魔人とか。マジかよ。
勇者と、その一行が魔王を倒したと3年くらい前に聞いたはずだ。
俺のいた村でも祝いに沸いていたから知ってるし。
だが、魔獣を操るとなると魔人しか考えられない。
魔人とは、魔王が作り出すもののはず。
この世界では、魔王の出現は数百年に一度くらいが通常。ではなぜ?
まさか…
俺は、考え事の片手間に畑を狙う魔獣を次々と倒す。核が取れる程度にボコボコにしてな。
そろそろか?
「姿を現せよ。
魔獣は粗方片付けた。お前さんの番だ。」
「これはこれは…
嫌な魔法の気配を感じてやってきたら、当たりを引くとはね。」
さっきから戦ってた魔獣は、ここいらの森では見かけないヤツばかりだ。
コイツの召喚魔法だろう。
さてと、コイツを逃すのは不味いからな。
一気にカタをつけるぞ!
「死になさい!!人間が!!
闇魔法 ランドルグ ーー!」
いきなりレベル4とは。殺る気に満ちてるな。
では、遠慮はなしで行くか。
「光魔法 バラエスーー!!!」
光魔法はちょっと不得意だが、レベル4でも魔石をちょっと使って一工夫したから大丈夫だろ。
「はは。これしきの光魔法など。。
??何だ。これは…光が纏わり付いて。。。
く、苦しいー!!
は、離れろ。。
あーーー!!!!」
あれ?
やっベー。完全消滅じゃなくて聞きたい事があったのに。
畑の修復が先だな。。
取り敢えずチートでっと。
粗方の核を拾いながら、畑の修復と魔獣避けの魔石の垣根を作ってたら日が落ちた。。
はー。
凝るとトコトンの性格が、不味いんだな。
魔獣避け用の魔石入りの石垣は、畑の周り約100キロ近くになったぞ。
内緒の筈の作業なのに、このままじゃ人に気づかれる、なんとかしなきゃ、な。
日も暮れて当たりが真っ暗になる。
「ただいま。」
「「「「お帰りなさい。」」」」
全員の合唱だ。良いもんだな…
「おい、コイツは誰だ?
なんでちゃっかり飯食ってるんだ?」
あちら側に夢中でつい、こちらの探索の魔法を切ってたから、気づかなかった。。
「よう!
あんた、スゲーな。
魔人を一瞬とはな。。
ここは、飯も上手いし気に入ったよ。
魔人を追いかけて退治に来たんだけど、今日からここに住むから、よろしくな!
あ、俺の名前は、」
慌てて止めた。
「待て待て、待てよ。
あんた何勝手な事言ってるんだよ。
あんたは確か勇者一行の…
そうだ!『鉄壁の守り』の異名を持つ。
盾のベルンじゃないのか?」
「へー。こんな田舎町まで知ってる人がいるなんてな。
俺は、ベルンだよ。
ただし、もう勇者一行じゃないから。
た・だ・の・ ベルンでよろしく!」
「いや、よろしくとかじゃないから!!
なんで、勝手に…」
「困ってたから、どうぞって。
私ですら、引き受けて下さる貴徳な方ですもの。
だから、大丈夫ってお伝えしておきました。」
プリモナって…本名は厄病神なんじゃ…
丼飯食べた、ベルンは勝手に部屋を決めて住もうとするし。。。静かな村ライフがーー!!
まさかの密偵か?
少し泳がすしかないか。。