ハロルドの視点ージェルドの告白ー
トントン、扉を叩く小さな音に私が返事を返す。
「ジェルドさんですね。どうぞお入り下さい。」
「はい。失礼します。」
やはりジェルドだ。ま、あの様に優しく扉を叩く人間は、ここでは彼のみ。
後は。。まぁいいか。
「あのー。」
相変わらず本題に入るのが遅い。
「遠慮なさらず。さあ、ご用件をどうぞ。」
普段は、研究室にこもってる薬草狂いが出てきたのだ。何かの頼み事だろう。
「先日の石の件です。」
。。
石?
「あ、あのー。ラルさんがくり抜いた山の登り口のよこの空洞の。」
「あ、了解しました。
で、それがどうされたのです?」
ジェルドの言語能力はあまりに酷い。
ラルのくり抜いた山の家々。
登り口がいるからと、山の中をくり抜いて登り階段を作ってたんだが、その横に変な空洞が見つかった。
ジェルドが意外にも興味を強く持ったので丸投げしといただけだ。
「あの空洞は、更に奥へと続く細い道を発見しました。進むと洞窟あり、白や緑などが色とりどりの岩を発見したのです。」
また、止まった。
ジェルド。私は暇人じゃないのだが。。
「あ、その岩が問題なんです。」
ん?毒とか危険物か?
それなら直ぐに対処しなければ。
「ま、待って下さい。
あ、あの。その岩で薬を作ったんです。」
は?岩で薬とは。。あまり研究熱心し過ぎて頭がおかしくなったか?
「ち、違います。相変わらず酷いなあ。ハロルドさん。
あの岩は、物凄い薬になるんです。
元はと言えば、ラルさんの言葉が元で出来たものです。」
ラルね。間違いない。薬は事実だろう。
話をまとめると。。
ラルが薬についてジェルドと話し合いを持った。
ラルは、この世界の新薬の開発が固定観念によって遅れてるとジェルドに言ったらしい。
薬草の元を増やす事が出来るとラルは考えた。
それには、動物や魔獣が傷を癒す為に食べてる物に注目して欲しいと。
ヒントを基に動物達がやたら舐めてる岩を砕いて調べていたら、新薬がついに完成したと報告に来たのだ。やれやれ、長い。
「で、その新薬はどんな働きをするんだ?」
「はい。魔力の完全回復です。」
「はーー?お前。。正気か?」
「もちろん正気です。あり得ない薬。それが新薬の正体です。
だからこそ、ハロルドさんにご相談に来たんです。」
はー。なるほど。
言い出しづらい筈だ。
これは、俺にも手に余るな。
はっきり言って、魔力の回復を僅かでもさせるものなど聞いた事などない。
ただ、自然回復しかないのだ。今までは。。
とにかく、残っているメンバーを集めて知恵を絞り出すか。
ルルドの御大が、一番の頼りだ。
最近、頼り過ぎと思うがな。
ージェルドの独り言ー
ようやく、ここの仲間らしい事が出来た。
命の恩人に。。やっと。。




