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高みの見物~ミナミVSナカス

loghorizon @ ウィキGoogleDoc資料リンクからネタをお借りしております。

ナインテイル自治領マスターウィドウ山山頂


「ねぇ、お義姉ちゃん?こんな所に登って何するつもり?」


小さく可愛い赤い装備で身を固めた<守護戦士>の女の子は着流しに打刀を閂差しにして、口には粋に煙管を咥えた赤髪の美しい女<武士>に訊ねる。


「ん~今からランエボちゃんのお勉強がてら、お馬鹿ちゃん達の喧嘩を高みの見物しようと思いまぁ~す。」


「え~こんな異世界だかゲームだか判らない世界に飛ばされてまで勉強なんてやだぁ~!」


ランエボと呼ばれる少女は今にも泣かんばかりに顔をしかめる。そんな女2人のやり取りを観ながら苦笑する大鎌を携えたエルフの<暗殺者>が口を挟む。


「先生、今から始まるのは正真正銘の殺し合い、『戦争』ですよ?それを見物しながらお勉強って・・・ランエボちゃんが可哀想ですよ。」


「ん~でも鎌吉、教材としては最適だよ?何せこの世界は『王大人ワンターレンの死亡確認』みたいなふざけた世界、私ら冒険者は死んでも必ず生き返るんだし。」


「まぁそうですけど・・・。って先生!『ビッグブリッジ』で始まったみたいですよ!」


『ビッグブリッジ』現実世界では山口県下関市と福岡県北九州市門司区の間にある関門海峡に架かる関門橋の事である。現在、本拠地ホームタウンミナミどころか神聖ウェストランデすらも呑み込み巨大化した単一ギルド <Plant hwyaden>と本拠地ホームタウンナカスを拠点とするギルドやミナミからの逃亡者などから構成されたナカス連合軍とでも云うべき集団の戦いの火蓋が此処『ビッグブリッジ』を舞台に切って落とされた。

 その様子を山頂より望遠鏡で覗くランエボ以外の2人、しかし女<武士>の方は早々に望遠鏡から戦場の覗くのを辞め、その場に胡座をかいて座る。


「あれ?先生、もう観るに堪えられなくなりました?」


鎌吉が意地悪な言い方で質問する。


「・・・もう勝敗が決した戦いなんて観る価値もない、<Plant hwyaden>の一方的な圧勝だよ・・・。 」


ランエボも鎌吉も云われた言葉が理解出来ずにキョトンとする。


「鎌吉!ナカスに『金吾』が居るって云ったらあんたなら理解出来るだろ?」


“『金吾』が居る”この言葉の意味の判った鎌吉の顔からみるみるうちに血の気が引く。ランエボは全く意味が判らずボ~っと『ビッグブリッジ』を眺める。


「・・・先生!ナカスの逆転の可能性は?」


「皆無!元々『船頭多くして船、山を登る』って状態に裏切り者が混じってりゃ勝てる訳が無いね。 <Plant hwyaden>だっけミナミの?ありゃ、かなりえげつない策士が居るね・・・。 」


1人会話に着いて行けないランエボはイジケて大好きなアーティストの歌を口ずさむ。


「まぁ、ナカスは纏まるのが遅過ぎたね・・・。これからは <Plant hwyaden> に呑み込まれるよ・・・。」


女<武士>は『ビッグブリッジ』を睨みながら呟く。


「先生はこれからどうするんですか?」


鎌吉は血の気の引いた顔で女<武士>を見る。


「どうするも、こうするも、今まで通り!自分に出来る事をしながら現実世界に帰る方法を探す!向こうにはランエボの兄貴で私の旦那が待ってるんだ!鎌吉!あんたこそどうするのさ?」


「僕は・・・先生達に着いて行きますよ!僕が居ないと先生達、料理作れないじゃないですか!」


「鎌吉くん居ないとまた不味いご飯に逆戻りだもんねぇ~。」


ちゃっかり会話に参加するランエボ、別に何か可笑しな事がある訳でもないが何故か3人揃って笑いだす。


「さて、これでナカスも安全じゃ無くなったけど、どうしますかね~。嫌になるねぇ~まったく!」


口に咥えた煙管を上下させ思案にふける女<武士>


「取り敢えず大地人の村にでもご厄介になりますか?」


現行、一番妥当な案を出す鎌吉。


「お義姉ちゃん、知り合い多いんだから連絡して助けて貰ったらいいじゃん!」


一番無理な案を考え無しに云うランエボ。


「・・・私さぁ、知り合いは確かに多いけど昔の悪行で人望は壊滅的にないのよ、残念だったね、我が義妹よ・・・。」



「「ダメじゃん・・・。」」

初の大災害後のお話です。もう少し話は広げられたのですが敢えてこの分量で。

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