大災害直後の~シリーズ残りを纏めてみた。
リハビリがてら…。
※注意!!
・今回MMORPGとは関係ない話題が多少ございます。
・作中で特定の方々を愚弄するような発言がありますが、あくまで話の都合上のネタです、ですが、不愉快に為られたら申し訳ありません。
パリーンッパリリーンッ
…この甲高い独特の排気音は2スト3気筒エンジンに三本出しチャンバーを組んだカワサキMACHⅢ750SS…通称“H2”をカスタムした排気音だ…。
こんな化石みたいなバイクに乗ってるのはこの界隈で家のお兄ちゃんしか居ない…。オカシイ?昨日からバイク乗りのお友達と明日まで遠出の筈だけど?玄関を開けて開口一番。
「佳香!てめー家族が出払ってるからって男連れ込んでねぇーだろうな!!」
…この!シスコン!!お母さん達もなんでお兄ちゃんに連絡するかなぁ…。
祖父母はお爺ちゃんの通ってる道場の合宿に旅行がてら同行して連休初日から不在、両親は思い出したように今朝から夫婦水入らずで旅行、私はこれ幸いと今夜実装される12番目の拡張パック<ノウアスフィアの開墾>の準備をしていた、え?なんでたかだかネットゲーの拡張パック導入くらいで準備するかって?そりゃ私が所属しているギルドが大規模戦闘コンテンツの攻略を主体として動く戦闘系ギルド<黒剣騎士団>だからだ!新規の大規模戦闘コンテンツの探索や、攻略で新規拡張パック導入日は嫌でも長丁場になる、となると…ゲーム上の準備もさることながら、プレイ中の食料、水分、眠気覚ましetc.なども準備しておかないとやってられない。
そんなこんなで忙しい!彼氏?年齢=彼氏いない歴ですが?何か問題でも??
…彼氏が居ない…元凶に幾つかは自覚はあるが、外的要因としては玄関でがなってるミニマム(150cmしかない)な三歳年上のお兄ちゃんが最大級の元凶だったりする。
兄の事を悪くいうのは良くないだろうけど、お兄ちゃんはシスコンだ!しかもツンデレ?!だ…。小さい頃から口が悪く散々私を『デクノボー』だの『独活の大木』だのと云う割りに私に近付く男の子を手当たり次第にぶん殴って泣かしていた・・・、小学校の頃は気にもしていなかったが私が中学に入学した時に色々と気付かされ思い知らされた事があるが…それはさて置き、兎に角過保護を通り越してシスコンのお兄ちゃんのお陰で私は『彼氏』がいないのだ!!あぁ~色々思い出して腹が立つ!!
「お兄ちゃん…阿呆なの?馬鹿なの?身長分、脳味噌不足してる?玄関に私の靴以外存在する?男?だ・れ・の・せ・い・で・か・れ・し・が・で・き・な・い・と思ってるのよ!この!一寸胞子!!あんたの所為で男の子が怖がって私に近付かないんじゃん!!」
人生何度目の台詞だろう…いい加減云い飽きた…。
「あぁ~ん?!俺の所為にするんじゃねーよ牛乳ネトゲ廃人が!!」
誰がウシチチだ!!小人図鑑め!!畜生!拡張パック導入まで約10分か?一応全ての準備は整ってる!今日じゃ無ければバイクで勝負して何時ものように負かしてやるのに!!多分解ってて挑発してるな?
「いい歳していい加減、妹離れしない?わざわざ、友達との約束切り上げて帰って来るほどの重大事じゃないでしょ?」
「あぁ~?俺はお前に悪い虫が付かないか心配してだなぁ…、兎に角だ!!妹を心配してすっ飛んで帰って来た優しい兄に葱嫌いの言葉一つも出ないか!!この野郎!」
…それを世間一般で『シスコン』って云うのよ馬鹿!!そして『葱嫌い』じゃなくて『労い』でしょ!!そしてこういう時は『野郎』じゃなくて『女』でしょうに…、あぁ~もう!!苛々する!!
「…兄妹喧嘩でも、バイクの勝負でも私に勝てないクセにどの口が偉そうにそんな事を云う?」
多分、妹だから喧嘩に関しては手加減してくれてるのは解る…(お兄ちゃんは子供の頃から喧嘩に明け暮れて、中学入学時に近隣の中学校の喧嘩自慢1人残らずやっつけたのは今だに地元では語り草になってるし…)だけど、バイクは別だ!私の方が腕もバイクの性能も上だ。
幾らカスタムされてるとはいえ、あんな『曲がらない、止まらない、2速でウィリー、オイル駄々漏れ』の化石バイクに私のホンダCB1300 SUPER BOL D'OR が負ける訳ないじゃない15戦無敗よ?…っていうかそれ処じゃ無い…お兄ちゃんの相手してる暇は今の私には無い!!もうこっちとらヘッドホンも装備、部屋の防音もOK、ログインもしてる、後は時間になるまで待つのみ、この状況の私を止めたらどうなるか!?お兄ちゃんも知っている!それでも私の往くてを阻むk…
00:00
◇
「ちょいや~“エクスターミネーション”!!」
僕は季節ハズレのドテラの袖に100均の武器玩具を仕込み背中に担いだ箒を袈裟懸けに振り下ろした!
…決まった!僕ってば格好いい!さて!次はこれだ!袖の中に仕舞い込んでる武器を一斉に!!
ストトトッ! ガチャッ!ボトッ!カンッ!ゴン!
