それぞれの調査は?
『嘘付き神さまと約束の日々』
ある国に、突然襲ったつむじ風。
酷く暴れるその風に国中の人々が困っていました。
そこで街の偉い人は考えました。
このままでは、作物も育てられない。
そうだ!神さまにお願いに行こう。
人々はお腹を空かせながらも、一生懸命お供えをしてお祈りしました。
「神さま、どうかこの風を治めてください。」
神さまは皆にこう言いました。
「少し待ってくれ。風の神様へお願いに行ってくる。」
人々は、待ちました。
その間もつむじ風は、イタズラを続けます。
どれだけ経ったでしょう。
神さまは、帰って来ませんでした。
それでも待っていました。
ある日、作物もなく困り果てた人々は、神さまを待つのをやめました。
そこで、自分達で国を捨てる事にしたのです。
そして、ついに安住の地を見つけたのです。
皆んなはやっと幸せになれました。
ある日神さまは、久しぶりに帰りました。
でも、誰もいません。
そうして、今もあの国には、ひとりぼっちの神さまが住んでいるそうです。
終わり
結局、本からは直接ヒントは得られないので引き続き調査を続行する事になる。
そこで各方面にチーム分けをした。
煉瓦の色の組み合わせを研究するチームと、この本の意味を調べるチームで動き出す。
アナベルとドルーが本の内容を調査。
俺とライナスが煉瓦の謎解きでエドとナイゼは、他の可能性を探す。
ーアナベルとドルーの動きー
「ドルー殿。どう思われますか?」と、アナベル。
「この本は巧妙に隠されてた。なのに何故見つけられたのか。この辺にアガタ殿と対立する一派がいる可能性がある。その一派をアナベル殿に調査願いたい。私は神さまについての記述を今一度調べる。」ドルーの言葉で二手に分かれた。
アナベルは酒場を巡る。古来より酒ほど口を軽くするものはない。情報を探るには一番だ。
酒場の隅で気配を消して人々の話を聞く。
「なあ毎日が平和だなぁ。」
「ああ全くだ。これもアガタ殿のお陰だろうなぁ。そう言えばあの新しい奴らもそろそろ諦めたかな?」
「いや、うろちょろしてるよ。アガタ殿の言う通りにしないとはなぁ。馬鹿だなあ。」
「本当だよ。それこそアイツと同じ目に」
「ば、馬鹿!やめろ。お前の口の軽さはどうしようもないなぁ。」
アナベルは、ざわめきの中これくらいが限界と外へ出る。
次の調査対象は決まった。動き出す時だ。
図書館に限界を感じたドルーは聞き込みを始めた。
「あのー、この辺りに神さまをお祀りしているところはないですか?私こちらに来てまだご挨拶してないので。」
「あーないない。ないよ!」
あまりの拒絶に驚きながらも、あちこちの街で訪ねる。遂に聞けたのは一番東側にある街に小さな祠があると言う事。
見つけた。
ドルーは調査後テントへと引き上げた。ヒントを見つけたかもしれないと確信を持ちながら。
ーエドとナイゼの動きー
「エド。どうやって他の可能性を探すんだ?」
とナイゼ。
ちょっと不信感があるようだな。
まぁ、あのラルの言う事を無視して他を探すのには抵抗があるのだろう。だが、それには訳がある。
「あの子供の調査だ。
この事が大人にバレてる可能性がある。そうなると子供への危険が高まるだろう。
その時にはあの子を助け出さなくては。」
俺の言葉にナイゼが深く頷いた。
「さすが参謀長。それじゃあ俺は子供の親や親族の調査してくる。」
ーラルとライナスの動きー
「色別にまずは線を引こう。」
俺の一言から始まったパズル大会。
だが、単純組みの二人はすぐに行き詰まる。
するとライナスがびっくり発言をした。
「ラル殿。いかがでしょう。
俺がラル殿を抱えて空を飛びます。
ラル殿も上空から見てみては?」
鷹の目の能力者であるライナスが見つけられないのに無理と思った。
だが鳥になりたいと言う単純な俺の野望を止められず、結局頼む事とした。
ライナスが、安全ベルトみたいなものを付けて俺を抱えると空高く飛び上がる。
重くないのかなぁ。
「俺は元々軍人ですから。鍛え方が違います。
まあ、ゆっくり見て下さい。」
ニコッと微笑むライナスは、いつにも増してハンサムだなぁ、くっそー比べるのダメだ。
いつも腹立つだけだからな!
それにしても、俺の身長は伸びないなぁ。
上空からの景色では一つ一つの煉瓦なんて全く見えない。
ライナスの鷹の目の凄さに驚きながらただ楽しんでいた。
おっ!
なんか犬の絵に見えてきた!
あれは山かなあ。
空から見るものは、色々に見えてくる。
それにしても、だまし絵みたいで見ていて楽しいぞ。
あっ!
もしかして?
「ライナス!ライナス!分かったよ!!」
「危ない!!!」
俺が興奮して身を捻ったのと同時にライナスのバランスが崩れて、落下し始める。
こえーよー。
びくった俺がしがみついて状況は更に悪化!
「ラル殿、落ち着いて離して下さい!」
ライナスの叫び声は聞こえるけど怖くて出来ない。このままじゃ…
ライナスは力の限り羽に力を込めるが、ラルのしがみつきがどうしてもバランスを崩す。
その時!!
ぶぅーん。
小さな風の渦が身体を押し上げた。
驚いたラルが離した隙にライナスは体制を立て直して着陸する。
危機一髪だった。
その日の晩、それぞれの持ち寄った情報を集めて改めて会議を行った。
ヒントは出揃った。
その日の晩、テントの周りは風が強く吹いていた。ここに来て始めたの風の晩だった。




