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人体改造


「今度はどこですか?」

「ここはエルフの森よ」


村人「あ!あなたはもしかしてカノン様ではありませんか?」

村人「あ!!!カノン様!会いたかったです」


「みんな変わってないわねぇ~。エルフってほんと長生きでうらやましいわ。シルア様もお元気?お願い事があってきたの。シルア様のお宅はそのまま?」


「はい!シルア様もお変わりなく元気ですよ。」

「それはよかったわ。ではお宅のほうにいってみるわね。」カノンは片手でエルフたちに手を振り、もう片方の手で僕を引っ張っていく。


道を歩いていると通り過ぎるエルフたち全員が蔑む目で見てくる。この目はイジれられているときに周りが僕に向ける視線そのものだった。


「エルフはどんな種族にもあのような目で見るのよ。」僕の様子に気がついてカノンが慰めてくれる。そんなことをいいながらカノンには皆笑顔で手をふる。


コンコンッ ノックをするとドアが開き銀色の髪をした美しいエルフが出てきた。

「シルア様 カノンです。お久しぶりです。」


「あぁ愛しのカノン。またこうして会えるなんて私はなんて幸せものなのかしら」シルアはやさしく抱きしめカノンにつげた。


「ちなみにそちらにそちらにいる人間の男の子は?」シルアは僕について尋ねた。


「彼がね!私を助けてくれたの♪ ヒロハルっていうのよ」

「は…はじめまして ヒロハルといいます。」


「ヒロハルさんはじめまして、シルアです。カノンを助けてくれてありがとう。立ち話もなんだからお二人中に入ってお茶でも飲みながらいろいろお話を聞かせてくださいませ」


カノンはなぜ400年間封印されていたか、どうやって封印を破ったかシルアに説明した。


「そう・・・それはたいへんだったわね。まさか王国の仕業だったなんて」シルアはいった。


「そういえば、封印されてたということはカノン年齢的に400年歳になるのかしら。それにしてもヒロハルさんと見た目は全く変わらないわね。」


「たしかに言われてみればそうね。封印中は年齢は取らないのかも?もし、元の世界に戻っったとしても400年後じゃ、皆死んじゃってるわよね。どうしよ……」カノンは涙目になっている。


「このままここにいてもいいのよ。」優しく抱きしめるシノン

「ありがと…シノン様。ごめんね、ヒロハルせっかく助けてくれたのに湿っぽくしちゃって」


「カノンさんには感謝よりも怒りしかありません」

「ヒロハルなんで?あの王国から助けてあげたじゃない?」カノンはキョトンとしている。

「国王の前で僕を抱えながら私達は国を滅ぼすみたいなことっていったじゃないですか!完全に悪役じゃないですか!」

「ごめんね。私が怒りに任せて行動したせいで」

「本当ですよ。勘弁してください。」


「ヒロハルさん。カノンがごめんなさいね。許してあげて。それにヒロハルさんも元の世界に戻りたいんでしょ?」


「正直、僕はどうしたらいいのかわかりません。」

「どういうこと?」カノンが驚いた。


「ずっといじめられてて、毎日ずっと死にたいと思っていました。もしも別の世界があったなら逃げたいって思ってました。この世界ではいきなり王国を敵に回したし、もう死ぬしかないかなって。」


「英雄のカノン様は王国を敵に回しても問題ないかもしれませんけどね。」


「だったらハルヒロも私みたいに強かったら問題ないのよね!」


「そうですね!むりですけど」


「だったら、シルア様。私にしてくれた『1日で魔王より強くなる秘術』をヒロハルにもやっちゃってください」カノンは簡単に言っているが、シルアの表情は険しく冷たいものになった。


「カノンふざけてはだめよ。神々から伝わった神聖で危険な秘術なのよ。カノンと同じ世界からきているヒロハルさんにも使えるかもしれないけれど。」


「ごめんなさい。」


「カノンの場合、かなり強くなってから秘術を行ったから、心臓が1回止まったぐらいなのだけれど……」僕をもう一度見てからシルアは続けて言う。


ヒロハルさん悪く思わないでくださいね。努力をしていない人がやったら激痛で死んでしまうと思うわ。」


「死ぬ。。。」ヒロハルは息を呑んだ。


「じゃあ特訓してからは?」カノンが尋ねる


「おそらく今のまま数年特訓しても冒険者の初級レベルぐらいの魔力にしかならないわね。あくまでこの世界の人間として評価した場合だけど。」


「それだと施術を成功させるどころか、僕がこの世界で生きていくことはできないってことですね」また皮肉を言ってしまった。


「きつい言い方をしてごめんなさい。大丈夫エルフの森に住めるようにしてあげるわ。エルフ族はプライドが高いから最初はつらい思いをするかもしれないけれど、カノンの知り合いならきっと皆受け入れてくれるはず」


