炎華の仕事
それは、虫が涼やかに鳴く夏の夜
桟橋に座りこんだ赤髪の少女は独り、月を見上げていた。
その何かを探るような艶めいた赤瞳はすべての世の人々を魅了させる力をもっていた。
時刻は丑の刻
人と言う人は静かに寝静まる時刻に異質なほど目立つ少女は待っていた。
「もうし、このような時刻に女の一人出など危のうございます。早く家へお帰りなさいませ、、、。」
少し高い女特有の声が辺りに響く
少女は声のした方へゆっくりと顔だけを向け微笑んだ。
「待ち人をしておりました。でも、なかなか来なくて諦めようと思ったところです。」
「まあ、、、お気の毒に、その方にお会いできなくて残念でございましたね、」
声の主は笠で顔は見えないが、とても心を感じさせる声音だった。
「いいえ、、、今、会えましたの。私が待っていたのは、、、、、、、、、、、、、、
貴方ですから。
貴方を本来いるべき場所へ還るように伝えにきたんですもの。
何故、自分のいるべき場所へいかないの?
貴方はもう生きていないのは解っているのでしょう?」
少女の問いに女は一歩後退した。
「わ、、、私には居場所なんてないわ。
私はずっとここに縛られて有り続けるしかないのよ、、、。」
「何故?貴方はまだいけるのよ?」
少女は首を傾げながらそっと夜空を見上げた。
「あるでしょう?あそこに、、、。」
少女は夜空の一箇所を指差す。
常人には何ら変哲のない空だが女には見えたらしく「あっ、、、」と声を漏らした。
「あれは、、、?あの光は何、、、?」
「真っ直ぐあの光へ行って。きっと貴方のいるべき場所へ還れるわ。」
にっこりと微笑むと女は大きく目を見開き大粒の涙を零した。
「ありがとう、、、これでやっと、あの人のところへ行ける。
最後に、貴方のお名前は、、、、?」
女の体は下から序所に消えていく。
「炎華狐よ。」
少女、炎華が答えたとき完全に女の姿は光となって消えた。
「炎華、、、終わった、?」
「、、、ええ、召されて行ったみたいよ。暁。」
暁と呼ばれた赤褐色の前髪を長く伸ばした青年は炎華の前にひざまずいて首を傾げた。
「、、、今日は焼酎?日本酒?どっちにしたい?炎華。」
「どっちでも好いわ。たまには一緒に月見でもしましょうか、暁。」
そう言って笑う炎華につられて暁も頬を緩めた。
「うん。帰ろうか。」
「ええ、、、。」
そうして二人の影は仲むつまじく霧が晴れるように消えた。
「へえ~、下界に天狐がうろついてるなんて、、、珍しい事もあるもんだねぇ、、、。」
二人の消えた方角を見る男がいた。
その男はニヤリと嫌な笑みを残し、何枚もの黒羽を散らせて闇へと消えた。
炎華ちゃんは皆に愛されればいいと思います。
すなわち逆はーですねww
これからもよろしくお願いします、。




