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備蓄の食料を作れ!ーララ視点ー

「頼むよー。ララしか頼れないんだよ。」


「頼むよー。」のラルに弱い私が悪い。

だから無茶振りでもつい、「分かった。やってみる。」なんて言ってしまう。

でも、ラルの頼む食べ物は全く新しいものばかり。まるで研究者になったみたいに台所へ篭る日々だ。


「ほら、これをラルから預かったよ。」

最近は、加工部で働くチルはラルのお使いを良く任される。

今日は、何かしら?


「なんか、葛だとか言ってた。これから『砂糖』とか取れるとか??」


飴作りに悩んでたのを何で分かったのかしら?

ラルはいつでも頼む時も唐突。本当に思いつきなのだと思う。

それでも、こうして手助けは絶妙なタイミングでだから苦労しても頑張ろうと皆に好かれるのよ。

私だって…


「な!出来たって本当?

わー、これ何味かな??」


苦労して出来た『オレンジ味の飴』

ラルの説明と葛とか言う新種の植物の根を使ってやっと出来たのだ。

今回は、1週間かかった。

これでも早い方なのだ。

なにせ『お握り』とか言うものの時は2ヶ月かかったから。


「マジ美味い!!ララは本当の天才だよ。

俺はララの手料理食べてれば幸せだーー!!

おー、皆んなに食べさせて来よう。」


あっ!

文句を言う暇もなく壺ごと持ち去る。

私だってまだ、味見してないのに。

美味しいものは、皆んなで食べると最高とか言う謎の信念で私の発明品を配りまくる。


本当は『ララ食堂』に直に卸したいのに。

私がエルドの街で始めた店は今では大変賑わっている。手伝ってくれる人も大勢いて私が忙しくても店は順調だ。

ラルに頼まれた数々の食べ物を出していたら評判店になったからびっくり。

これもラルのお陰かな?



あの『魔王の封印』の戦いから数ヶ月。

やっとラルに平和が訪れてホッとしていたのに。

また、『西の大森林』へ行くらしい。

危険があるのかエドが同行者を絞っていると噂がたつ。


しばらくして、ラルが私のところへいつものお願いに来た。

「冒険には、美味いものが必要なんだよ。

だからララのご飯無しでは俺は、出掛けられない。たーくさん頼むよ!」


慌たゞしいラルは、お願いをして返事なんか聞かないで駆け出して行く。

何でもギルドセンターに通い詰めてるらしい。

今更と、皆んなが笑うけどラルは真剣。

でも、私はそんなところがラルらしいと思う。


ため息をついて座り込む。

もしかして私が作らなければラルは、出掛けないかしら?

埒もない考えが頭をよぎる。


トントン。

珍しく扉を叩く音。

エドだわ。


「お邪魔するよ。忙しいところかい?」


私は首を横に振る。


「頼みがあるんだ。ラルに分ける食料とは別に俺の方にも少し調達してもらえないか?」


私は驚いて固まった。

だってエドは『食べられればいい主義』だもの。

どうして?


苦笑いで話すエドの返事に更に固まった。

了承の頷きを返すのが精一杯でエドが礼を述べて部屋を出たのも分からなかった。

あの後。

私はしばらく自失していたようだ。

エルザの「お腹減ったー!」の声でハッとするともう夕方だったのだから。


それから私は、猛烈な勢いで作りに作った。

空間魔法に入るだけ!!と。


数日後、ラル達は旅に出た。

危険な旅だとベルンに言われて残る者は皆不満そうだった。

選ばれたいと念願してたみたい。

私だって。せめてもう少し魔法のレベルがあれば…


「ララ。待ってる人がいるから帰ってくるのだよ。大丈夫。ラルだからな!」

ベルンの下手な慰めてに頷きながら部屋へ戻る。

課題の『カレーライス』に取り組む為に。




あの日…


「ラルはピンチに強い。

秘密は何だ?と尋ねたら

『ララのご飯のお陰』と。

実際、ララのご飯があるラルは最強なんだ。

今回は予測がつかない。

だから俺も備蓄しようとね。」エドの答え。


新たな冒険の為の食料をいつも通り祈りを込めて作った。

作りながらラルのいつものセリフが蘇る。


「食べ物は、愛情が一番!」



どうか…

どうかラルをお護り下さい…と。



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