危機!!
少しシリアス入ります。
話し合いは、すぐに終了した。
大問題が発生したためだ。
それは、飛ばしていた防犯鳥からの一報だった。
「緊急報告!
デジブルの北東20キロの距離に多数の魔人の群れ発見。デジブルの首都を目指して進んでいる模様。敵の数凡そ3000。」
賑やかな話し合いの席を静まり返すには、一時で充分だった。
数が。今までとまるで違う。正直千単位とか考えてもみなかったから。
やっぱ。ゲームとまるで違う。
もっとちゃんと考えないと。
到達までの所要時間は、たぶん2時間。
な、何かチートスキルでと考えるけど焦りから何も浮かばない。
「ラル殿。落ち着きなさい。
どうしようではなく、何が出来るかで勝負するしかあるまい。
まぁ、危険となれば住人共々逃げる方法を探すかの。」と、イーデン。
沢山の苦難をくぐってきた年の功なのか落ち着いている。
確かに。
お陰で少し落ち着く。
自分こそなんで傲慢だったな。仲間を信じなくちゃ。
「皆んな。いい案はないか?
俺の能力から出来る案とかあれば是非言ってくれ。」と、俺。
ララが珍しく手を挙げた。
「街に入る前に決着を付けるには、空から降ろさなきゃいけないと思います。
空は、風魔法。ですが敵もそれは扱えます。
ならば、空をなくせば。。」
うーん。土魔法で高い壁?
それはな。
皆んな苦い表情か。
「すみません。私。ダメでしたね。」
ララが真っ赤になって俯く。
いや、誰も口の重い今、話をしようとするだけ凄いよ。
ララは若いけどやるな。
空ね。風かぁ。。
あっ!
「そうだ。ララの言う通りだ。
空を無くせばいいんだよね。」
いやぁ、思いついたよ。
もっと苦々しくなった皆んなにこの案を伝える。
とにかく、やってみると。
疑心暗鬼だがやるしか無い。
他の案は今更出ないからな。
グレタとアナベルに俺達の街から補充品を取ってきて貰う。
大量に地下街に置いてあるからって説明中、ベルンがため息ついてたよ。
か、隠してません。置いといただけだから!
少し肩の力を抜いて、皆んなは散らばって行った。細かい作戦は、ほぼエドが作成。
1、秘策の大量投入と、俺が急いで作ってた地下壕に住人を逃す。
たぶん、手加減なしだったから端は見えないぐらいかな。
すでに沢山の人々が避難した後で助かった。
2、ジジンゾンと攻撃鳥。防犯鳥などを大量に首都に配備。
勝手に動くから、外側を埋め尽くす。
3、特に兵士達は万能薬などで医局を開設。
住人の衣食住の世話も。
沢山の人間を避難させるのは大変だかな。
(中身も少し作ったから何とか)
さて、俺も行くか。
結構、カッコつけだけどそれも今は無理。
ほんとに数にビビり上がってるけど、やるしかない。
ああ、空が真っ黒に見える。何て数だ。
。。
とにかくやってるしか。
『創造』
空気の濃度を変化させる。
酸素を充満させ地上にはガソリンに似た液体を用意。
火に強いが、まずは第一弾!
「食らえーー!!」
自分でやっておいてドン引きする。
火の海。
正に酷い有様だよ。
何回も横に縦に広がる炎は、黒煙と共に砂漠に広がる。
やっぱりダメか。
炎の中から、数はかなり減ったが魔人が飛び出してくる。
火の攻撃が全く効かないタイプの魔人だ。
『創造』
次は、二酸化炭素と一酸化炭素の濃度を高める。
特に魔人の飛んでるあたりに
90%の濃度まで高める。
よし!
パタパタと落ちてゆくぞ。
蚊取り線香に出会った蚊みたいだ。
第三弾。
これでダメなら手がない。
『創造』
真空状態を狭い土壁の中に閉じ込めて作り出す。
閉じこめるのが難しい。
あちこちで土の塚状の巨大物体が出来上がる。
二つの攻撃を逃れた魔人もこの攻撃には完全に太刀打ち出来ず完全勝利に思えたその時。
ゾッとする魔力の塊が真っ直ぐに飛んでくる。
全ての攻撃を吹き飛ばして、全く感じない様子で俺の前に立つ。
どうすれば。
魔力の消費が激しく、俺の無茶苦茶高い魔力の量も段々と苦しくなっているのに。
肩で息をしながら相手を眺めた。
意外に普通の紳士風の男に見えた。
凶々しい雰囲気さえなければ、だが。
「これはこれは。ドルタの様な小物を倒していい気になっている若造か?
名乗ってやろう。
四天王の一人でゼラと言う者だ。
さて、そんなフラフラで俺とやれるかな?」
ヤバイかも。
ん?
下にエドの姿?
避難は?何か飛んで来た!
投げてよこした薬の瓶に驚いたが躊躇せず、そのまま飲み干す。
こんな場所にいたらエドは。
命の危険を無視して投げてくれたのだ。
おや、魔力が回復してる?
何これ?
「こやつ。許さん!!」
ま、不味い。俺の魔力回復に気づかれてエド狙いに!!
さっきまでのゆとりとや、偉そう態度を投げ捨てて無詠唱で次々と攻撃が来る。
エドの前に、土魔法の壁展開と同時にエドに転移魔法を施す。
正直、離れてる人間に使うのは初めて。
だが、エドの無事を確認する暇の全く無い攻撃波が次々と来る。
こちらも大量に光魔法の玉を飛ばす。
もちろん他の魔法も展開。
ぶつかり合う度に大爆発や風や炎の嵐。
氷柱があちこちに串刺しにしようと現れる。
避けながら、攻撃しているが大したダメージを与えられない。
だけど攻撃の手を緩める訳にはいかない。
また、次と。
お互いに決定打を欠いてもこの攻撃はやめられない。
あちこちに血を流し更に魔力の消費が激しい。
地上からは、ジジンゾンや攻撃鳥の加勢が有り難い。
地味にゼラの力を削る。
避けきれない!
ゼラの持つ鋭い刀が直接俺を襲う。
魔力切れだろう。
だが、これが一番不味いのだ。
なぜなら、武力は磨いてない。
よ、避けられないならせめて!!!
光の魔石に更に魔力を込めて刃の形にして差し違いを目論む。
せめて、せめて。
こんなの俺に似合わないけど。
ここまで来たら。。
光の大爆発の中、俺の意識は遠のいた。
叫び声は、確かに聞いた。
だが、誰の叫びともすでに判別がつかないまま。
暗闇が俺を包み込んだ。
またか。
今度は日本かな。
ハッピーエンドです。




