姉と盗人
書くのが亀ですんません
某ゲームのなつきがとても可愛かったので・・・
反省はしてますが後悔はしていません(キリ
まあ読んでやって下さい
女に連れられて俺は麗音の屋敷に入った
障子を開けると、そこには麗音がいた
俺はとりあえず話しかけてみた。
「おーい麗音。久しぶり」
「・・・・・・・・・」
「麗音。お前少し太ったんじゃないか?ダイエットしろよ」
「・・・・・・・・・」
言葉をいくら話しかけても何もかえって来ることはなかった
ただの1度も
それは麗音であり、麗音でなかった
表情すら変えないのだ
しかもそれは対話においてだけではなかった
御飯においてもそうだった
ちゃんと食べるのだか全く美味しそうではない
ただ食べているだけ、といった感じだ
俺に笑いかけてくれたかわいい麗音の姿なんて・・・
もう・・・どこにも残っていなかった
「ごめん。ごめんな。麗音」
俺は泣いてはいけないような気がしていた。
だから・・・泣かなかった
そのつもりだ
俺は突然立ち上がり言った
「今夜星を見に行こう」
たまにはいい事いうんだね、なんていう言葉はかえってこなかったが(というかかえってくるほうがどうかしている)、俺は麗音に星を見せてやろうと思った
恋い焦がれた青空、それよりまして美しい夜空、そして星々
それらをせめてもの償いに見せてやろうと思った。
「なりません」
ふとそんな声が聞こえた
ふりかえるとあの女がいた
「麗音様をこの屋敷の外に出すことは許されません」
「お前は・・・」
俺は続けた
「お前も・・・麗音を・・・」
そのあとを続けることが出来なかったのは女が泣いていることに気付いたからだ
「私は・・・私も・・・麗音様に青空を、夜空を見せてやりたいと思います・・・」
ですが・・・、と女は続けた
「お父様は言いました。麗音様に何があってもこのはこにわの外に出してはいけない、と
出せば必ず麗音様に最大の不幸が訪れる、と
最大の不幸、それが今より楽な状況ならいいのですが・・・」
「そうでない状況でもあるってのか?」
俺は怒りをあらわにして言った
「今の状況よりひどい状況があるってのか?」
「殆ど無いと思います。ですが・・・」
女は言いにくそうに言った
「麗音様が死んでしまうという可能性も考えて頂きたいのです」
「そんな事は俺も考えてる。でも今のままも死んだ状態もあまりかわりがない、そう思わないか?」
「そうは思いません」
賛成してくれると思っていただけにその言葉は俺にとってとても意外だった
「何故だ?今のままでも楽しくなんて絶対にないだろうし、生きでいる意味もない。なら賭けであってもやるべきじゃないか?」
「貴方はやっぱり・・・最低な人ですね」
「え?」
「貴方はやっぱり自分のことしか考えていないんですね・・・ああ見える麗音様がどう感じているか分かる訳でもないのに・・・よくそんな事を言えますね」
そうだ。本当にその通りだ。俺は麗音の都合なんて全然考えていなかった。ただの自分のわがままだったのだと気付いた
いや、気づかされた。目の前のこの女に・・・
「ごめんな・・・そんで、ありがとう」
心から、本当に心の底からそう言った
「・・・・・・・・・?」
女は不思議そうな顔をしていた
「俺のバカさ加減を気づかせてくれてありがとう、ってことだ。」
「ああ、そういうことですか?」
「でもさ・・・麗音がもし死んだりしたら俺も死ぬ、って言ったらお前は許してくれるか?」
「私が許す許さないの問題ではないでしょ。麗音様の問題です」
「確かに・・・そうだな」
「でも・・・」
女は言った。これまで見たことのないほど綺麗な笑顔で・・・
「でも麗音様なら許さないと思いますよ。あの子は自分のせいで人が不幸になるのを人1番嫌う子でしたから」
「そうか・・・そうだよな。でも・・・でもだからこそ俺はあいつに空を、星を見せてやりたい」
この時は何を言われても連れていってやろう、そんな気持ちだった
「そうですね」
だからこそこの答えは意外というほかなかった
「おっ、お前、いいのか?」
「貴方は何を言われても連れていこうとするでしょうし。それに・・・」
女は言った
「麗音様は青空を見たがっていましたから。麗音様のことを考えるなら尚更そうするべきだと思うので」
「そうだな」
そう言って俺達は互いに向かい合って笑った
不安にしたくなく、また不安になりたくなかったのかもしれない
「お前、前から気になっていたんだが、1つ聞いていいか?」
「なんですか?」
「お前はなんで他の召使いと違ってそんなに麗音のことを思っているんだ?」
女は言うべきか迷ったあと、決心したかのように言った
「私の名前は春風麗美、あの子の、麗音の姉です」