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エルドの街の攻防

ーベルンの独り言ー

予感は的中する。最悪の予感なんだが…


備えは万全とは言えない。しかし全力は尽くた。

機能すれば。



ーエルドの街の様子ー



「エルド緊急警報発令!魔人来襲す。

各人は担当部署に移動開始の事。」ルルドの御大の部下でアビーの声が住民の異動を指示。


各部署は忙しく動き回る。

当然、最高級の警戒態勢がひかれる。

全体的把握などはルルドの御大がリーダーとなりルルド商会の部下達がその下で実践に当たる。

緊急連絡もそのうちのひとつだ。



その連絡を受けて山手の住人代表のセシリーが動く。

住民のうち避難民に指定された者を地下通路を通って地下街へと誘導。


「落ち着いて。訓練ではありません。

何百回もやってきた事。落ち着けば10分で行動は終了します。」

セシリーの声は落ち着いていた。

慌てる事が最大の危機と何回も教わってきたのだから。


避難民以外は各部隊へと急ぐ。



街の住民は、あっという間に地下街へ移動。

ララが指示を飛ばす。


「決められた場所で待機をお願いします。

また、決められた担当部署に移動開始もお願いします。」


待機場所で休む者は、子供や年寄りなど弱者だ。

だが、テキパキと年長の子供達が寝床の準備を進め年寄りは防備用ジジンゾンを設置する。



加工部では、急ぐ者達で溢れていた。

大切な加工品や機器などは、地下街へと格納。

スイッチひとつで行う作業が多いのは、加工部の努力の結晶だ。

出来る限りの攻撃鳥を空に放つと自分達も地下街への地下通路へ。


農村部では建物自体を地下街へ降ろす特殊装置が作動する。ラルの作品。

家畜は避難が困難な為に、簡単避難方法を開発。

建物を地下街へと格納すると農村部避難開始。

呉々も家財や農産物を持っての避難は禁止されている。魔人来襲は、一瞬。

何度も繰り返された言葉だ。


ギルドセンターでは、ザィラード達が防具に身を固めSランク以上の冒険者を率いて、魔人来襲の場所へ向かう。

この日の為に、冒険者のレベル上げに専念した。

自身もSSランクに。

光魔法は、今や街の誰も叶わない。


グレタは、自身の部下を率いて学校の避難完了を確認。

街には戦闘員と魔人のみ。

他の街の住人全員が地下街への避難を完了していた。

(間に合った。訓練はこの日の為に。ベルン殿の努力は報われる。いや、そうしなければ。)



魔人は、50の数を超えて来襲。

攻撃鳥が空を黒く染めるほど放たれる。


地上ではジジンゾン。

戦闘員の攻撃が連続して放たれる。

全員にジェルドの様々な薬が完備されている。

魔力不足は無い。




ベルンは、戦いを見つめながら魔人を率いる者を見極める。

一際空高く見下ろすその姿に、探知機を当てる。

これも加工部の発明品だ。

レベル計測装置を改良。魔人のレベルも測定。


水魔法で氷を空高く伸ばしその先端に自分が陣取ると、敵の目の前に躍り出た。

瞬時に敵の火魔法が炸裂し、足場は崩れる。

その時には、彼の身体は敵の遥か上の位置へ。

風魔法を込めた魔石を投げて自身を飛ばすと同時に敵に氷の刃を打ち込む。


上空で繰り広げられる戦いは激烈を極めた。

本来なら人族などは、魔人にとって相手にはならない。

だが、様々な武器を糧にベルンが押し気味となる。気迫がひとつ一つの攻撃に込められる。


「ベルンが勝つな。」思わずルルドは呟いた。

それ以外の各所でも勝利は確実となって行く。


「まぁ、当然やもしれん。」

その囁きの瞬間には、空中に消える魔人の姿と傷だらけで地上へと降りるベルンの姿があった。



「怪我人は大人しくして下さい。」

街中は破壊の限りを尽くされたが、人的被害はない。しかも、魔人に一応の勝利を収めたのだ。

ベルンも少し休むべきとララに引き摺られる。


「だが、まだやるべき事が。」

ベルンが粘るがララは許さない。


「怪我人のやる事は万能薬を飲んで休む事です。

ましてや、万能薬と魔力補助剤の飲み過ぎでフラフラの方は休むべきです。

ラルが見たら。」


最後の一言で撃沈したベルンは、ようやく自室へ。


残ったのはワシとオーランド。そしてザィラードの3人だ。


「ここまで努力してのは本当に初めてです。ベルンさんの姿がなければ途中で挫けたと思います。」とザィラード。


「こんな俺にもやるべき事や出来る事がありました。

それに住民一人ひとりが、そう思ったと強く一体感を感じました。ルルドの御大の言葉通りでしたね。」

感嘆の声はオーランドだ。


「ふん。ワシの言葉はベルンの受け売りよ。

帰ってからのあやつは取り憑かれた者であったよ。ラルの信頼。それこそがヤツの最大のパワーであっただろう。

まあ、獣人の国の方でも攻撃あったという。

まだ、始まりに過ぎぬな。」


2人のため息を聞きながら、あの時言ったベルンの独り言を思い出す。



「何も聞かない。

俺の顔が変化した事も何も。

。。。

あれから、全てを俺に預けてラルはデジブルへ。

いったい、全幅の信頼に足る人間とは何だろう。

俺は。」


立ち尽くすベルンに掛ける言葉はなかった。

ヤツの答えがこれなのだろう。


ラルよ。エルドの街は皆で守ったぞ。


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