「痛ぁぁぁぁぁい!痛い!痛い!」
袖に仕込んだ玩具の一番重いヤツが足の甲にぃ~!い~た~い~!痛い!
「浅香!何時だと思ってるの!ご近所迷惑でしょ!」
…ママだ…ごめんなさい!調子に乗り過ぎました!しっかし、<エルダー・テイル>は色々と自由度は高いけど『無限○住人』の○さんみたいなエモーションというかアクションが出来ないのが僕的不満の種ですね!今回の拡張パックでその辺り解消してくれると嬉しいなぁ~♪
ってお部屋片付けないと…折角、午前中に片付けたのにぃ~僕の馬鹿!…泣き入れても誰も手伝っくれる訳でも無し…いーもん!いーもん!サクサク片付けて、<エルダー・テイル>で否!拡張パックの新規大規模戦闘でアイザックさん達が認めてくれる位の大活躍するんです。“千変卍華”の二つ名をヤマトサーバー否!13サーバーに轟かせて、どっかの阿呆エルフやナカスのDQN剣狂を見返してやるんだ!
「さぁ~♪時間もそろそろだし、ログインして先輩達と合流しよう!そうしよう!」
準備万端!僕らの<黒剣騎士団>ギルドタワーにGO!GO~!ヨシ先輩達に念w…
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◇
う~ん!今日のフラッグ戦はほぼ圧勝でしたわね。でもどうしてWSS装備の方々は、ああも装備品に拘って『コレはWW2当時の重装備用サスペンダーだ~以下略』だとか『その装備でその野戦服は時代考証が~以下略、階級が~以下略』って自慢気に話掛けて来るのでしょう?ヒストリカル戦でそういう事を仰られるなら理解も出来ますが、今回そういう訳でも無し…まぁ、そうやって自慢気にしてた方は私のM16-A1の恰好の的でしたけど…。
叔父様も、もう少しシンプルにサバケーを楽しんでるチームとのゲームを組んで下されば良いのに…、絶対お相手のリーダーとショップで口論になってイキナリ組んだに違いありませんわね…、じゃなければ朝から『M16-A1だけ用意して門の前で待ってろ迎えに行く』なんてメールをスマホに寄越す訳ありませんもの。
帰ってきたら帰って来たでお父様はお冠だし…叔父様と仲良くお説教されて、夕飯とお風呂を済ませたらもう22時回ってて驚きましたわよ…慌てて自室のPCを立ち上げて準備してサブマシンで攻略サイトとwikiを開いて…。
「…さて、今日は大事な新規拡張パックの実装日、準備は万端ですし、少し早いですがログインして、少し消耗品でも買い足しましょうか…。」
ログインしてフレンドリストを開きログインしている他の<黒剣騎士団>のメンバーを確認、ヨシ君はログインしてますわね…アイザックさん達もログインされてらっしゃる…浅ちゃんと沙代はまだみたいですわね…ふむ!
まだ1時間ほどありますし消耗品の買い足しを済ませて、シンジュク御苑の森でこちらでの命中精度でも再確認しておきますか大規模戦闘ではほぼ使えませんし・・・。
~約1時間後~
「よし!コンディションは万全ですわね!でも1発1発の命中精度上げる事と1発1発の威力を上げる事、どっちが重y…」
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■
「なんじゃこりゃ~!」
それが意識が戻ってすぐの私の第一声だった…見慣れたようで見慣れない風景、周りで立ち尽くしたり、その場に座りこむファンタジーな格好の人たち、私と同じように絶叫している人たちも居たがそれよりも、私は私自身の足元を観て絶句した。
■
「あれ?此処って?」
僕は辺りを見回した、何処からどう観ても目の前の景色は常日頃、PCの液晶ディスプレイ越しに観ているアキバの街だ!えぇ?え!本当に?僕は自分自身の手足を確認!
この服装…いや!違う『装備』だ!間違いない!『僕、朝右衛門です』…って未来の世界の青狸ロボの真似っこしてどうする!!
駄目だ…感情が抑えられない!!だ…誰か知り合いは居ないのか?僕は改めて辺りを見回した。
!!!銀髪、ほっぺにタトゥー、海軍セーラー…って事は!!!サツキさん発見!!ロックオン!!この喜びを分かち合おう!!
「ひゃ~!!観て下さいよ!サツキさん!!アキバの街ですよ??うわぁ~身体が軽い!軽い!!僕たち、異世界に入っちゃったみたいですよ!!ヤッホー!!」
僕は座敷犬のように跳ね回った…。
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…此処は何処かしら…あぁ、風が澄み切っている…気持ちいいなぁ…。
でも…その割に景色が殺伐とした感じ…なんだか見覚えがあるような…?!え?え!?この先ほどから視界に入る白髪…いいえ、銀髪?!これ私の髪??え?どうゆう事かしら、私の髪は漆黒の黒髪でこんなにウェービィーじゃありませんわ?!
「ここは何処なんでしょう…そして…私はどうなってるいるの?!」
突然過ぎて状況が全く掴めません…これって…。
◇
そんなこんなで4人は合流、ヴィシャスやエンクルマなど<黒剣騎士団>でも比較的親しいメンバーと連絡を取り更に合流、各々がギルメンに連絡を取り合い一旦<黒剣騎士団>ギルドタワーへと合流する事となる。
~この後の話は連作『三匹が!!!』番外編<アキバの4人娘>へと続く。
 




