長浜敦司「 ひょんな出来心 」
こんばんわ。
この物語を開いて頂き、誠にありがとうございます。
まず始めにおことわりだけさせていただきます。
ちょっぴり性的表現っぽいのが出てきます(作者はエロい事は考えておりません。ボキャ貧なだけです)、
無理な方はブラウザの戻るボタンで見なかったことにしてください。
この物語はある程度構想があった物を適当にひん曲げたものですので、プロットとかありません。設定は読み進める毎にブレブレになる可能性があります
無理な方はブラウザの戻るボタンで見なかったことにしてください。
PV数だったり、コメント、ブクマ数次第で更新頻度は変動します、ごめんなさい。
他の物語を読んで頂いている方々へ
この物語は他のものとは何も関係ありません。
異世界へトリップする予定ですが、
同じ名称のものが出てきても同一性はありませんので宜しくお願い致します。
思春期の不思議を非常にぶっ飛んだ感性でお送り致しますが、それに関してはフィクションということで多めに見てください。
暑い。
夏の日差しを気にせず、校舎の外からは女子ソフトボール部の掛け声がやけに響く。
敦司はクラスの中では皆を纏めたりいつも皆の中心にいる一際目立つ少年だった。
そんな少年が今までかつてない程心臓を鳴らせている。
今は放課後。
窓から夕日が顔出し朱色の空間に影が伸びる。
敦司は道具箱に手を伸ばす。
道具箱の中にある革の袋を取り出すとジッパーを下ろす。
そう、これは「縦笛」だ。
しかも只の縦笛ではない。
敦司が密かに想いを寄せる璃乃という少女のものだ。
自分とは正反対な物静かな少女に彼は少しずつ惹かれていった。
そして今日偶然、璃乃は図書委員の友人に無理やり連れていかれて道具箱を机の上に出したままにしてあるのだ。
ほんの出来心でここまで来てしまったが、
ここまでくると止められない。
これを咥えたら何か、
何か変わるかもしれない、
自分の中の開けてはいけない扉を、
理性という鎖でぐるぐる巻きにした扉を
肥大化した好奇心と下心、そしてヤツらの背後には背徳感が背中を押し、漲った力で
今、理性の鎖を引きちぎった。
敦司は好奇心と下心の赴くまま縦笛を口にすると、
途端に周囲に対する警戒が溶けていった。
それまでは教室に誰か来ないか、と廊下の方に気を配っていたのだが、
もう、どうでもよくなった
気分は何故か落ち着き、
こんなもんか、
という気持ちの反面、やってしまったことに対する背徳感が増大していく。
しかし、
「なんか甘い味がする。」
甘い、
そう、蜜の味だ。
自分だけの秘蜜の味。
好物のハンバーグなんか目ではない。
空腹感は満たされないが、
不思議と幸福感が勝り暫くの間その縦笛が与える蜜の時間を堪能した
音楽の授業、
自分の縦笛を吹いていると、
歯形がついていたりと、口当たりが悪い。
これではない、
俺が吹きたいのはコレジャナイ。
璃乃に目がいく
いつもは顔全体を見るのに、
少し視線は落ち、
潤んだ唇が触れるのは、
あの日自分が咥えた縦笛だ。
なんだろうか…
顔の割りに大きな丸縁のメガネも、
髪に隠されている輪郭も
必死に穴を抑える指を動かす仕草も、
全てが愛おしい。
そしてまた、
敦司はここに立つ。
敦司が立っているのは自分の席の前ではない。
やはり璃乃の席の前だ。
今回は道具箱が机の上に出ているわけでもない。
否、机の上に出すのだ。
勝手に道具箱を取り出し、勝手に縦笛を舐め、しゃぶり尽くすのだ。
「出席番号27番!長浜敦司!好きなゴーヤは苦くないゴーヤです!」
そう、苦くないゴーヤだ。
それどころか甘い、
宣誓の言葉も述べたが、意味なんて無い
敦司はただゴーヤを蹂躙し、しゃぶり尽くすだけだ。
高揚感に背中を押され、
縦笛の袋をゆっくりと開ける。
こんにちわ!
