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上原玲華の日記帳  作者: 上原玲華
掟上今日子の備忘録
1/1

初めまして、今日子さん

基本的には原作と同じです。

秘書が追加されただけとお考えください

ある日 私の職場に一本の電話がかかってきた

 その電話を私は手に取り、こういった

「お電話ありがとうございます。置手紙探偵事務所です」

 すると相手はこう返事した

「玲華さんですか?その…依頼をしたいんですけど今日子さんはいますかね…?」

 玲華さんと言うのは私の事だ。上原玲華27歳 職業『所長秘書』

 今日子さんと言うのは私の上司の事だ

『最速の探偵』であり、『忘却探偵』掟上今日子25歳

今日子さんには今日しかない

今日子さんの名刺には「どんな事件でも一日で解決します!」と書かれているが実際には少し違う

正確には「一日で解決出来る事件したできません!」という事なのだ

今日子さんの記憶は一日でリセットされる

一日というのは24時間と言う訳では無く、眠ると言うのがトリガーなのである

なので今日子さんは探偵が絶対守るべきである秘密主義を守れるのである


「はい、ていうかまた事件ですか?本当に事件によく巻き込まれますね『隠館厄介』さん?」

「本当ですよ…」

 電話相手は隠館厄介さん、今日子さんと同じ25歳 

 よく事件に巻き込まれ、冤罪で捕まったり捕まりかけたりする事から

 ほとんどの探偵と面識があるらしい 

 まぁ事実私も「蓮香館殺人事件」の時に今日子さんと出会い

 冤罪で捕まりかけた所を助けてもらった訳だが…

「それでどのような事件に巻き込まれたんですか?」

「はい…」

 話を要約すると笑井研究室と言う所で盗難事件があったらしく、新人の厄介さんが疑われたと言う事らしい

「何が盗まれたんですか?」

「まだ盗まれたと決まった訳じゃないのですが 」

「バックアップデータです」

 バックアップデータか…研究室としては大きな損害となるな

「わかりました では今から向かいますので住所をおねがいします」

「はい…東京都…」

 住所を聞いた後部屋から誰も出さないで下さいと言い私は電話を切った

 そして上司の今日子さんを呼びに行った

「今日子さん、依頼です。行きましょうか」

「はい、行きましょうか玲華さん」





「えーと、ごめんください。笑井航路さんの研究室は、こちらでよろしかったでしょうか?」

ノックの音に続いて、そんなおずおずとした声が聞こえた

百合根副室長がドアのロックを解除すると最初に入ってきたのが今日子さんである

白黒のボーダー柄の服の上に緑色の上着を着ている、それに揃えた総白髪なので遠目にはまるで老婆が登場したかのようだった

今日子さんに続いて入って来たのは上原玲華さん、僕や今日子さんと同じように見えるが27歳と僕らよりも年上である

今日子さんとは打って変わって黒髪のロングでお団子にもできるのではないのかと言うほどの長さである

服は大抵スーツだ。いわゆる秘書の見た目をしている

ここで思った人も居るはずだ「秘密主義を絶対守れる忘却探偵に秘書がついたら元も子もない」と

僕も最初はそう思った。実際に質問したし

そしたら玲華さんから意外な いや突拍子もないことを言ってきた

「私は自分の記憶を絶対に忘れませんが、記憶を消す事も出来ます。」と

そりゃ最初はびっくりした絶対記憶の保持者でもびっくりしたが記憶を消す事が出来ると言う点でもだ

つまりもし大事な企業秘密などを聞いても玲華さんはそこだけを忘れる事が出来るのだ。

でも2回目に会った時僕の名前を覚えていた時は更に驚いた 本人曰く

「事件の内容や依頼内容は忘れましたが、事件の名前や依頼人の名前は忘れないようにしているんです。なので厄介さんの事も、「多体○人事件」と言う名前も覚えていますよ」

しかもミステリー小説ばっか読んでるミステリーマニアで推理力も高かった事から今日子さんはその能力を買い、秘書にしたらしい。


「初めまして、探偵の掟上今日子です」と全員に挨拶しに行った

勿論僕は初めましてではないのだが『今日の今日子さん』からすれば初めましてなのだ

「置手紙探偵事務所 所長秘書を務めています。上原玲華です」

と今日子さんに引き続き自己紹介をした

「先に大体の事件のあらましは聞いております。バックアップデータの入ったSDカードを見つける事ですよね?つまり、遺失物の捜索という事でよろしかったでしょうか?」

「それだけじゃない、盗んだ犯人を特定してくれ」

今日子さんの依頼の確認に続き、笑井室長がそういった

如何やらまだ室長から『泥棒説』は抜けていないようであった

「はぁ。しかしそれはあまり重要ではない気がするのですが」

とぼけたように言う今日子さん。相変わらずで少しホッとした

いや、この人が相変わらずでないことなんてない。たとえ性格が変わっても、それはすぐに元に戻ってしまうのだから

「大切なのはデータの流出を防ぐ事であって犯人を見つける事にあまり意味は無いと思いますけど…」

「馬鹿を言うな!この先、裏切り者と仕事が出来る訳ないだろ!」

「承知しました。しかし元々私が隠館さんから受けた依頼は、彼にかけられた疑いを晴らして欲しいというものです もしも隠館さんが犯人だった場合は、依頼人の利益に反する事になります。」

なんてこと言うんだ今日子さんは

と思う 思うだけだ

今日子さんの心情は「依頼人はまず疑え」だ

「…要は隠館君が犯人だった場合、只働きになっちゃうって事?だったら、その場合は研究室から謝礼が支払われる事になると思うわ」

百合根副室長が慎重そう言った。

「それではフェアとは言えませんね。犯人がいる場合…つまりバックアップデータが盗まれた場合の支払いは例外なく研究所が持つと言うのは如何でしょうか?」

百合根副室長は笑井室長を窺った。笑井室長は渋い顔をして

「わかった」

と頷いた

「もし解決できなかった場合はロハで結構です。置手紙探偵事務所はそういうシステムでやらせていただいておりますので」

と玲華さんが言う。今日子さんだって全ての事件を解決出来る訳じゃないのだから

「それより…本当に大丈夫なんだよな…?部外者のあんたらを招いたのは隠館君があんたらなら大丈夫と太鼓判を押したからだ…俺は今でも、機密機構だらけのこの部屋を、たんていにいじって欲しくはないんだ」

「ご心配なく、玲華さんも私も、スマホやカメラは持ってきてませんから」

如何やら入口ね身体検査は受けて来たらしい。

そして二人はわざとのように揃えてこう言った

『それに今日見聞き聞いたりした事は明日には全部忘れますからね』

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