ランド族との出会い
仄かな明かりが顔を照らしている。
こんな柔らかな明かりっていいなぁ。
そんな事を思っていると、人の気配に振り向いて驚いた。
ここどこ?えっ??
小人??
あー、ホワイトアウトして穴に落ちて…
な、仲間は?
キョロキョロと見回してホッと一息。
気を失ってはいるけど無事みたいだ。
「やれやれ、やっと起きたか?
寝不足なのか?」
当たり前だろ。めっちゃ支度して…ん??
ヤーン。
そうか、助けてくれたのか?
「違うぞ。私ではない。この者達が居なければ今頃皆凍りついておるわ。」
ヤーンの足元を見てびっくり!!
可愛い小人達は、不安げな表情でこちらを見つめているじゃないか。コロボックルみたいだなぁ。
一人進み出て俺に話しかける。
「初めまして。我々は土の精。ランド族と申します。こちらのヤーン様から伺いました。
ラル様は神懸かったお力をお持ちとか。
お願いします。どうぞこの世界に、我々にお力をお貸しください。」
一斉に頭を下げるランド族の皆。
うー、ヤーンめ。
なんで何もしてないうちからハードルを上げるんだよ。めっちゃ期待の眼差しが痛いよ。
おっ。なんか自慢げな顔でヤーンがこっち見てるし。反省してないな!
褒めないよ。そんな顔したって。
「今回は助けて頂いてありがとうございます。
我々は、次元を超えて来た者達です。
ヤーンの言うほどの力などありませんが、お力になりたいと思います。」
俺も頭を下げて挨拶した。
おー、何か半笑い??
「ラル様。その様なお力をお持ちでご謙遜を。
我らとて精霊の端くれです。貴方様が普通の人間ではない事など承知しております。
しかしお言葉有り難い限りです。どうぞお願いします。」
ふ、普通の人間だよ。何人間の枠から外そうとしてるんだよ。ちょっと不安になるだろうが。。
「ラル殿、仕方ありませんよ。
ですが我々にもそろそろご紹介下さい。
この度は助けて頂きお礼申し上げます。
我々は異次元から来ました者達。ラル殿とヤーン様共々微力ながらもお手伝いして参りたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。」
いつの間に…
コーティだけでなく皆目覚めていたみたい。
ランド族からの返礼もありいよいよ本題に入る。
「この世界は、地中は我々が地表は水の精霊が治める平和な世界でございました。
それがある日突然、猛吹雪に見舞われ地表の者達はこの地中に逃げて参りましたがそれもそろそろ限界。
このままではお互いに共倒れも近いと。」
猛吹雪。
これがカギだな。しかし水の精霊は?
「水の精霊達は行方不明に。
どこへ行ったのか。無事なのか。何も分かりません。ただ、吹雪は東の方からきているようです。」
ここまでで、ヤーンが一言。
「地表には私とこのラルの力で狭い範囲なら、吹雪を止められるが。やってみるか?」
確かに。ヤーンが吹雪を一時的に止めてくれれば方法はあるな。
「では、私とハロルド殿でこちらの状況把握と食糧配布など行います。」
コーティ。
「私は、地中を偵察する。」おっゴウライ。
土竜族の地中での力は、凄いからな。
地中を1日で数百キロ進み、地中での分析などもお手の物。さすがだよ。
ライナスと偵察隊に決まる。
あまりの急展開に呆然とするランド族をよそに、全員が動き出す。
俺はヤーンの背に跨って地表へ躍り出る。
『オーーン!!』
猛吹雪が顔に当たり痛みに目を閉じたその時、ヤーンの遠吠えがしたと思ったら吹雪が止んだ。
ヤーンの苦しそうな顔にあまり長くは持たないと理解して急いで展開する。
『収納』『火魔法フェールゴ』『万能肥料』
火の魔石をばら撒きながら雪を全て収納する。
火魔法で温度管理して、柔らかな暖かさが辺りに充満したところに肥料を撒きその影響で一斉に草木が芽吹く。
ここまで数分で行う。
さすがにキツイな。
ジェルドがまた改良した『万能肥料』はやっぱり違うよ。凍りついた木々が生き返るんだから。
ん?
俺たちの飛び出した穴からランド族が、次々と出てくる。
唖然とした表情だけど、その中に笑顔を見つけて自己満足に浸る。
第一歩は成功だな。と。
だが、その後の偵察隊からの報告にまた驚く事になる。
「次元の裂け目がある。そこに水の精霊が捕らわれてる。」と。




