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屋上のバレリーナ

作者: 月野美麗

 私の学校には不思議な噂がある。夕方頃に屋上の扉の前を覗くと制服を着て上履きのままでバレエのようなダンスを踊る少女がいるという噂だ。その噂を信じて見に行く人が後を絶たなかった。


「なーんであんな噂を信じて見に行くやつがいるのかねぇ…」

「ほんとにね…。てか、この仕事いつになったら終わるのー!」

 友達の幸紀と教室で話しながら小道具の清掃をする。こうして人が増えたり、演劇後だったりは少し清掃が大変になる。私と幸紀はまだ高校一年で経験が浅いため、おのずと清掃の方をよくやっていた。次回の公演はバレリーナがテーマな上にうちの学校は役作りのためなら何でもするというのもあり、今回は部費でバレエシューズを落としていた。そしていま私たちがきれいにしているのがバレエシューズだ。

「こんなの落として何に使うんだろうね…。ダンスが上手いかと言われたらそうでもないし、どうせならバレエのレッスン費用に使ってほしいね」

「その通り過ぎる…!てか、習ったところでこんな短期間じゃ意味ないだろうけど…」

 軽口を叩きながらある程度きれいになったのでケースにしまう。そこであの噂の対象がバレリーナのような少女であったということを思い出した。

「ねぇ…」

「ん?どしたの?」

「どーせならさ、せっかくだし屋上行ってみない?ちょうど目撃されてるのってこの時間帯でしょ?」

「うーん…いいかもね!ちょっと行ってみよっか!」

 彼女のノリの良さにはいつも頭が上がらない。私の突発的な提案にのってくれる彼女に私は感謝しかなかった。


***


 彼女とのノリでそのまま階段を上っていると屋上付近から音が聞こえてきた。とても優雅な音に引き寄せられるように近づいていくとそこには噂の通り制服姿でバレエをする少女の姿があった。その姿に目を引かれ動くことを忘れる。

「綺麗…」

「ほんとにね…」

 そう呟いている間にその少女は目の前から消えていった。それでも、一度見入って体が固まっているからか、それから5分程度は固まっていたような感覚だった。

「すごい綺麗だったね…」

「本当に…」

「ねぇ…優紀」

「何…?」

「私たちにもあれ…再現できないかな」

「どうだろう、やってみる?」

 そう笑って、二人してそこに立って踊り始める。その姿は自分たちから見ても本物のバレリーナのようで、だんだんと引き込まれていった。


 ─────その日、校内で二人の少女が失踪した。




 ねぇ知ってる?この学校には不思議な噂があってね。夕方頃に屋上の扉の前を覗くと制服を着て上履きのままでバレエのようなダンスを踊三人の少女がいるという噂なんだけどね。安易な気持ちで彼女たちの真似をすると消えてしまうんだって。だから、気を付けてね。

 そのうちの二人は、被害者だから…ね。

                       〈完〉

 どうも初めまして、月野美麗と申します~。

今回は『屋上のバレリーナ』を読んでいただきありがとうございました。

今回は自分で描いたイラストをもとに書いてみました。

なんか本当に不思議でどういう意味だよ!って方が居たらすみません…。

ホラー調の小説は今回が初なんで許せ(は?)

てな感じでこんな図々しいですが、今後仲良くしていっていただけると光栄です!

それではまたどこかの作品でお会いしましょう!

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