました。」とコーティ。


「まあ、ラルだからな。

俺も慣れたと言いたいところだが何故だか毎回驚かされるんだよ。

エドがいつも規格外だと呻いていたのを思い出した。奴さんの苦労の一端を知ったから帰ったら一杯奢るさ。」と、ハロルド。


「この世界は、画期的な発展を遂げるでしょう。ただ、もしかしてまだ地中に『無限大』からの落し物があるかもしれないとそれを危惧しています。」

おー、コーティ流石の指摘!

まあ、何入れてたか全く覚えてないからな。

仕方ないかぁ。


「ふー。泉に落としたものが気になるな。

あの2つの種は物凄い力の持ち主だとジェルド達が何回も繰り返してたからな。」


二人は今回は、ゴウライと留守番。


ヤーンの背中に乗って進むんで泉に近づくと異様な雰囲気に驚く。


泉の近くには一切木々がない。


そう、あの泉の真ん中の大木とクネクネのみ留まっているだけか。

泉は、澄んだ水を湛えた姿が美しいけど。。


あれ?泉の底に今、何か見えるような気がするんだけどな。


「ラル。次元の裂け目はまだ隙間があるようだ。

だからここだけ森が枯れてるのだ。

必死にあの二本の木が守っているがそれも長くは持たない。

何とかしないとな。」

ヤーンの言葉に全員に緊張が走る。


だけど、俺だけはちょっとうわの空で。

必死に泉を覗き込む。

いや、あの底に見えるのはたぶん…



「ラル!ラル!

危ない!!!落ち」

ハロルドの声が途中で途切れる。

何故なら…



ドボン!!



落ちました。

いやー、自慢じゃないけどカナヅチですよ。


た、助けてーー!!



泉はなぜか渦が巻いていて吸い込まれるように底へとグルグル落ちていく。

そこで意識は途絶えた…



意識が途絶える直前に思うのは、泉見えたあの姿。



エド…危ない!!




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