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出会い

「さっきうるせぇぞ!」別の男性客がキレた。


「お前には関係ねーだろ。すっこんでろ!」酔っ払いたちがさらに絡む


「小僧!!お前さっきからいいようにやられやがって胸糞悪い。」男は僕の首を掴み引っ張り上げ立たせた。


「それだけの魔力ありながら何してるの?」隣の女性が僕に言う


「ありゃなレアなナイフだ。それを取り返せなくて何が冒険者だ」男の言うことはもっともだ。


あれは餞別でもらった貴重なナイフ。そして死ぬ思いで体を改造して魔法と剣の特訓もしたじゃないか。


そういえば頭を思いっきり机にぶつけられ蹴られたけれど、全く痛みがない。身体強化を常時しておく特訓が役に立った。


急に怒りがこみ上げてきた。酔っぱらいに対してもそうだが、僕を強くしてくれようとした人たちの努力や励ましに全く答えられていない自分に。


「いい顔になったじゃねーか小僧。1発ぶん殴って男を見せろ」そういうと背中をバンッと叩く。


その瞬間僕の中で何かが弾けた。


「しねぇーーーーーー!!!!」無意識に全身を全力の魔力で強化して殴りかかっていた。


ズガァアアアアアン!!!!ものすごい音が響き建物が揺れた。


カランッカランッとナイフが落ちる音がした。


酔っ払いはそのまま崩れ落ちて気絶していた。


僕のコブシは酔っ払いの顔の前で止まっていた。いや止められていた。


「あっぶねぇなぁ~小僧、それにしても極端だな。殺すところだったじゃねーか。」僕にハッパを掛けてきた男が片手で僕のコブシを握っていた。


あたまをゴンツと殴られ正気を取り戻す。この人が止めてくれていなかったら危うく人を殺すところだった。カノンが魔力抑制の腕輪をつけていてくれてなかったらやばかった。もし僕が腕輪なしの全力で殴っていたらと思うと、僕は自分の力に恐怖を覚えた



「おいお前ら、とっととそいつ連れて帰れ、そしてもうここに来るな」男が酔っ払いを追い払った。


「ほらよ!」男はナイフと僕のギルドカードを拾って渡してくれた。


「それにしても痛えぇ~~~!!小僧やりゃ~できるじゃねーか。でも加減を覚えろ」


「すっすいません。すいません。助けてくれてありがとうございます。」


「むしろ助けられたのはあの男」隣の女性が言う

「そりゃちげ~ね~!あっはっは!!」男は高らかに笑った。


「でも、あのとき僕に声をかけてくれてなかったら、今頃大事なナイフを奪われているところでした。どうお礼をすれば…」


「坊主ここは酒場だ!お礼は当然酒だろ。俺たちに1杯おごれ!」

「はい!!!もちろん♪」


「ねーちゃん!エール3つ」豪快に男が注文する


「は~いおまたせしました」ドンッと机にエールを置く


「坊主の冒険者デビューにかんぱーい」


「とりあえず自己紹介でもするか。俺はフィンレー、フィンと読んでくれ。こっちの背も胸も小さいのがソフィア」

「胸は関係ない。あと私のことはソフィでいい」そういいながらフィンに肘打ちを食らわせる


「僕の名前はウエスギヒロハルです。」


「長いな!ハルでいいか!」

「よろしくハル」


「フィンさんソフィアさんよろしくおねがいします。」


「それにしてもなんであれほどの力を持ちながら黙ってやられてた」不思議そうにフィンが尋ねる。


「実は僕いじめられっこで、、ある人に強くしてもらって自信がついたつもりだったんですけど。いじめの恐怖を克服できてなかったみたいで。」


「モンスターとかも退治したことないのか?」

「はい。まだ…」

「なるほどねぇ~。でも恐怖はお前だけにあるもんじゃない。俺にもあるし、こいつにもある。ただお前と違うのは付き合い方だけだ。


「付き合い方?」


「恐怖を感じたら行動を起こすか、恐怖に縛られるか。選べるようになれハル」とフィン

「恐怖を感じたら逃げてもいい。でも動きを止めちゃだめ」とソフィ


「わかりました!逃げられるようになります!」

「おいおい、そこは戦えるようにだろ」

「おもしろい子」


「さっきちらっと見えちまって申し訳ないんだが、もう一度ギルドカード見せてくれるか?」

「ええもちろん」ポケットから取り出す。

「ソフィ見てみろ。ブロンズだがゼロナンバーだ。」

「フィン見てそれにこの腕輪。魔力を制限するアイテム」ソフィアが僕の腕輪を指差して言う


僕はなんて答えていいのかわからなかった。異世界から来たとも言えないし、カノンのことも言えないし。


「ごめんなさい。説明したいんですが……どう説明すれば言っていいのか。」言葉が濁る

「いやこっちこそすまねぇ。初対面でいきなり詮索するようなことして。」

「詮索はフィンの悪い癖」

「おいおい腕輪のこと言ったのはソフィのほうじゃねーか!」

「しらない」フィンはとぼけてエールを飲んでいる


「カードありがとな大事にしまっとけよ」


「ちなみにお二人はランクいくつなんですか?」

「俺らか?アダマンだ」とてもきれいな青いカードをハルにみせる。

「きれいな色ですね。アダマン……?あっアダマンタイト!」言ってから気がつく。最高ランクの冒険者だと。



「フィンそろそろ行かないと」

「あ!!!忘れてた!仕事があったんだ!ハルごちそうさん。今度パーティー組もうや」

「じゃあねハル今度魔法みせて」


二人は駆け足でその場をあとにした。


いい人たちだったなぁ。また会えるといいな。その時はホントのこと言えるといいな。


なんか今日はいろいろ疲れたな宿屋探して休もう


「あのこの辺で安い宿屋はありませんか?」

受付のお姉さんに尋ねてみた。


「それなら通りを挟んで正面の宿が一番安いですよ。」

近くてよかった。お礼を言って通りをわたり宿屋にはいる。


「すみません。一番安い部屋ありますか?」

「階段横の部屋が空いているよ。静かな方がいいなら馬小屋もあるけど」

女将が笑いながら言う。


「階段横の部屋でお願いします。」お金を払い部屋に入る。


あ~もう疲れた。ベッドに入るとすぐに眠りにおちた。

■お願い


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