廃墟現る!
俺が遺跡の前で立ち尽くしていると全員やってきた。
「これ、どうやってわいてきたんだ?」とエド。
え?俺のせいとかじゃないよ。
こんなスーパーマジック出来る訳ないだろ。
お?
皆んなの目も俺を疑ってるのか?
違う、違う。首を横に振って答えた。
「俺じゃないよ。突然地鳴りと共に砂の中から出てきたんだ。
ものすご〜く驚いたよ。
なあ、これがゼルの言ってた『写り込み』の何かじゃないか?
ほら、俺が見つけたし。な!
それにこの街見覚えのあるだろ?」
リーヴァイの肩に乗ったゼルが頷く。
「間違いありません。
今、長から連絡が入り新しい『写り込み』が起きたそうです。
結果から言えば、この廃墟に更に何か起こります。」
ゼルが何気なく言ってたけど、おかしな点があるし。連絡ってどうやって?
だいたい、今この廃墟見つけたばっかりなのにすぐに連絡来るとか。
「ふふふ。ラル殿には連絡方法が不可思議なのですね。
我々は皆様とは少し違う生き物なのです。
個々の生命体ではありながらも、思考や映像を共有している。
そう。
我々はある意味一つの生き物なのかも知れません。長の見たものは、私に。私の見たものも長にと。繋がり合うのが海月族。」
な、な、なんと。
海月って、地球でも不思議な生命体だったけどここでも同じか。
ある意味凄い生命体だよな。
もしかして、最高に進化した形なのかも。
「とにかく、我々はこの街を調査しよう。
ただし、今度は皆一緒で行動しよう。前回の例もある。また地下深くに沈み込むかもしれない。
用心は必要だ。」
バイロンの提案に全員で頷くとソロソロと街の中へ。
やっぱり、あの時見た街だ。
看板は、ボロボロだけど確かにあるし。
街並みも変化ない。
何とも言えない気持ちになって、振り返ると皆んな同じ心持ちだったようだ。
ゆっくり進んでいるとドルンが一言。
「この街には規則性がある。
建物は5軒づつ並んで建ち、道幅もどこも一定だ。太古にはかなり進んだ文明があったに違いない。」
整備された感じは、俺も同感だった。
だがエドの一言で緊張が走る。
「その進んだ街が廃墟となり、地下深く沈み込んだり、現れたり。
何か仕掛けがある気がする。」と。
全員が手に転移魔石を握りしめ、先に進む事になった。
街の中心部まで来て、あの噴水が消えてた事に気づく。代わりなのだろうか?
花壇のような跡がある。
緊張感とは別に何も起きないまま街を一周した。
このままでは、夜になる。
夜の砂漠は危険が更に増す。
オアシスへ戻ろうとバイロンの提案に皆で帰りかけた時、ポケットに手を突っ込んで気がつく。
そうだ。鏡拾ったよ。
エドに見せようと出した時!
手の鏡に日の光が反射して一本の光の筋が出来る。
しかも光はまた別の何かに当たって跳ね返り。
あっという間にいく筋もの光の道が街中を駆け巡る。
ひかりは反射の度に明るさを増しているみたいに、目が開けてられないほどになる。
どのくらい経ったろうか。
ゆっくり目を開いた俺の前に、廃墟は消え去って元通りのえの街並みが現れた!!
道には街路樹が緑を湛え、建前はどれも色とりどりで新しい。
あの看板も今、書いたばかりのようになっている。
ただひとつだけ違うのは、誰もいない事。
立ち尽くす俺達。
ピィーーーーー。
甲高い鳥の鳴き声がして遠くから鳥か飛んできた。
金色に輝く大きな鳥。
目の前の建物に止まったので全員で固唾を飲んで様子を見ていたら。
「ようこそ。我の街に。」と、鳥から聞こえた。
と思う。
「我が名はエルバド。時の中に棲むもの。」




