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魔女と勇者
幼い頃繰り返し見た夢がある
そこは異世界だった
何故異世界とわかるかと言うと
1人の魔女のせいで滅亡寸前だったから
その魔女の力は桁外れだった
1つ指を鳴らせば地響きと共に山は崩れ
ちろりと指先を舐め空へ指し示せば竜が舞い降り炎を吐く
全ては魔女の気まぐれな悪意の為、その世界は終わろうとしていた
ある時、残された人々の抗いに、向かおうとしたその先に
魔女は1人の少年を目に留めた
少年は嵐になぶられ、まだ華奢な体は今にも倒れそうな
その中で必死に魔女を見つめる瞳は七色に揺らめいて
七色に
虹みたいに
ふと魔女は姿を消した
再び魔女が姿を現した時、何かを探しているようだった
再び抗う人々の群れの中にあの少年を見つけた魔女は
微笑み
再び姿を消した
何故かはわからないが、少年は魔女の弱点らしい
ならばと人々は少年を「勇者」に仕立てあげた
魔女を倒すように
命と引き換えに「勇者」のみが使える異世界転移
少年は勇者となり魔女の元へ向かう
三度魔女に会い
殺す為に
私は何故かその世界の理~ことわり~を知っている
だからそうなったのだろうと思う
そう私は知っていた
魔女は私だったから




