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異世界転移

真夜中のコンビニの帰り道、

「なんで僕っていじめられるんだろ。悪いことなんてしていないのに。もう死んでしまいたい…」


そんな独り言を言っていると、目の前に、バスケットボールほどの光の玉が急に出現した。


「いったいこれは??」


直接触るのが怖かったので、コンビニで買ったジュースを手に取り、そのに突っ込んでみた。その瞬間、全身が光に包まれた。


光が和らぎ、やっと目が開けられるとそこは、今まで来たこともない見知らぬ広場の真ん中だった。


気が付くと周辺の大勢の叫び声が聞こえる。


一体何が起きているのか?状況が理解できない。周りを見てみると、叫んでいる人たちの視線が一点を指している。


「どこだここ・・・ 皆なんで僕を見つめているんだ?」


いじめられっ子で、怒鳴られて絡まれ恐怖に怯えることがあっても、人に怯えられることなどないはずだ。


しかし、実際にそれがおこっているのだ。


さらに叫び声に混ざっていた言葉、「魔族」。


この俺が魔族?馬鹿な。後ろにあった噴水の水に自分の顔を移して確認してみるも、何も変わらない普段の自分だった。


一体何が起こっているのだ。


叫び声を上げながら逃げていく群衆をかき分けながら一行が現れた。


騎士団長「皆の者しずまれ、ここは騎士団長のワタシに任せたまえ」


騎士団長?どこの国だ、しかも周りを見渡すとビルはなく、まるで中世ヨーロッパの町並みではないか。


「貴様一体どうやってここに現れた!転移の魔法は英雄カノン様のご加護のおかげで街なかでは使えないはずだ!」


転移の魔法?英雄?さっぱり何を言っているのかわからない。


「騎士団長殿、彼からは小規模の魔力しか感じられません。そんな彼が転移の魔法は使えないはず」私魔法使いです!みたいな格好の女性が彼に伝えている。


「何がなんだか。いつの間にかここにいて、一体僕に何をしてた!!一体ここはどこだ!おっお前らはだれだ!!!」パニック状態で言葉になっているかさえもわからない。


(ここから逃げなきゃ。やばい。きっとやばい。)逃げ出そうと体を動かした瞬間



「動けば殺す!」


「ごめんなさい。ごめんなさい。何もしません。うごきません。」その場で土下座をする。


「それならば、おとなしく投降しろ、」


「つ・・・捕まります。死にたくないです。命だけは・・・」といった瞬間地面に組み伏せられあっさりと騎士団に逮捕された、そして王宮の地下にある牢獄に入れられることとなった。


騎士団長は少年を牢獄に入れた後、事の顛末を報告しに国王のいる玉座の間にむかった。


「騎士団長、城下町で騒ぎがあったそうじゃな、何があったか述べよ」


「国王様、城下町の噴水付近にて、怪しい少年が突如として現れました。しかし、話が通じぬところが多く、現在は地下牢に閉じ込めております。」


「すでに噂は広がっているようじゃな、新しい魔王の登場や、英雄の再来など。はてさてどうしたものかの。貴殿の個人的な見解はどうじゃ?」


「あの細い手足、剣術も魔術も身につけている様子はなく、少ない魔力が気がかりですが、所詮学生レベルの能力。現状では特段問題にはならないかと。しかし、着ている衣服や持ち物などから見るとこの世界のものではないかと考えられます。しばらくは牢獄で様子を見て、問題がなければ自由の身にし、今後の動向を見張るのがよろしいかと。」


「あいわかった。それではそのようによろしく頼む。」


国王には1つの懸念があった。まさかその少年が400年前に我が国を救った英雄に関係するものでなければよいのじゃが。国王は不安を悟られぬようにある書物について思い出していた。


