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第19話「確認」

 これで堂々と動ける。どうにかして捜しに行こうと思っていたが、ひとまずは安心だ。

 さて、問題はユキの方だな。ボクはよくてもユキは嫌かもしれない。きちんと確認しないとだ。


「おかえり。リンさんとは話せたの?」


「おう。実はねえ、ユキに確認しなくちゃいけないことがあるんだ」


「わたしに?」


「……王様もリンさんもボクも……父さんと母さんを殺したやつと今回の件が関係していると思っている。レイダスの警備が強化されることになったんだけど、それだけじゃ心許ないってことになって……ボクとユキの力を借りたいという流れになっているんだ。ボクは構わないんだが、ユキの意思を確認しときたい」


 ユキが協力を拒むのなら一向に構わない。本来、ボクやユキみたいな子どもが関わることは好ましくない。


「はあ。わざわざ、わたしの気持ちを確認しに来たの? お姉ちゃんは意地悪だよ」


「は?」


「わたしがお姉ちゃんだけで行かせると思ってる? お父さんとお母さんの命を奪った人の仲間を見つけるチャンスに動かないと思っちゃってる? それはもの凄く残念だよ」


 あれれ。どうしてボク、ちょっと怒られているんだ?


「し、姉妹の仲にも礼儀ありってやつで……!?」


「言い訳はいいの。……お姉ちゃんは、わたしにどうしてほしい?」


「そ、それは……協力してほしい」


「ほーら! もう答えは出ているんだよ」


 いつの間にやら、主導権をユキに握られているんだけど。


「……あはは」


「これで話はおしまいだね。それで、行き先はどこなの?」


「そういえば決めてなかったなあ」


「敵は待ってはくれないよ。今日のうちに決めておいた方がいいね。ちょっとリンさんの部屋に行ってくるね」


 わざわざ確認する必要はなかったようだな。

 ユキだって闇を滅ぼしたいに決まっている。最初から分かっていたことなんだ。


「できた妹だなあ。ボクにはもったいないぜ」


※ ※ ※


「分かりました。ユキ様にもご協力していただけることになり安心しました。ありがとうございます」


「リンさん。わたしに遠慮なんて要らないからね」


 本当はお2人を巻き込みたくなどありません。ですが悠長なことは言っていられません。私はお2人を巻き込む側ですから、しっかりとお助けして支えていかなければ。


「はい。よろしくお願いいたします」


 暫くは宮殿を空けることになりますから、アンジェレッタとミレニアッゼにしっかりしてもらわなくてはなりませんね。期待をしている分、どうしても厳しくしてしまいます。


「さて、そうと決まれば早速、アンジェレッタとミレニアッゼのために指示書でも作ってさしあげましょう」


 案外、何かしている方が落ち着いていられるものです。

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