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脱出不可??

アガタと名乗るその人(犬?)に案内されて街中に入る。

煉瓦造りの建物が建ち並ぶ様はヨーロッパの田舎の歴史的風景を思わせる。

あの森が現れてからまだ日も浅いはず…

考え事をしていたら、一軒の立派な家の前に着いた。


「さあ皆さん。ここは私の家です。どうぞお入り下さい。」


招き入れられた部屋は暖炉のある重厚な雰囲気の居間。

長いテーブルに全員が座っているとアガタ以外の人が沢山の飲み物を運んできた。


もちろん姿は犬。少し大きめな彼も二本足だけど何ら問題なくお盆を運ぶ。


「お口に合うと良いのですが、それとこちらもどうぞ。クッキーと言うもので焼きたては格別ですよ。」


飲み物に口をつけて固まる。

これ…紅茶じゃないか!


「ほう、ご存知とは嬉しいですな。私はこの飲み物が大好物でして。」

にこやかに笑う彼は、優雅に紅茶を飲んでいる。

違和感半端ないんだけど。


クッキーもめっちゃ美味しくて夢中になっているとエド達とアガタさんの話はだいぶ核心に近づいていた。


「ええ。ですから我々はすでに諦めた訳でして。

私の得た結論では脱出は不可能となりました。

残念です。」


意外にキッパリと物言うな、アガタさん。

柔らかな雰囲気とは異なり協力を断られた我々にここから少し離れた場所の提供をしてくれた。


「この道をまっすぐ行くと広場のような場所に出ます。そちらを皆さんでご自由にお使いください。なにか困った事があればお役に立ちますから声かけて下さい。」


うーん。親切なんだか突き放してるのやらよく分からん。

取り敢えず広場へと向かう。


整った煉瓦の道を少し行くと確かに運動場のような空き地があった。

早速。

「テント出すから。」

と声掛けてしてぽいっとな。


小さなテントにライナスの目が点。


「あのー。ここでは全員が入らないのでは。」

アナベルの遠慮がちの声。


「まっ取り敢えず入って入って!」

無理矢理皆んなを押し込んだ。


立ち尽くす皆んなに説明する。(当然空間魔法使用しました!)


「地下一階地上三階建の建物になってる。

因みにみんなの部屋は二階ね。

一階にある会議室に後で集合でいいかな。

あぁ、それと台所もあるけどララのご飯いっぱい持ってきてるから今晩はそれ食べような。」


エドが固まる皆んなを部屋に案内してる。

さて、俺も自分の部屋にと。




ーエド視点ー



「エド殿。ご存知だったのですか?人が悪い。」

案内してるとドルーから声がかかる。


「いや、全く。だがあのラルだ。これくらいならまだ驚くのは早い。あの万能君と言い研究室にこもってたからまだ隠し玉はあると思うぞ。」


全員のドン引く雰囲気を感じながら案内を続けるとアナベルとライナスから声がかかる。


「自分はここの地図作成で先に出ます。」とライナス。確かに作戦を立てるにしても地図は欠かせない。


「何か仕掛けがありそうな空だ。注意してくれ。」あの狸。何か隠している。


「私は他の街を偵察に向かいます。」

アナベルの発言に頼み事を付け加える。


「あのアガタを少し探ってきてくれ。但しかなりのくせ者だ。気をつけてくれ。」

俺の発言に頷くアナベルを見るとどうやら余計な指示だったようだ。

最初から要注意人物に入っていたのだろう。


「あのー。私も調査に出かけていいですか?」

後ろから声をかけてきたのはラースだ。

まあ、植物狂いと言ってもさ差し支えない植物馬鹿だから当然ここの未知の植物が気になって仕方ないのだろう。


「あまり長く行かないようにお願いします。」

アナベルのセリフに真面目に頷いて駆け出して行く。余程気になっていたようだな。


ため息をついてアナベルの一言。

「物凄く優秀な方なのです。勿論植物学者としてもですが、戦闘能力も代表のバイロンと変わらぬ程なので心配はありません。

ただ。」

珍しく言い淀むアナベル。


「時や場所を忘れるタイプだな。分かるよ、我が国にもいるから。」とライナス。


さて、俺も自分の仕事をしなければな。

サーチはラルに敵わないが周辺の調査くらいなら俺の能力で充分だろう。





作戦会議をしようと集まると、ライナスがジオラマをすでに広げていて驚いた。えー、いつの間に?

「上空には限りがあり、まだ行き止まりのある世界でした。物理的な力で外に出る事は難しいかと。」ライナスの報告。


「街の数は多くありません。住民は犬の皆さんのみ。穏やかな暮らしぶりで建物や雰囲気もアガタ殿のいらした街と変わりません。」

アナベル。


「未知の植物。これに尽きます。

私の知る如何なる植物とも違うと断言出来ます。

採取してきましたので、後程また報告します。」


ラース殿まで。

何。このチーム。はや!


「ラル。転移魔石はダメだ。試しに近場の生き物でやってみたが弾き返される。危険だ。

後、周辺に我々を探る如何なるものもないから安心してくれ。」

エド。転移魔石まで試したとは。


「アガタ殿を少し調査しましたところ、一つの単語が出てきました。『迷いの森を見つかるな。』と言う部下に対する命令です。」


『迷いの森』って…


ここがそれだよーー!!

と叫びたかった。



取り敢えず、何処へも連絡も取れず脱出も今のところ不可能となった。

こうなると『迷いの森』がヒントなのかな?



その時、俺の耳にだけ遠吠えが聞こえた。





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