ー地下牢にてー


捕らえられた少年は頭を抱えていた、一体ここはどこだ? 中世のような町並みに騎士団、そして魔族という言葉。まるでファンタジーの世界ではないか。


なんとか命は助かったものの、処刑される可能性もある。一体どうすればいい。もうわけがわからない。一体あの光は何だったのだ。この世界は何なのだ。


ついさっきまで、いじめられている毎日が嫌で死にたいと何度も思っていた。しかし、いざ死ぬかもしれないという状況になった今、なんとかして生きて戻りたいと願ってしまう。


神様元の世界に戻してください。僕は何度も繰り返し祈り続けた。


-- …います。届いています。あなたの声が・・・


どこからともなく、声が聞こえる、それは僕の脳に直接に呼びかけてきているようだった。


「聞こえます聞こえます!助けてください。」


--大丈夫です。私のところまでくればあなたを助けましょう。その牢獄をでてさらに深く下にある行き止まりの扉まで来てください。


「しかしドアに鍵が…」


--大丈夫です。私が開けておきます。


ガチャ


開いた!開いたぞ!すぐさま地下牢からでて、さらに地下と向かう、近いに向かっていくと声がだんだん大きくなる。


「う…かび臭い ゲホゲホ」

一体どれ人が来ていなかったのだろうか。


扉には魔法陣が描かれており、鍵穴もとってもついていなかった。



「神様いったいどのように開ければよいのでしょうか」


ー 扉に描かれた魔法陣に手を触れてください。私の魔力とあなたの魔力とリンクさせてドアをこじ開けます。


魔法陣に右手を触れてください。


僕は言われるまま片手をドアに触れる。


すると聞き慣れない呪文のような声が頭をよぎる。そして唱え終わった瞬間、ひんやりとしていた右手にズキンッ!!と猛烈な痛みが走る。そして焦げるような香りと煙が!!


「うわああああ!!!」


思いっきりドアから手を放すと、手の皮が剥け、血が滴り落ちる。痛みに我を失ってしまった


いったい何が起きたんだ・・・・掌が焼けただれて、開いたドアには手のひらの皮がまるまる焼き付いて張り付いている


そのドアはいつのまにか完全に開ききっていた。


その奥には中に浮く鎧の女性の姿があった。ガラスのようなものに閉じめられているようだった。


―さあ。。つらいでしょうが今度はこのクリスタルに手を触れてください。この封印から解き放つことができるのはあなただけなのです。


ちょっとまて、なぜ彼女は王宮の地下に封印されているのだ?もしかしたら、魔族や魔王の類なのでは・・・ヒロハルは不安でいっぱいになる。


そういえば、神様だなんてなのっていないじゃないか。やばい。騙された!


-だいじょうぶです。私もあなたと同じ日本からこの世界に召喚された人間です。


信じていいのか?でも日本を知っているなら…日本に戻る方法を知っているかもしれない。ぼくは覚悟を決めた。この人の封印を破ろうと。きっと元の世界に戻してくれるに違いない。


クリスタルに手を触れると先ほどと同じように呪文が脳内をたどって力が手のひらに集中される。

呪文が終わると、パリンッ!クリスタルが砕け散り、彼女がゆっくりと僕を抱きしめながら呟く。


「助けてくれてありがとう」


そういうとその少女は僕の手を取り、舌で手のひらを舐めはじめた。


「どう?気持ちがいい?」


痛みがやわらいでいき、手のひらがきれいにもとに戻っていく。


「はっはい。。。ありがとうございます」女の子と喋ることすらほとんどないのに、まさか手を舐められるとは思わなかった。


「私の名前は神山花音。英雄と呼ばれたこともあるのよ」屈託のない笑顔がこの不思議な体験の不安をいやしてくれる


「君の名は?」

「僕の名は上杉陽春といいます ヒロハルってよんでください」


「ありがとうヒロハルあなたが現れてくれなかったら一生このままだったわ。いろいろ情報交換したいところだけど、まずはさておき、封印された怒りをぶつけにいくわよ!!!」


「ちょっとまって!!!何をするんですか!?」

そういうとカノンはヒロハルを脇に抱きかかえながらじゅもんを唱える。唱え終わると光が二人を包み、国王がいる玉座の間に移動していた。。


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