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鷹族との出会い

空から見た事のない羽の生えた人々がやって来る。

その、漫画やアニメとは違う本物の迫力に口がポカンと開き、隣のハロルドの肘鉄が入る。

地味に痛い。


鷹族の国「タヴィス」は、かなりの高山にあるとか。羽を持つ者のみに開かれた国。

代表は、確かリーヴァイだったはず。


「久方ぶりだ。バイロン、ドルン。」


降りたった鷹族は羽を閉じて二人と抱き合う。

外国式挨拶か。


長い金髪を後ろに一つに縛り、煌く雰囲気でちょっと押される。

なんか、天界の人っぽい迫力あるんだよな。


「紹介しよう。我らの国の救い主でラル殿と申される。リーヴァイ殿にお会いしたいと今回お願いしたのも彼だ。」


値踏みの視線があちこちから突き刺さる。

まぁ、うちのエドもハロルドも負けてないけど。


「初めまして。ご紹介に預かりましたラルです。

お会いできて光栄です。」


実はこの紹介挨拶はバイロンの指導の下練習したのだ。何でも儀式に煩いタイプとか。

獣人族でも最古の歴史を持つ鷹族は、独特の儀式文化を持つらしい。


「これがラル殿か。噂は予々。少年のような老練されたような。不可思議な人間だな。

其方は、異世界転生の者か?」


え?

俺の思考の全てが完全にストップした。

。。。


「鷹族の目は、特別なもの。二重にブレた其方の姿に違和感を感じてな。

して、此方に如何なる御用か?」


「リーヴァイ殿。まずは此方に。」

と案内するらドルン。


一行と改めて向き合って座る。

ようやく己を立て直しリーヴァイ殿にお尋ねする。


「魔人襲来の件はご存知と思います。魔人の事や此方の国の秘宝の事など、ご存知の事があればお教え下さい。」


今度こそ目を見てしっかり話す。

どうも、違う情報を知っていそうだな。


「なるほど。私の目を見て話すとは中々の胆力。鷹族の中でも、私の目はある魔力を有します。

所謂、嘘を暴く。そんな魔力です。

さて、お尋ねの件ですが当然ながら魔王の覚醒がかなりの段階まで進んでる。そんな状況だと考えています。

言い伝えでは、四天王のうち二人が出現したという事は、魔王の半分が覚醒した事を意味します。

そして、唯一魔王による破壊を防ぐ手立てが封印であるとも。やり方は不明ですが重要な情報がひとつ。」


ゴクリと唾を飲み込むと数回頷く。


「四天王を倒した者がいるのなら、其の者が唯一の封印の鍵となる。と。

即ち、ラル殿。貴方を置いて他にないのです。」


ガーン!

いや、他の表現が当てはまらない程ショック。

秘宝のある獣人こそが「倒す者」かと。

いや、単なる鍵だよね。

そう、そうだよ。


「ラル殿。お顔に全て出てます。」

バイロンの囁きにギクリ。


「さて秘宝の事ですが、獅子族と狼族の事は、まるで知りません。

鷹族に伝わる『掴む風』でしたら言い伝えがあります。

『目に見えぬものを見える瞳を持つ者よ。

目に見えるものに騙されてはその道に辿り着けぬ。

真の力に気づけるかは、試練の後に。』

これが我が方の言い伝えの内容です。

コホン。これは門外不出の事であるとご承知おきください。」


はっ!わざわざの咳払いの意味!


「この度の格別のご配慮に深く感謝致します。

門外不出である事をよく自覚して参ります。」


これで大丈夫かな?

いや、前世で嫌味なお得意様に咳払い魔人がいてさ。訓練って大事だね。


「ふふ。ラル殿は賢い方だ。

我々からも提案があります。

まずは、その秘宝特別部隊に我らの国の者を含めて貰いたい事。

次に最後の獣人の国『プラヌス』のアガタ様を訪ねてみるのは如何か。

ただ、アガタ様の海月族は特殊な一族。

滅多な事では出会えませんが。」


鷹族のリーヴァイ殿の内容のあまりの濃さに一旦中断する。バイロンとドルンにこれまでの説明を頼んで我々は退席した。



「どう思う?」

5人になったところで尋ねる。


「予想通りでした。まあ賢い一族ですね。まだ情報を持っている気がします。

海月族の事は特にそのように感じました。」

と、ハロルド。


「私もです。」無口なナイゼも同意。


「おい、ゼノンも何か気がついた事はないか。」

と、エドが逆に聞いた。


ゼノンは、マチエレ村からオーランドと来た人間。今回エドが是非にと抜擢したんだけど。


「では。

鷹族の皆さんは、全てかなりの高齢の方。

これが意味する事を考えました。

ひとつの仮定ですが、彼らもまた魔人の来襲を受けたのではないかと考えます。

もう一つ。

プラヌスの国は、彼らの国の近くにあるような気がします。

ただし、その国に入るには困難な条件がありそうですが。」


おー、何という分析力!

あ、有り難いなぁ。


「俺も、同意見だ。しかも、リーヴァイ殿は怪我を隠している気がしてな。

サーチはかけたか?」とエド。


「いや。礼儀がいるみたいな事聞いたからやめた。」と俺。


「とにかく秘宝同士には何かの共通点がある気がする。その辺りから攻めてみよう。」

エドの言う通りだと、頷いたところで扉を叩く音がする。


「失礼します。」

突然リーヴァイ殿達が入って来た。


「何か?」


「申し訳ない。本当に後で詫びます。」


えっ?

鷹族の2人が近づいて来て突然俺の両腕を掴むと、俺ごと窓から飛び出す。

あっという間に、俺共々高い空の上に躍り出る。


小さくなるボロゾアの街並みを見ながら、少し冷静になる。

何となく二人をサーチすればボロボロの状態。

このままじゃヤバいよね。

一緒に墜落は勘弁。という訳でプリモナに教わった治癒魔法を2人にかかる。

一瞬で完治!

よーし。周りの鷹族にも同じく。



し、失敗したかも。

スピード狂に変身した鷹族に連れられて、俺の方がヤバいよ。


エド。

また心配かけるな。



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