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夜空に種を撒きましょう

 私、谷沢 朝陽 25才。

 

 趣味はアニメの主人公の推し活で、映画に動画、フィギュアのお迎えに、中の人達のイベントライブに推しグッズ購入と、なかなか激ハードにハッピーリア充な人生をエンジョイ!

 厨二病万歳フフフ。

  

 大学を卒業して運良く(かなり)大手の食品会社に就職したのはいいけれど、このご時世は、一人暮らしで推し活を、会社のお給料だけで遣り繰りするのは非常に厳しく苦しい。

 そこで、(どこで?)週末に数時間だけコンビニでバイトをしている。

 会社は、仕事に差し障りなく公序良俗に反しなければ(残業等に差し障るや、犯罪、風俗)でなければ、副業は目をつぶっていてくれる社員に優しい会社だ。

 でも一応ね、身バレは怖いから髪は束ねて、ダテメガネにマスクして完璧な変装はしてます。

 もしもよ、知り合いと会った時の気まずさは、内気な私は耐えられないんです。


 ほら、目の前に広がる眩しく輝き、眠れずにワチャワチャしている夜の大都会の花金(死語)の駅前。

 通りを歩く、光り輝いている酔っぱらいや若者や、どう見てもヤバそうな人達も歩いている。

 人生色々ね…。

 私もね~。

 

 静かにお店の自動ドアが開く。

「いらっしゃいませ」

 今日も今日とてお愛想笑い。

 流れ作業のように客を流す。


「いらっしゃいませ」

「いらっしゃいました…」

 お弁当とビールをレジに置いたのは、スーツ姿のサラリーマンで、まぁ…俗に言う同僚の男性社員がためらいがちに微笑んでいる。

 

 会社では挨拶してすれ違うくらいだけど、今はお客様なので笑顔で聞く。

「温めますか?」 

「谷沢さん、今日は何時までなの?」

(そうきたか…)

「…ご一緒に、唐揚げはいかがですか?」

「あっ、いえ…。温めて下さい」

(お客様、挙動不審な行動は困ります。防犯カメラが見てますよ)


 温かいお弁当とビールを持ち、お客様はお帰りになる。

 はい、次のお客様。

 スムーズにお客様を接客する。それだけ。


 24∶00 バイト時間が終わると、チャリにまたがり帰宅したいのに…、今日も私は、ソレを見つけてしまい心の中で舌打ちをした。

 


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