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記憶喪失が異世界で頑張る  作者: 鷹匠になりたい人
7/7

5話

え??他人から見えないってどういうこと?私の目には可愛らしい少女が映っている気がするのだが幻覚か何かなのだろうか。


絶賛パニック中の私に、彼女はちょっと慌てた様子を見せながら弁解する


「急に言ってごめんね?そんなに驚かれると思ってなくて……」


割と本気で謝っている彼女の顔をみて思考がクリアになる。


「大丈夫だよ。その、少し驚いちゃっただけだから」


「ありがとね、いつかは言わないとなあって思ってたんだけど言い出す機会がなくって」


「だいぶ落ち着いてきたからあらためて説明してもらっていいかな?」


彼女に詳しく聞いてみたところ、なかなかに長い説明が返ってきたが私の分かる範囲で要約すると


存在感が異様に薄いから相手に認識されない


こんなところだろうか。


ただ正直彼女の言ったことの半分も理解出来ていない。流石に私から聞いた以上なんとなくで済ますのは悪いのでもうちょっと聞いてみる。


「存在感が薄いっていう認識でいいのかな?」


「だいたい合ってはいるんだけど……詳しいところは実際に見せた方が早いかな」


ということでまたもや彼女に手を引かれて移動する。




私はいまとても奇妙な状況にあると思う。


目の前で彼女が知らない村人に対し手を振っているにもかかわらずその村人は自分のことを凝視している私のことを彼女越しに見ているのだ。

私からすれば彼女の背中が大半とその上に少し村人が見えるくらいなのだが、その村人は私との間に何も無いかのようにこちらを見ている。

流石にパニックになりそうだ。数秒間見つめあっていた村人から目を離し人目のつかないところに逃げていく。きっと彼女もついてきてくれることだろう。


私が今の出来事について頑張って消化していると彼女から声が掛かる。


「やっぱ驚くよね、お姉さんは私のこと気味が悪いとか思わない?」


「そんなことないよ!あなたは可愛らしい少女だとおもうわ」


彼女のネガティブ発言に自分のパニックは取り敢えず置いておき彼女を励ます。彼女が可愛いと思うのはお世辞などではなくもちろん本音だ。

これまでの言動から彼女はかなり自己肯定感が低いようだ。彼女がどんな事情を抱えているのかは分からないが私を助けてくれた恩人だ、私に出来ることがあるのならしてあげたい。

取り敢えず出来ることは彼女が私に提案してくれた旅の同伴だろう。


(その旅の中で彼女の口から彼女の事情を言ってくれるくらいには仲良くなりたいな)

ブックマークありがとうございます!不定期更新ですがよろしくお願いします。

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