夜空に種を撒きましょう
月曜日の昼休憩の時間。
私は社員食堂で、いつものように同僚の女子達と3人で休憩時間の時間を潰していた。
同僚の女子達は楽しそうにドラマや動画とか、誰?それ?っていう芸能人や、舌を噛みそうな名前のコスメや服屋の話で盛り上がっている。
私には異国の話にしか聞こえないから適当に会話にまざったり、スマホ見たり…。
この2人は嫌いじゃないけど…。
毎日の愛想笑いって疲れる。
私的には、1人ご飯の方がいい…。
入社したての頃は1人で食べていた。でも、ずっと…ボッチみたいに見えるのは嫌だな。って、恥ずかしいなって思っていた。そんな時に、この2人はお昼一緒に食べよう〜。って、誘ってくれた。凄く嬉しかった。
優しい人達、女神様と思ってますよ~。
だけどね、でもね…本当に、この時間は苦痛だわ。
窓の外に映るのは、秋の澄んだ青空と無機質なビルの群れ達。
凄い眠いな。
こんな日は、家で洗濯しながら動画でも観てたいな。とか、思っていたら、ビタリと女子達の声が止まった。
そして、私の隣りのイスが大きな音を出して引かれた。そして、誰かがドカリと座る音が聞こえた。
「えっ…」と、振り向く私。
永遠と目が合う…私。
心臓が止まったと思ったわ。
息を飲んだまま、グウゥーとのけぞった。
一緒に食べていた子達が顔を見合わせ頷きあい、「私たち先に行くね。また後でね」と言い残し、後ろを振り返らず楽しそうに社食から出て行った。
心の中の私、置いて行かないでと断末魔の叫び声。
「ひどいよなー。あのさ、朝陽ちゃん。なんで俺を置いて帰ったの?」
恐怖映画の人形のように、ググッと永遠の方向に向き直った。
永遠の淋しそうな顔が目に入った。
そう、あの日あの夜。警察が帰った後に引き留める永遠を振り切り、私は自転車に跨がり戦隊ヒーローのように颯爽と走り去ったのだ。
「ひどいよな…。置いて行かれたよ…」
うるさいな。男のくせにくどくどと、酔っぱらいかよ…もう。
「ごめんなさい。凄く眠くて、疲れていたし…」
神妙に支障な態度に出た私に永遠は、肩ひじついて口元に笑いを貼り付けて、
「へぇぇ?」
はい。話しは終わり。もう、絶交でいいですよね。
私もイスをガタつかせて立ち上がった。
「待って、朝陽ちゃん」
永遠が私の腕を摑む。
やめろ。昼間の会社だぞ。場をわきまえろ!




