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その時!巫女姫様は?

巫女姫様は、また「未る目」で何かをごらんになったようだわ。

「もうダメ。

ロダインは魔人に破壊されるわ。

沢山の魔人が攻めて来る。

あぁいったいどうしたら。」

嘆く巫女姫様に私自身かける言葉もない。

神殿内では数日前から軟禁状態にあるのだ。

それも姫様には、隠しているが。

そんな現状では為すすべもない。

せめて片腕のグレタだけでもいたら。

だが、神殿長の見張りの目は厳しく外の世界とは完全に隔離されている。


そんな中では離反者も相次いだ。

神官長におもねる者や、逃げ出す者。

信じられない事に、巫女姫様の身辺はとうとう私と護衛官のバートンくらいになってしまった。


巫女姫様は、様々な「未る目」で周りをご覧になる。だが普段の生活には少々浮世離れされている。

世間と隔離された環境でお育ちのせいだろう。


不安な中で過ごす日が続いたある日、巫女姫様が突然叫ばれた。

「助けが来ます。魔人も来るけど助けも。」


その時!

「誰だ!」と、近くにいたバートンが小刀を飛ばす。

飛んだ小刀はカーテンに跳ね返る。

なんと、ひとりの男が侵入してきたではないか。


「中々やるな。だが、まだ詰めが甘いよ。ほらっ。」


一瞬だった。

巫女姫様を人質に取られた。

あっという間の出来事に為すすべもない。

巫女姫様に刀を突きつけるその男が余裕の笑みを浮かべてた。


「な、なんで。」「お前!」私とバートンの声が重なる。


にやけて立つ姿な余裕を見て、我々は焦りにジリジリと焼かれる様だった。


「大丈夫よ。この方が助けだもの。」

巫女姫様ののんびりした声。

こんな時まで。。少しイラッとしてしまった。

無理もないと自分に言い聞かせる。

こんな状況などご経験が無いのだから。と。


「ははは。なるほど、巫女姫様の「目」は本物か。

さあ、アンタ等ものんびりしてると逃げ遅れるぞ。

なにせ魔人の気配がかなり強まっるからな。」

男の言葉に全員がハッとする。

魔人…まさか。。


ドドーッン。

大音量の爆音と共に一気に揺れが数回続いた。

神殿が揺れるなんて。


「さあ、ボサボサするな。逃げるぞ。

まあ、アイツに持たされた変な道具があるから大丈夫だろうが。」

さっぱり意味がわからないが巫女姫様を人質に取っていた筈の男は、どうやら助けのつもりのようだった。

巫女姫様は、その男の後に続いてドアを出られた。

我々も遅まきながら、続く。

巫女姫様のお言葉を信じて。


やっと、外へのとびらが見えてきその時、外から魔人らしき声が聞こえた。

勇者一行らが魔人と対決しているのか?

揺れの激しさと、爆音に激しい戦いが続いてるんだと理解する。

逃げ場を失った我々に、一際大きな爆音と共に部屋の天井が崩れ落ちてきた!


も、もうダメ。

手を握りしめて身体に力を入れた。

その一瞬を恐れて。

? なにも起きない。

え?天井が降ってくるとばかり。なぜ?


「いや、だから間に合っただろ。

この「魔虫」はさ、家につけたあの鳥のと同じ働きをするって説明したろ。

魔人に反応して俺に連絡来るからいつも付けてくれって。

エドは、嫌がるからこっそり服に仕込んどいたんだ。

でも、持って来てくれたんだね。

2匹から連絡きたから急いだよ。

ま、間に合って良かった。

あ、ヤバイ。ちょっと、あっちがピンチだから行ってくる。」


いったい何がどうなった?

天井も我々も無事。

誰が助けてくれたのか?まさか、この慌ただしい男が?

その男は、突然我々の前に現れて魔法ですっかり爆発を止め、喋るだけ喋るとふてぶてしい男と共に転移して消えた。

そして。。表の魔人をあっという間に倒して戻って来た。


あっという間に過ぎて全く頭が追いつかない。


「さ、逃げるよ。取り敢えず跳ぶ?」

「近くの街の外れに頼む。

この通り目立つ一行だ。このままで旅するのは無理だな。」二人の意味不明な言葉。

怒涛の展開になって私とバートンはただ立ち尽くてしまった。

転移したのも、後で気がつく。

なんと、知らない街の外れにいたから。


「さあ、これから宿屋に泊まってゆっくり話しをしなくてはな。グレタからの手紙も預かってるぞ。」とふてぶてしい男の言葉。


グレタ。。

その名前にようやくホッと肩をなでおろした。

それは、姉妹のように育った私の片腕の名前。

無事だった。良かった。

では、こいつ等は?


次々と湧いてくる疑問を胸にしまい我々は宿屋へと急ぐ。



ふと、振り返えると初めて外の世界に触れた巫女姫様が目を回してバートンに抱えられていた。



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