姫、そして従者
林へと降り立つ二人。
町へ潜り込むために、、、?
「まるで商人の娘のようね。」
炎華は美しい深紅の振袖を着て優美に笑った。
祝い事などで着る衣装ほど華々しさは無いが、一目で好い品だとわかる作りをしているそれは裕福層の集まるこの町で紛れ込むために暁があつらえた物だった。
二人は人通りのない雑木林のなかで町に潜り込むために衣装と姿を変えていたのだ。
「、、、お忍びで遊びに来る姫、とその従者。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、がいい。」
ぽつり、と暁が呟く。
今や二人の姿は人間そのものだった。
妖気を消し、瞳と髪の色を黒くした暁を見て炎華は思う。
(暁ったら、黒くても人目をひきそうね、、、。)
じっと暁を見つめていると、視線に気ずいたのか暁が振り返る。
「炎華、人目を惹くね、、、。」
「えっ、、、?」
「可愛い、から。」
珍しく照れたように笑う暁を見て、それは自分の台詞だと思う。
先ほど自分が暁に思っていたことを暁は私に思っていたらしい、、、身内の贔屓目なのだろうか、暁はいつ何時でも炎華が一番だと話す。
たとえ、一国の美姫に言い寄られても表情を変えないほどに、、、、。
そして、その美女達から言い寄られるほどに己が美しいことに気付かない。
(本当に、、、鈍っいわねぇ、、、)
そんなことを考えながら、二人で雑木林を抜けていく。
しばらく歩くと、目前に光と人の賑わう声が風に乗って聞こえてきた。
すると、唐突に暁が立ち止まり炎華に手を差し伸べた。
「?、、、暁どうしたの。」
「手、繋ぐの。」
暁は、それはそれは無表情で言った。
炎華は声に成らぬ悲鳴をあげ、暁の額に手を当て熱がないかと確認しようとする。
が、しかし暁がその手をとり己の手で支えるように軽く握る。
「あ、暁、、、?」
炎華は普段とは違いやたらと好意的な暁に滝の様な冷や汗をかく。
「俺が側近の従者で、炎華は姫様だから、、、。
今日は殿には内緒でお忍びの、、、買い物。」
炎華の心配をよそに暁はほんのりと頬を染め、歯にかんだ笑みを見せる。
「ああ、、、その設定、あながち嘘じゃないものね、、、。」
炎華はがくり、と肩を落とす。
暁の積極的な行動の意味を理解してしまい、もしや暁は自分のことを、、、
と誤解していた己がはずかしくなる。
確かに、炎華は妖狐の姫であり、今こうして人間に紛れようとしているのは親兄弟にはとても言えない。
見つかれば、屋敷に厳重な見張りつきで監禁可能性も無くはない。
「姫とかよりも、、、旅芸人、とかの方が動きやすいでしょう。
舞の一つでも見せれば人は集まるでしょうしね。」
ここは、華の都と謳われる京に近い町だ。
裕福層でなくとも、芝居や見世物を見るためには金を厭わない者ばかりの集まりばかりが京よりも土地の安いこの地に住んでいる可能性は低くはない。
「それに、暁の横笛は誰もが聞き惚れる名手だもの。
丁度いいわよね!」
炎華は名案だと言わんばかりに明るく笑い小走りに町へ続く道を走り抜けて行く。
「、、、残念。」
暁が多少、拗ねていたのも知らずに。
お久しぶりでございます。
危うく一カ月たちそうでしたが、、、じつは明後日が期末テストだったりして、、、。
ふふふ、、、私はなにをやっているのでしょうかァァァッッ!!!(殴




