表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

私と盗人

この小説は作者個人の好きなネタがちりばめられています

わからないところは、軽く読みとばしていくよう宜しくお願いします

ざーざーざーざーざーざーざー

・・・・・・雨が降る

ここではもう当たり前のことだ

私は青空というものをみたことがない

ここでは雨がやむということがないのだ

生まれてからずっとここで暮らしてきた

ここにいるのは私と私に仕える者しかいない

仕えるといっても、それは監視されているのと同義だ

友情が芽生えるなんてことはなかった

親に会えるのも、一年に一度や二度である

私に親がいるという実感すらない

だから私はここを失望と侮蔑の意味をこめてあめふるはこにわと呼んでいる

ずっとここを抜け出したいと思っていた

でも、ここを抜け出そうとしたことは一度もない

ばれて捕まってしまうのが恐かったのだ

だからこれは現実に絶望しながらも、変わろうともしなかった私春風麗音(はるかぜれおん)とその私の心にたやすく入り込んできた変な男涼風秋吉(すずかあきよし)の物語である


*********************


それは夢のような光景だった

あたり一面に食べ物がならんでいた

俺は我慢できずに一心不乱に目の前の食べ物にむかい、それらを食べようとした

だが・・・そこで目がさめた

「ああぁぁァァー」

食べたかった・・・

ただひたすら食べたかった・・・

夢でもいいから食べたかった・・・

昨日から何も食べていなかった

「はら・・・へった」

どうしようどうしようどうしようこのままでは行き倒れてしまう

金がない・・・

「仕方ない久しぶりにあれをやるか」

あれというのは盗みのことである

盗みをする自分がいやになり、あしを洗ったのだ

そして小作農をしていたが、地主によれば、農業界にも不況の波が来たとか来ないとか・・・

とにかく失業したのだ

「怖るべきリーマンショック」

いや・・・違うか

まあともかく、久しぶりに盗みをしよう(というかしないと行き倒れてしまう)と決めた俺は標的を捜していた

今日を生きない者に明日はないのだ

「あの屋敷がいいな」

俺の目線の先には大きな屋敷があった

俺はビンボーからは盗まないようにしていた

なぜならそのあと生活できないだろうから

金持ちはその点いくらでも生活できる

天気は雨

盗みには最適だ

俺はいそいそとその屋敷に入っていった


*********************


「何をしておる」

そんな声が背後から聞こえた

いやいやいやないない

きっと疲れているんだ

「何をしておるといっておる」

現実逃避させてくれなかった・・・

振り向くと15才くらいの単衣をきた女の子がいた

こうなれば仕方がない

とっておきを見せてやる

「ここはどこ?私は誰?」

「ここは私の屋敷で、お主は・・・、ってだまされるか!」

とっておきが通じなかった

この娘なかなかやる

「お主は誰じゃ?何しに来た?」

「俺の名はたけし。リーダー的存在だ」

「えっ?」

「リーダーって言い切らないところが謙虚だろ」

「たけしくん謙虚だね、ってネタが古いわ!」

またしても見抜かれた

本当にこの娘、スゴい

「もう一度聞くぞ。お主は誰じゃ?何しに来た?ちゃんと言わないと人を呼ぶぞ!」

これはもう正直に答えるしかない

「俺の名は涼風秋吉。盗みに来た。」

「そうか・・・では」

娘の目がキラっとひかった

マズイ

「くせもングッ」

とっさに娘の口をふさいだ

「おい!何をする気だ!」

「なにももくそも人を呼ぶのにきまっておろう」

「落ち着け!話せばわかる」

「無駄じゃ!」

「取り引きをしよう!」

すると娘の動きが一瞬とまった

「一応言わせでやろう。言って見せよ」

「えーっと・・・あんたが人を呼ばなかったら、俺はここから何も盗まないっていうのはどうだ?」

「却下にきまっておろう!それで手を打つ奴がどこにおる!もうお主の話を聞いでも無駄じゃ。人をよぶぞ!」

必死に娘の口をふさぐ

「まてまてまて!落ち着け!じゃあ何をすれば許して貰える?」

「そうじゃのう・・・火炙りになるとか?」

「まって!待ってください!何か他のことでお願いします!」

・・・完全に主導権を握られた。なさけねえ

「そうじゃのう・・・じゃあ・・・まろと・・・まろと・・・」

どんどん顔が赤くなっていく

あれこいつこんなにかわいかったっけ?

「友達になってくれんか?」

もう真っ赤になっていた

ヤバイ

まじでカワイイ

「セフッゴホンゴホン」

こんな子がせふれ(自重によりひらがな)なんてしるわけない

ギャグでも言ってはならないことだ

あぶないあぶない自重自重

「だめ・・・かの?」

涙目になりながら聞いてきた

「お持ち帰りー!」

我慢できずにお持ち帰りしようとした

「ネタが古いわ!」

そのツッコミとともに頭部に痛みがはしる

「まろが頑張っているのにふざけよって!」

娘は笑っていた

頭部を抑えながら娘の顔を見た

笑っている顔もやっぱりかわいかった

気づくと言葉が口をついて出て来た

「友達になろう、な」

「うん」








読んでいただいて有難うございます

趣味200%で書いていたら、ライトノベルになっていたような気が・・・

ともかく楽しんで頂けたら幸いです

ちなみに

たけし=昔の某ジャンプ漫画

お持ち帰りー=某ひぐらし です

気になった人のために一応・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