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再び階段を目指して?

振り出しに戻った俺達は、再びあの階段を目指してオアシスを出た。


だが、そこにあったのは唖然とする風景だった。


街が出現していた。

まるでずっとそこにあったかの如く。

しかも、見た事のない建物が立ち並び大勢の人が行き交い賑わいを見せる。

獣人も人族も同じく変わった服装だが、普通の生活をする人々には間違いない。

当たり前のような街の営みの風景にかえって混乱する。

しかし、行くしかない。

その賑わいの中へ恐る恐る足を踏み入れる。

しかし、何も変わらない。

誰もがどこかへと忙しそうに行き交うのみ。


ここでエドが気づく。

「おい、こいつらには俺達は見えてない。

いや存在すらしてないのかもしれない。

見てみろ!あの壁を。」


振りむくと家の壁に求人募集が貼ってある。

内容より驚いたのがその書かれているもの。

紙ではな、木で出来ている。

木の板に直接書いてあるなんて。


「エド殿の言われる通り。ここは確かに幻影の中でしょう。

しかも我々は、過去の風景に紛れ込んだようですね。

もしかしたら太古の昔、砂漠にはこの街があったのかもしれない。」


我々は、街中心部へ向かって歩いていると突然耳鳴りがして思わず耳を押さえて蹲る。

物凄い音に耳に痛みを感じて立っていられない。

何とか周りを見ると全員が同じことになっていた。


キーーーン。。。


耳鳴りが止んでようやく顔を上げてまた、驚愕する事になる。

あれほど賑わいを見せていた街はどこにもないではないか。

もちろん、街の住人もいない。

あるのは、ただ階段のみ。


いったい。

お互いに顔を見合わせるが誰も答えを出せない。


「思い悩んでも時間の無駄だ。先に進もう。」

エドの声で、ハッとして我に帰る。

気を取り直して、全員で階段へ向かう。

暗い穴のような相変わらず底の見えない階段だ。


同じ事を繰り返す訳にはいかない。

よーし。

進もうとする皆んなに声をかける。


「待ってくれ。このまま進んでも同じ事を繰り返すような気がする。俺にアイデアがあるから試させてくれ。」


俺は、空間魔法で大きな丸太を取り出して続けざまに『建設』をかけて出来上がり。


「ラル殿。これは舟ですか?」首を捻りながらコーティが尋ねた。


「いやソリ。」


「「「「ソリ?」」」」


「いいかい。こんな長い階段を降りるのは無理。

だから、階段を凍らせて氷で出来た坂道にしてソリで滑り降りる。

かなりのスピードが出るけど風魔法で調整して一気に駆け下りる。

さあ、乗ったらしがみ付いてくれ。」


俺の掛け声に全員がソリにしがみついた。


「行くぞ!!」


風魔法と水魔法を同時にかけ一気に駆け下りる。

あまりの速さで予定外の揺れが生じる。

左右からコーティとアナベルが同時に風魔法で

補助。

落ちると最早言うのが正しいスピードで下る。

ジェットコースターなんて目じゃない。

必死にしがみついていたらあっという間に一番底に着いた。


やっと目を開いた全員の動きがまた止まる。

それもそのはず。

地底には、見覚えのある街が眠っていた。

廃墟となってはいるが間違いない。

あの消えた街の姿だ。

ほら、あの求人広告の板が家の壁にあるのが見える。

字は全て消え去りあちこち欠けてはいたが。


あまりの展開に動揺しつつも秘宝の探査は続く。

廃墟の街並みはどこかそら恐ろしい感じがした。

俺は、サーチをかけつつ進むがそれらしきものは見当たらない。

みんなも同じなのだろう。

誰も一言も口を開かずただ、黙々と探し続けた。

街の中心部まで来ると噴水らしき跡がある。

砂漠の街に噴水とは違和感を感じて近寄る。


「見つけた!噴水の中心部にある!」

噴水の吹き出し口のところにドーナツ型の石を見つけた。微かに耳飾りが音を立てている。

間違いない。

興奮した俺の声に皆んなが近寄ってきたその時だった。


噴水から土が吹き出す。

手を伸ばした俺を押し返しながら、土は爆発的な勢いで吹き出す。

辺りは、見る間に流砂のような流れを作る。

見えているのに、届かない。

リーヴァイが得意の羽を広げて飛び立とうとすると、土のみならず風も吹き荒れ出す。


まるで砂嵐の有様に、既に立っている事もままならない。

このままでは秘宝どころではなく全滅だ。


『創造』


叫ぶ声と共に俺の手には小さな袋が。

袋の口を開けて一言。


『吸収』


口めがけて、土も風も怒涛の勢いで吸い込まれて行く。自分でやっておいて何だがこんなに上手く行くとは思ってなかった。

かなりの時間が経った気がする。

吹き出した全てをその袋に飲み込んで辺りは静まり返った。


空間魔法恐るべし。

袋の口を閉じながら一息つく。


ヘタリ込む俺の目に全員の無事な顔が見えてホッとした。


「なんと、お前の思いつきは確かに面白い。

ちょっと、変則的だが合格だろう。

いいか。そのリングこそが『永遠の石』だ。

持っていくが良い。」


いつのまにか蠍が噴水にいた。

じゃあ、あの土の噴水は幻なのか?街自体も?


ゆっくりと『永遠の石』に手を伸ばしてそんな事を思った。

仲間達も怪訝な顔で近づいて来た。


手にした瞬間。周りの景色が歪み出す。

身体ごと洗濯機にかけられてるような感覚が襲う。遠のく意識の中に蠍の声がする。



『再びこの地を訪れる時。魔王の封印場所への入り口への扉を開こう。

最後の希望は、託された。』と。





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