あの蔑んだ目を受けながら生きるくらいなら世界関係なくもう死んでしまいたい。


「ヒロハルは強くなりたい?」両手で僕の顔を持ち上げ真剣に聞いてくる。


「なれるもんならなりたいですよ!でもどうせ僕なんかすぐ死にますよ」


「いいから聞きなさい!あなたはたった一人私の助けに気づき、そして私を助けてくれた。あなたの魔力が英雄でも破れなかった封印をといたのよ!!」

涙を流しながら続ける。


「そんなに死にたいなら、秘術を受けて死になさい。生きていたなら私のために日本に帰る方法を探しなさい!」


「どうせ死ぬ覚悟なんてないくせに、口だけなんでしょ。そうやって何でも人のせいにして生きていけばいいじゃない」


「上等ですよ!秘術だかなんだかしりませんがやってやりますよ!強くなれなかったら死ぬしかないし!」


成功すれば、魔王より強くなれる。だめでもともと、どうせ死にたいって思ってたんだ。イチかバチかにかけたっていいじゃないか。こんなチャンス二度とない。


「シルア様お願いします僕を強くしてください」


「どうなっても知りませんからね。」


「それではそこのベッドに横になってください。暴れると危険なので手足を拘束させていただきますね。舌をかまないように口枷もさせていただきます。」


準備が整うとシルアは呪文を唱え始めた。そうすると両手が光に包まれる。


うがぁあああ!!!!!!!! 手が体内に入ってくる感触がある。わかる。体内にある絡まった紐がほぐされていく感覚がわかる。何だこの激痛はうううぅぅぅううがああ!!!!!!!


全身が痙攣して、手足に紐が食い込んで出血がひどい。痛い痛い痛い。腕がちぎれたんじゃないか


ごぼぉっごぼぉ 口枷の間から血がこぼれる。


「体内の魔力が暴走して内蔵を傷つけています。口を横に向けて呼吸困難にならないように血を吐き出させて!」


手足の血管が弾けて血があたり一面を血の海にする。


「カノンもっと全力で回復魔法ヒールを!!」


更に状況は悪化しヒロハルの体は一部が焼けただれ、一部は氷、一部は風で切り刻まれ、一部は石になっていた。


何度、痛みで意識を失ったかわからない、しかし、またすぐに別の激痛により意識が強制的に途切れる。これなら死んだほうがましだ!もう何も考えられない。。


「体中が様々な魔法の効果でズタボロに。こんなことになるなんて」カノンは目を背ける


「喋っている暇があったら回復に集中しなさいカノン!」


「殺してくれ!殺してくれ!!!」声にならない叫びをヒロハルが上げている。


「もう少しで完成なのに、最悪なことに闇の属性保持者だったのね。このままだと自身の魔力で体ごと闇に吸いつくされて消えてしまう。どうにかしないと。」シルアは考えを巡らす。


「カノン。闇の魔力結晶はもってない!?それがあれば状況を打破できるわ」

「あるけど、さすがにこれは…」なぜか出し渋るカノン

「カノンいいから出しなさい。彼を死なせたいの?」ためらいながらカノンは魔力結晶を渡した。すぐさま、シノンはヒロハルの胸にそれ押し込んだ。


ヒロハルの体内の魔力が膨大に増幅する。


うがああああ~~~~!!!!!!!!ぐっがぁあああぁぁあ


何度か大声でわめいた後、痙攣していたヒロハルの体の動きが止まっていた。


「ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、死なないでヒロハル!」カノンは回復魔法をひたすら続けている。

「カノン。もういいのよ。もう終わったの。」そうシルアは首を横に振りながらいった。

「ヒロハルごめんなさい。ほんとごめんなさい。」膝から崩れ落ちて意識を失った。

「お疲れ様。カノンゆっくり休みなさい。」


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