目覚め
不定期更新。今回のは気に入っているから続くかも。
「ピーッピーッ 生命維持機能低下...チャージが必要です」
ううっ、ここはどこだ。
宇宙服のインターフェースが警告音を発している。
さ、さむい。
インターフェースには-50℃と表示されている。
とにかくチャージに使えそうな自然素材を探さねば…。
僕はずっと気を失っていたのだろうか。思い出せない。
周辺を見渡してみる。壊れた宇宙船とその破片。
北西の方角では煙が上がっているのが見える。
なにかあるのだろうか。後で行ってみるとしよう。
まずは宇宙船のブラックボックスを確認してみる。
「xe/suuum,xe/suuum,xe/suuum,xe/suuum」
データが破損しているみたい。同じ言葉を繰り返している。
コクピットをサルベージして緊急セットを見つけた。
緊急セットの内訳は修理キット,生命維持装置のチャージコア,武器(銃とナイフ),緊急対策マニュアルだ。
とりあえず僕は生命維持装置をチャージして事なきを得た。
これで凍え死ぬことは無いだろう。
次に故障箇所をチェックする。
パイロット支援システムに呼び掛ける。
「診断中...エンジン損傷度58%,ハイパードライブ損傷度100%...」
ハイパードライブはもう使い物にならないな。
元々、ボロボロだったんだ。しょうがない。
幸いエンジンの損傷は思っていたよりも軽微なもので、修理キットの手に負えるレベルだった。
記憶が無いはずなのに、迷いなく修理出来たのは身体が覚えているせいだろうか。
やはり思い出せない。なにか...大事なことを...。
移動する準備は整った。これより北西の方角を探索する。
「反重力エンジン始動開始...正常に完了」
低く重い音が鳴り響く。僕の耳はこの音が好きみたいだ。
とても高揚感を感じた。もしかして音フェチ?...いやいや。
「どこへ向かいますか?...xe/suuum...ハワード少佐」
僕はハワードという名前または苗字だったのか...。
まあいつか思い出すだろう。
北西の方角へ向かえ。
宇宙船は轟音を響かせながら飛び立った。
最後まで読んでくれたあなたが大好き。
ブックマークしてくれたら嬉しいなぁ。
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