新たな世界、
さようなら!
昔の宇生な自分。
初めは軽く先端に口付ける。
若く吸い付く唇は妖艶さを増し、
縦笛の鈴口を舐める。
その勢いで下を絡ませ、縦笛の先端を舌の先で回すように、そしてなぞるように優しく愛撫する。
敦司にとっての至高の時間は始まったばかりだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
雨が降りしきる。
梅雨は明けたと思われたが
雨が降った為か放課後になれば学生は皆一斉に走り帰路に着く。
普段は校内で走る部活動も今日はお休みのようだ
おおよそ学校に生徒は残っていないと思われるそんな時間。
一人の少女が給食係用のマスクを忘れ、また学校に戻ってきた。
明日は土曜日だから洗濯をしなきゃと、
お母さんの反対を押しきって学校に戻った。
傘は差していたものの、
二段になったヒラヒラのスカートは濡れてしまっている
「つめたっ…」
太股の中ほどまでしかないスカートをキュっと絞ると教室に向かった。
教室の前、
廊下の体育着入れがポツンと1つ。
「あれ?敦司君、体育着忘れてる。」
体育着入れの名札を確認し、少し遠回りになってしまうが、
「休み挟んじゃうと臭くなっちゃうよね…」
と善意で家まで届けてあげることにした。
そして本来の目的の給食係用のマスクを取りに教室のドアに手を掛け、
教室の中に人影が1つ、ビクりとして視線が動く。
この時、
少女は教室の中で行われている奇行に言葉を失った。
数分間に渡ってその奇行を目にし、
少女は雨の中傘も差さず、呆然としたまま濡れて帰路に着いた。
「あ、ほら!今度は傘忘れたの?こんなに濡れて。」
「……」
母親はバスタオルを洗面台から持ってくるとワシワシと頭を拭いた。
「あれ?体育着袋…敦司君のじゃない。どうしたの?」
「…忘れ物」
言葉数の少ない娘に不信感を抱くが、娘は体育着袋しか持ってない。
「マスク、結局忘れたの?」
「…」
「ふふ、そんなんで怒んないから。風邪引くと悪いから早くお風呂行ってきなさい。」
「はい…」
トボトボと洗面所に向かう娘を見送ると
「長浜さんちに後で届けに行こうかしら。」
玄関の窓に打ち付ける雨を見ると
「ウチで洗って返した方が親切よね」
と後回しにし、夕飯の支度に戻った。
「眠れない。」
時刻は23時。
普段なら少女はとっくに夢の中。
夕方の教室の中での光景が頭について離れない。
あれは一体なんだったのだろうか。
なんであんなことを?
何か意味があるのかな?
朝起きたら異世界に来ていた。
「おかあさん?おかあさん。」
少女は涙がぐみながらよくわからない道なき道を歩く。
一人はさみしい、さみしいよう
なんか魔物に囲まれてるし。死んじゃうわ、私
「助けに来たよ!」
敦司がかっこよくマントを羽織って登場。
縦笛の袋から笛を引き抜き、
「えくすかりばーー!」
敦司は叫ぶ。
袋から取り出された縦笛は光輝き、魔物を怯ませる。
当たり前のように縦笛を口に当てると、
ものすごい【 自主規制 】な笛の吹き方をしてみせる。
それをみた魔物は皆自分の身体を抱きしめ、ビクビクと身体を震わすと恍惚の表情をし、消滅していった。
「敦司君、ありがとう!」
「お礼は要らないよ、さぁ君も一緒に笛を舐めよう!」
敦司は口から勢いよく笛を引き抜くとその拍子にヨダレの飛沫が舞う。
「…かっこいい。」
少女は言葉を失い、敦司のヨダレ滴る縦笛もとい
、えくすかりばーー!を眺めうっとりとする。
汁の滴る先端に少女の唇が触れた…