第18話「説得」
フュミラのことは王様に任せとけばいい。ボクもリンも専門外だからな。それよりも急ぐべきは、教主の言っていた“仲間”の捜索だ。実際にフュミラで死人が出ている。なんとしても見つけないといけない。
「お姉ちゃん。あんまり眉間を寄せているとシワが増えるよ」
「寄せてた?」
「うん。こーんな感じ」
ユキがボクの顔真似をする。似てるんだか似てないんだか分からない。ちょっとふざけが入っているのは間違いない。
「以後、気をつける。それよりもリンさんは?」
「王様と少し話をしたあと、自分の部屋に戻っていったよ」
「そうか。ちょっと顔見てくるかねえ」
「邪魔になっちゃうよ」
「ならないようにする。ユキは休んでいてくれ」
※ ※ ※
近衛騎士による警備の強化をするとは言っておられてましたが、それだけで充分とはとても思えません。5年前には、最強と謳われた騎士が殺されてしまった。あのときのことと今回のことが無関係とは思えません。
――ノックですか。どなたでしょう。
「ちょっといいかな?」
「ミア様。どうかなさいましたか」
「今回のことでちょっと」
「そういうことでしたなら。どうぞ」
「お邪魔しますねえ」
私の部屋にミア様が入ったのは初めてです。
「お紅茶でも飲みますか?」
「夜はカフェインは飲まないようにしているんだ。寝れなくなっちゃうんでね」
「そうでしたのですね。まだまだ知らないことがあります」
「それはお互い様だろう」
ミア様は誰であろうと態度を変えない。それがいいところであり、悪いところでもあります。私は一向に構いません。
さて、お話を始めましょう。ミア様は何をお話ししてくれるのでしょうか。
「リンさん。5年前にボクが殺したやつ……今回のやつと繋がりはあると思う?」
「ミア様もそう考えていらっしゃいましたか。実は、私と王様も同じ考えを持っているのです」
「それはよかった。細々話さなくて楽だ。レイダス全体の警備を強化するのは目に見えているが、そんなんじゃ不充分。近衛騎士だけでどうこうできるとは思えない」
「私と同意見ですね。ええ、まったくその通りでしょう。ですから、王様はもうひとつ策を練っておられます」
「どんな策だ」
「あまり本意ではないのですが――ミア様とユキ様のお力をお借りしたいのです。お2人の究竟魔法を」
「ボクとユキの力を?」
「是非とも」
「……その策、乗った!」
「そのお返事を待ってました」
ミア様を説得できました。これでひと安心です。




